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ep19 通貨危機に直面しにくい東南アジアの国、カンボジア

時間帯は違えど最近は毎日のようにnoteを書けており19回目の投稿となりました。外出自粛の契機に高い投稿頻度を目指して参ります。

今回は私の住む東南アジアで使われている通貨についてお伝えします。東南アジアへ頻繁に旅行に行かれている方は使われている通貨について理解が深いことかと思います。まだ行かれていない方は通貨の事実を知ると驚かれるかもしれません。それでは早速見ていきましょう。

<独自通貨メインの国と外国通貨メインの国>

基本的にどの国においても国ごとに独自通貨を発行しております。しかしながら、一部の東南アジアの国では独自通貨を発行しつつ市場でもっとも流通している通貨が異なっている場所があります。

具体的には、経済の発展具合によって分けることが可能です。では実際に主要通貨が異なる2つの国を紹介いたします。

<外国通貨メインの国①ラオス>

一つ目の国はラオスです。人口は700万人ほどの国です。自国通貨はキップ(LAK)という通貨となっております。こちらの国はタイ・カンボジア・ベトナム・中国・ミャンマー(順不同)と隣接している国となっており、近年では中国からの投資が増えております。

ラオスで取り扱われている通貨はキップに加え、アメリカドル(USD)とタイバーツ(THB)です。タイバーツが流通している理由は首都のビエンチャンはタイ国境に近いためです。多くの方がより高い給与を貰えるタイへ出稼ぎにいっております。アメリカドルを使っている理由はキップの信用が低いためです。人々がキップの価値が変化することを危惧しているため殆どのお店でアメリカドルが使える状況となっております。

少し話がそれますが、ラオスは扱う言語にも特徴があります。実はタイとラオスの文字は殆ど一緒です。さらにラオスの殆どの人はタイ語を理解できます。このようなことを知っている人は少ないのではないでしょうか。

ラオスで流れているテレビ番組の多くは海外の番組となっており、その多くはタイの番組です。今は携帯電話で色々なメディアを閲覧できますが、一昔前まではテレビがメディアの中心でした。そのため、ラオスの殆どの方はタイのテレビ番組を見て育っていました。その結果、殆どのラオス人はタイ語を理解できる環境となっているのです。

ただし、タイ語を理解できても話すのが得意ではない方も一定数いらっしゃるそうです。この辺りが言語の不思議なところですね。

<外国通貨メインの国②カンボジア>

二つ目の国はカンボジアです。こちらはリエル(KHR)という自国通貨があります。人口は1600万人ほどとなっております。カンボジアはタイ・ラオス・ベトナム(順不同)に接する国です。メインで使われている通貨はアメリカドルとなっております。

そのことに加えて、タイ国境付近ではタイバーツ・ベトナム国境付近ではベトナムドン(VND)の利用も可能となっております。また近年では中国からの移住者が増えたため中国人民元が利用できる場所も増えているようです。

カンボジアでのドルの利用割合については、肌感覚では首都で95%を超えております。地方では取引金額が小さいため自国通貨を使う方も多くみられます。

カンボジアでは新札のドル紙幣が大量に出回っているのも特徴的です。この理由は、毎年アメリカが支援という形でカンボジアにタンカーなどを使ってドル紙幣を供給しているためだそうです。

このような状況であるため、法人間の取引を始め、金額の大きい取引の殆どはアメリカドルで行われます。

<外国通貨メインだと為替変動に強い>

外国通貨がメイン通貨となっていることは東南アジアの他国に比べて大きなアドバンテージとなり得ます。その理由は為替リスクが無いためです。上記に挙げた国は双方ともアメリカドルが流通通貨となっております。アメリカドルは世界の基軸通貨ですので最も価値変動が起きにくい通貨と考えることが出来ます。

その一方で、東南アジアの他国では通貨危機のリスクを抱えております。経済や政治が不安定になるとお金が海外に流出するため為替レートが大幅に変わってしまいます。実際に1997年にアジア通貨危機という現象が起こり東南アジア各国の為替は大暴落しました。

具体例を挙げると、為替レートが大幅に変動することで、今まで10万円で買えていたiPhoneが20万円になってしまう可能性があります。また、海外に果物を輸出して100万円の売上が上がる予定だったものの、半分の50万円しか売上が得られなくなってしまう可能性があります。

過去に実際にどのくらい影響が異なっていたかについては、為替レートの推移が確認できるサイトで確認頂ければと思います。こちらでお調べ頂き判断下さい。例どころでは為替変動が起こっていたことが理解頂けると思います。

為替の変動が激しいことにより、取引が鈍化してさらに変動が起こるという悪循環が起こる可能性があります。そのため、全ての国の中央銀行はこのような急激な変動を抑え、価格の安定させることを至上命題としています。

このように価格の安定を維持し易いアメリカドルがメイン通貨となっている国はその影響を受けにくいというメリットがあります。国際貿易をする方や様々な国で仕事をしている方は通貨の安定している上述の国で管理するのも一向に値すると思います。

<明るいかもしれない新興国の通貨の未来>

新興国では為替リスクを抱えている国も多く存在します。為替リスクを抱えているものの、もしかしたら特定の通貨においては大きな利益を生めるかもしれません。

具体的には、日本のように1ドル360円だった為替が1ドル75円まで価値が上がった例もあります。先ほどのiPhoneの例で言うと、10万円だったものが2万円で買えるようになったのです。

もちろん日本の例は極端な例となります。しかしながら、直近では中国の人民元が2005年から2014年にかけてその価値をどんどん挙げていき25%程度上昇した事実もあります。この視点からも中国の方々が海外で爆買い出来ていた理由がなんとなく見えてくるのではないでしょうか。

輸出が強く大きな経済発展が望める国であれば通貨の価値が上がって恩恵に預かれる可能性があります。今後輸出の伸びていきそうな国を見定めてその国でビジネスを行ったり通貨を持っておくことも手かもしれません。

しかしながら、新興国には為替リスクに加えてインフレリスクもあることを忘れないでください。また、上述の恩恵を期待する場合は輸出ビジネス以外のビジネスを検討下さい。

<とはいえやっぱりカンボジア>

新興国通貨を保持することも提案させて頂きましたが、そちらはリスクもあるため私は東南アジアで資産を持つ場合はアメリカドルで保有することをお勧めします。

それではラオスとカンボジアどちらでアメリカドルを保持するのがいいでしょうか。両者を比較した上で、私はカンボジアでの保持をお勧めいたします。

カンボジアを勧める一つ目の理由は政治です。ラオスは社会主義国家となっております。また個人的感想として軍国主義の様な側面も見られます。カンボジアは独裁のような形態ですが民主主義国家となっております。

社会主義国家の場合、国外にお金を出す際のルールが非常に厳しいです。そのため、多くの資産を形成できたとしても持ち出しが出来なくなるリスクがあります。ちなみに東南アジアではベトナムも社会主義国家となっております。

二つ目の理由は言語です。上述の通り、ラオスではタイとの交流が深いためラオス語とタイ語でのビジネスが盛んです。カンボジアの場合は首都が国の中心に位置しているためか、ラオスのように大勢の人が隣国の言語を扱えません。その影響かどうかは分かりませんがカンボジアの首都プノンペンでは飲食店を始め多くの場所で英語が使えます。

なお、どちらの国でもアメリカドルを銀行に預けて6~7%程度の金利で定期預金を作ることが可能です。ですので両方の国に訪問して気に入った国で銀行口座を開設するのも手かもしれません。銀行口座開設の方法に関しては過去の投稿を参考下さい。

<まとめ>

今回は東南アジアの通貨事情について投稿いたしました。今後の皆さんの海外投資を行う際の参考にして頂ければと思います。なお、こちらは通貨単体の話ですので、不動産投資や事業投資の場合は東南アジア全域を候補として投資先を見つけることをお勧めします。今回はあくまで通貨として保有する場合のお勧めとなります。

最後までご覧頂きありがとうございました。今回の内容が少しでも参考になりましたらフォロー&支援お願い致します、励みになります!今後も不定期ながら投稿を続けて参りますのでよろしくお願いいたします!

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