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大人向け

「となりのトトロ」(1988)。
何度観ても飽きないという不思議。

※Filmarksより

先日、実家でこの「トトロ」を観ていた時、意外なことに気がついたのでここに書いておこうと思う。

この映画は、子どもも大人も楽しい作品だとは思うが、どうしても子どもの頃観た記憶が強くて、やっぱり「子どもが観るもん」という感覚が、どこかしら自分の中にあったのだと思う。

しかし先日、わたしの隣で偶然この映画を目にしたある大人がひどく興奮していたので、その意見を撤回せざるを得ない。

興奮していた大人というのは、何を隠そううちの父である。父は、昼寝をしようと偶然家に帰ってきていたのだった。

父が何に興奮していたかというと、初っ端に出てくるメイとさつきとお父さんが乗った引っ越し車を見て興奮してるの。
「うわぁ。ダイハツミゼット。。。」

そう、懐かしいらしいのだ。
「トトロ」が昔の日本の風景だということは理解していたが、ウチの父母(60代)は、あの時代をちょうどサツキやかんたの年頃に過ごしたドンピシャの世代というわけだ。

父が、アニメを見ただけで車種まで言えることに、わたしは軽くショックを受けた。そこまでリアルなんだね、この作品って。

「くぅぅ〜〜っ!」
という感じでなにかを噛み締める父。
その後も出てくるボンネットバスや、バスに車掌さんが乗っていること、薪をくべるお風呂、井戸、本家にしかない電話など、キリがないけれど「懐かしい」を連発。

中でも父が一番染みていたのが「かんた」らしかった。朝、かんたが鶏小屋から卵をとって歩いているシーン、飛行機のおもちゃ、お尻の当てや、自転車の乗り方、その全てが、父の生まれ育った環境と酷似していてノスタルジーにやられているらしかった。

この映画は、大人向けだ。
大人こそ観るべし。
大人になってこそ、もう一度、観るべし。



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