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遠い時代へ繋がる『香道』

私は月に一度ペースで
香道のお稽古へ通っています。

『香道』って何?
と思う方も多いと思います。

私も茶道を始めてから
知りました^^;

読んで字の如く
香りの芸道です。

華道・茶道に並ぶ和の三大芸道で、
お作法も細かくありますが、
天然香木の香りそのものを楽しみ、
なんとも優雅で贅沢な時を過ごせます。

香道の世界では、香りを
「嗅ぐ」のではなく「聞く

心を傾けて、香りをゆっくり
味わい堪能するという事から
「聞く」という雅やかな表現
となっています。

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香の歴史は古く
飛鳥時代にまで遡ります。

飛鳥時代に仏教と共に
香が伝えられ、
当初は邪気祓いの用途として
お香が使われていましたが、
平安時代になり、貴族の生活の
風雅として世に広まり始めた
と言われています。

平安時代の貴族たちは、
部屋に香を焚いたり、
衣服への移香
楽しんでいた様です。

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その後、鎌倉時代には武士へ広まり、
室町時代には当時の上流階級
芸道として発展していきます。

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ところで、何故香道は華道や茶道のように
一般的に知られていないのか・・・

それは、花やお茶のように材料である
香木が入手しにくいという事に
あると思います。

香木は東南アジアオーストラリアが産地で
その中でもベトナムのごく僅かな場所で
しかとれない伽羅という香木もあります。

香木についてはまたの機会に
書こうと思いますが、
こんな希少価値のあるものだからこそ
上流階級の貴族たちの間で
留まっていたのでしょう。


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上の写真は、
銀葉(薄い雲母板を銀縁で留めているもの)
の上に香木を乗せている所です。

昔は石見銀山で銀がたくさん採れて
銀葉も縁だけでなく全てが銀だったようです。


香炉の中は、香炭団という
火の回っている小さな炭に
灰を被せた状態です。

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その上に銀葉を乗せて、香木を置き、
香りを聞きます。

そして、この香りを当てるという
ゲームが香道です。

室町時代の上流階級の貴族は
この様な上品な遊びを考えて
楽しんでいた様です。

現代の様に物がない時代の
日本人は、生活に彩りを加えるのが
上手だと、つくづく感心させられます。














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