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「絶対見積もり」と「相対見積もり」

本日は「見積もり」に関して考える機会があったため、記事を書いてみました。

見積もりは難しい・・・

そもそも見積もりは難しいものです。誰しもが思っていると思います。
見積もりのブレ具合については、この「不確実性コーン」という図が有名です。この図ではプロジェクト初期の見積もりでは、多い時は4倍のズレが起こりうることが示されています。また、不確実性の要素が多いほど、ズレは生じやすいとされています。

不確実性コーン


見積もりの種類(絶対/相対)

見積もりは大きく分けると「絶対見積もり」「相対見積もり」の2種類があると考えます。

絶対見積もり

絶対値を用いて、見積もりをする方法。見積もりといえばこちらをイメージする方が多いと思います。絶対的な見積もりは単位が明確(普遍単位または、任意単位)なので、利害関係者にとってわかりやすいと言えますが、正確性が問われます。
・「タスク1:4時間」「タスク2:4時間」
・絶対値(例):4人月、2日、8時間、40分、10km、100cm

<IPA提供の見積もり手法>
コチラはIPA提供の見積もり手法集です。

<3点見積もり法>
コチラは私が良く使う「3点見積もり法」。個人作業にはあまり適さず、プロジェクト/チームなどある程度の規模間の見積もりで使えます。

絶対見積もり

絶対値を用いず、見積もりをする方法。基準となるタスクを決めて作業量で規模感算出ができる見積り方法のことを言います。絶対見積もりと比べると、実際にその作業をやったことがない人でも見積り作業に参加できる特徴があります。
・「小」「中」「大」 /「松」「竹」「梅」
・フィボナッチ数列:1,2,3,5,8,11,13,21,・・・

相対比較イメージ

<プランニングポーカー>
アジャイル開発やスクラム開発の現場では、フィボナッチ数列を用いたプランニングポーカーという手法で、相対見積もりをすることがあります。複数人で同時に実施します。

フィボナッチ数列が記載されているカードを使ってやりますが、リモート環境などの実際に人が揃わない場面では、共有ツール(miro等)で以下のようなボード作って皆で議論することもあります。

プランニングポーカー(ボード版)

不確実な要素が多い作業の見積もり

もし、過去の類似タスク/機能などの過去実績があるならば、一旦はそれ参考にします。過去の実績と比較し、相対見積もりを出した後に、絶対見積もりして具体的工数を出すと精度が上がる場合が多いです。

また、不確実性の要素が多い場合は、1つだけトライアル作業し、その実績を活用し見積もる方法がおススメです。
「不確実性コーン」にもあるように、不確実性の要素が多いほど、見積もりはズレやすいです。それならば、まず1つだけトライアルでタスクを実施し、その実績を活用して精度を上げた見積もりをするのがおすすめです。
まずは小さく試すイメージです。

まず小さく試す

最後に

最終的に開発工数などの見積もり提出する際は、絶対値になることが多いと思いますが、それを考える過程であったり、社内だけでスピーディに見積もり規模間の議論/共有する時は「相対見積もり」という考え方は使えるシーンが多いと思います。ぜひ活用してみてください。
本日もご覧いただきありがとうございました。

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