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中学生と小さなラスボス        【エッセイ】よもやま子育て話16

ピピピピ ピピピピ
朝7時 目覚ましの音が鳴り響き
一度目のアラームで 
息子が下りてきます

「おはよう」

リビングのソファーに倒れ込み
軽い二度寝を始めます

10分後
ピピピピ ピピピピ 三度目のアラームで
娘がごそごそと起きだす音が聞こえてきます

これが
子供たちの一日の始まりです


我が家のリビングには

狭い座面と直角についている背もたれのせいで
とても座り心地・寝心地の悪いソファーと

座り心地を確かめて購入した
とても快適なソファーがあります

処分が大変なので仕方なくそのまま置かれている
座り心地の悪いソファーは
みんなに敬遠され
たまに座られては
「このソファーしんどい」とお怒りを受けるのです

勿論
起きてきた息子が二度寝のために
倒れ込むのも寝心地の良いソファーなのですが

10分後
娘が階段を下りる足音が聞こえてくると
何故か 寝心地の悪いソファーに移動するのです


毎日 繰り返されるその様子が面白くて
息子に聞いてみました

「なんでソファー移動したん?
 りりなに譲ってあげたん?」

「オレ移動した? 寝ぼけてて覚えてないわ」

そんなこととは露知らず
毎朝 寝心地の良いソファーで 
当然のように二度寝をする娘


ゆうとの優しさで快適なソファーを譲ってあげたのか
ただただ りりなのお怒りに触れるのが怖くて
移動したのか
真実は分かりませんが
無意識に体が反応してしまうとは、、

体も態度もでかくなった中学生の息子が
小学生の娘の登場で無意識にソファーを移動する様が
可笑しくて 可笑しくて



朝ごはんの準備をしている私の頭の中には
毎朝 娘の足音と共に

ダ―ダン ダ―ダン ダ―ダン
ラスボス登場!


と叫ぶ声が聞こえてくるのです(笑)


ある日
何故か 目覚ましが鳴るより早く起きてきた娘が
寝心地の良いソファーで二度寝を始めました

暫くして7時のアラームが鳴り
息子が下りてくると

娘は ひょいっと自分の足を背もたれに上げたのです
下りてくる兄のためにソファーを半分譲っているようです


そんなこととは露知らず
寝心地の悪いソファーで
細くなって寝る息子

気持ちって
なかなか伝わらないものですね
コミュニケーションは難しいです(笑)





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