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嫁さんの名言/迷言シリーズ 「半年・・」

2013年、前職時代の話です。大卒後、転職を繰り返して3社目。「本当にやりたいことが見つかった!天職だ!」と、安月給でしたが仕事が楽しかったことを覚えています。当時、私は30代前半のエリアマネージャーでしたが、毎週社長との会議がありました。30代前半のエリアマネージャーが社長と定例会議??? そうです! 中小企業です。しかも、家族経営でワンマン社長です。結果的に社長と上手くいかず、嫁さんにも相談せず会社を辞めてしまいました。気まずい思いで帰宅し、嫁さんへ報告した時、嫁さんから言われた名言を紹介します。

【ブラック企業?】

残業代無し、休み無し、ボーナス無し。今考えればブラックな環境でしたが、本当に仕事が楽しくて、「自分の力で会社も環境も変えてやる」と意気込んでいました。(※私が企画したいくつかのサービスは、7年経った今でもその会社の目玉商品として残っています。)先輩や上司がブラックな環境に耐えきれず退職していきましたが、むしろ私はチャンスだと思っていました。

社長は親会社の経営に集中されており、私が働く子会社は、社長のご家族が中心となって経営されていました。順調に出世した私はエリアマネージャーとなり、経営陣の社長家族を除けば、社内で最も役職が高い人間となっていました。

【社長降臨、環境の変化】

2012年、親会社の経営が順調だった為、社長が子会社の経営に集中すると言い出しました。子会社の経営状態も順調でしたが、さらに売上げを伸ばすために陣頭指揮をとるとのこと。社長が会議に参加されるようになり、今まで月1回2時間の定例会議が、週1回3時間以上の定例会議となりました(酷い時は丸一日会議でした)。毎週売上報告と新規企画を提案しなければなりませんが、売上や企画が微妙な場合、社長から罵詈雑言を浴びせられました(今となっては良い糧となりましたがw)。

【退職者続出、売上減少】

社長のパワハラで、次々と部下達が退職していきました。社長が連れてくる謎の顧問が増えました。謎の顧問の意見を聞いて、経営方針が変わっていきました。銀行から融資を受けて経営を拡大していきました。今まで会社を支えていた社長家族は、社長(父親)のワンマンぷりに嫌気がさし、とある人は会社を辞めて独立、とある人は心を患ってしまい定期的に出社できない状態になってしまいました。経営陣や経営方針が変わったことで売上が下がり始めました。当然、融資の回収もできない状態でした。

【お前を一流の経営者に育ててやる】

環境は変わってしまいましたが、私は腐らず働いていました。仕事が楽しかったから。しかも、社長家族が退いたことで将来的には経営陣の椅子に座ることができるかもしれないと淡い期待も抱いていました。「今まで俺が育ててきた奴は、転職しても成功している。他の企業では経営者から直々に指導を受けられることは無い。俺がお前を一流の経営者に育ててやる」。必死だった私はパワハラを受けながらも食らいついていました。

【体調不良でダウン】

社長と仕事をするようになってからあっという間に1年が経ちました。朝から晩までサービス残業で働きました(笑)休みは月に2回くらいだったと思います。当然休日出勤手当なんて無いですよ。そんなもの存在しないと思ってましたから。ある時から社長の電話にウンザリするようになってきました。夜中以外、毎日電話がかかってきます!社長はいつでもONでしたから!「天職だ!いつかは経営者になる!」と、私は意気込んでいましたが、嫁さんは嫌だったみたいです・・・以前と比べて私が短気になっていたそうですから・・・。そんなある日、風邪を引いて会社を休みました。社長から電話があり、ズル休みを疑われて翌日に診断書を持ってくるように言われました。翌日も体調は回復しておりませんでしたが診断書を持って出社。社長へ提出しましたが診断書を見て頂けず、そのまま会議が始まりました。当然、体調が悪化してその後2,3日休みました。

【我慢の限界を超えた】

病欠中も社長から毎日電話があり、「売上が下がっているのはお前のせいだ。下がっている分、お前の給与を補填しろ」と言われました(盛ってないですよ、実話です。補填しようにも給与自体が少ないですが)。いざ出社したら社長室に呼び出されて、いつもの説教が始まりました。但し、今回は我慢出来ませんでした。

社長

「お前の育ってきた環境が悪い。親が悪い。今の環境にも問題がある。奥さんが悪い」

私の心の声

「え? 関係ないですよね?ってか家族のこと言われる筋合いないですよね!」

正直、我慢の限界を超えました。でも、実際、その場ですぐに辞める!って言えなかったんです。漫画やドラマみたいに、机叩いて叫んだり、社長殴ったり出来なかったですね。。記憶が定かではないですが、10分以上黙っていたと思います。結婚してるので簡単に仕事を辞めるわけにはいかないし、本当に好きな仕事で会社に思い入れもありました。社長ではなく、社長家族にも恩がありましたし。色んな感情が溢れて、内心はブチ切れているんですけど、手汗かき過ぎてズボンに沁みてズボンの一部が濡れてるってショボい感じだったと思います。10分以上黙ったあと、「すいません、本日を以って辞めさせて頂きます」とだけ伝えました。以降出社したのは退職手続きの為に1日だけ。

【嫁の名言】

会社を出たあと嫁さんへ「ご報告があります。とりあえず今から帰ります」と連絡して帰りました。家に帰ると出前のお寿司とアサヒスーパードライ(普段は発泡酒です)が用意してありました。

私「どうした? なんかあった?」

嫁さん「報告があるんでしょ? お祝いしよう」

私「あの、大変申し訳ないのですが、会社を辞めてきたのですが」

嫁さん「そんなことだと思った。お疲れ様です!」

私「え? 会社辞めちゃったんだよ? 転職先も決まってないし、勢いで辞めちゃったんだけど」

嫁さん「ゆっくり休みなさい! 半年くらいなら私が養ってやる! 焦らなくていいから冷静にやりたい仕事を探しなよ。あなたならもっとやれる、もっと評価される仕事があるから!なんなら私がもっと働いて私の経理やマネージメントをやる?主夫してもらうとか(笑)」

※嫁さんはフリーランスで働いています。

私「・・・」

嫁さん「最近のあなたは見ていられなかった。このままだとおかしくなっちゃうと思ってた。むしろ、そんな会社辞めて正解!今日はお祝いしよう!」

【その後】

男前な名言を言った嫁さんですが、お寿司を食べながら「失業手当ては、いつからいくらくらい?」とリアルな質問をされました。結果的に有休消化中に転職が決まり失業手当にはお世話になりませんでした。転職活動中にも、嫁さんから私の人生に影響する名言がありましたが別の機会に紹介したいと思います。

転職後には給与が1.5倍以上、休日も公務員並み、残業代・休日手当・ボーナスも貰えるようになりました。かれこれ7年勤めて今ではそれなりのポジションにいます。

一般的に考えたら、旦那が急に仕事を辞めたら、嫁さんは怒りますよね? 怒らないにしても、今後どうするか焦るだろうし、その雰囲気は嫁さんから旦那にも伝わると思います。私の場合、本気のテンションで嫁さんから言われたんです!なんか悩むのが馬鹿らしく感じたというか、凄く転職に対してポジティブに考えることが出来ました。この一件があってから、何か物事に迷うことがあったら、男前な嫁さんの言うことに従うことにしました。時には自己主張で生意気な意見を言ってしまうこともありますが・・・最終的には嫁さんの意見に従います。【奥様が強い家庭の方がうまくいく】と言われておりますが、まさに我が家はそうかもしれません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。今後も嫁さんの名言/迷言などを発信していく予定です。宜しくお願い致します!

嫁さんに内緒で娯楽で使わせて頂きます!と言いたいところですが。嫁さんと相談のうえ、折角のお気持ちを無駄にしないように意義があることに使用させて頂きます!