【ショートショート】勇気と粗暴【オラオラするTシャツ手触り】
勇気と粗暴
男は不思議な服屋に足を踏み入れた。店内を見て回っていると、奥から老婆の声がした。
「お兄さん、勇気がほしいのかい」
「ど、どうして分かるんですか?」
老婆はニシシと笑う。なんでもお見通しと言わんばかりに。
「これを着るといい。勇気をくれるTシャツさ」
男はTシャツに触れると同時にその意味を理解した。手触りから勇気が湧いてくる。これなら何でもできるようになるかもしれない。
「ありがとうございます、これで気弱な僕もオラオラと町を歩けるようになる気がします