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【アメリカ移住実録#19】ノラの緊急帰国、死んだ空港

第一回はこちらから↓↓

2020年3月

家族構成

  • ポム: 東京のサラリーマン、37歳

  • ポム妻: しっかり者、37歳

  • 長女 ポム子: のんびり、7歳 小一

  • 次女 ポム美: おませさん、5歳

以前ポム家にホームステイしてた人

  • ノラ: ドイツ人女性 23歳、M市に住んでいる

ポム家のススメにより、我々の地元M市に住むことになったドイツ人女性のノラ。2020年3月末にはノラとM市で会う予定ですが、何だか「新型コロナウイルス」なるものが出てきて、ちょっと変な感じです。


2020年1月中旬には、
マスクが品薄になっているけど大丈夫かなあ。。。
ぐらい考えていたのですが、だんだんそれどころじゃなくなってきました。

2月5日には、海外のお客さんを乗せて横浜に寄港した大型客船ダイヤモンドプリンセス号内で新型コロナウイルスに集団感染。
この頃になると、マスクだけでなくトイレットペーパーなどの生活必需品も不足し始めました。そしてどこの国で作ったのかよくわからない謎マスクが路上で高値で販売されるようになり、混乱はさらに広がりました。
3月24日には、東京オリンピックが延期になりました。オリンピックって延期になるもんなんですね。東京都内の小学生のオリンピック観戦ももちろん中止でしょう。

そして、日本で新型コロナウイルスの恐怖が決定的に広がったのはなんといっても、3月30日、新型コロナウイルスによる肺炎で志村けんさんが亡くなった報道があった日ではないでしょうか。
これまでに、国内では1,902名の感染者数が出ており、国内死亡者数は56名とのこと。ただ、それまでなんとなく感染者数の症例が増えているなあと思っていただけでしたが、誰もが知る大スター志村けんさんが亡くなったことは、日本国内の意識が大きく変わるきっかけになったと思います。お悔やみを申し上げます。

この頃になると、会社でも在宅勤務が薦められるようになり、私はほぼ完全に在宅で仕事をするようになっていました。

以前我が家にホームステイしていたドイツ人女性のノラは、現在ポム達の地元M市に住んでいます。ポム家は、3月末にM市に帰省して向こうでノラと会う予定をしており、非常に楽しみにしていました。ただ、この頃には世の中は「こんな時期に帰省なんて」という雰囲気が作り上げられていましたし、高齢の父母にコロナウイルスが感染してしまったら大変です。
ギリギリまで判断を遅らせていたのですが、3月中旬、ついにポム家は、M市への帰省する飛行機をキャンセルしました。
さらに、後にはその国内線のフライト自体がキャンセルになりました。
だれも、飛行機に乗らないからです。

M市に残っていたノラは、最初は様子を見ていました。
しかし不幸なことに、中国以外で最初に感染が大きく広がったのはヨーロッパでした。最初にフランス次いでドイツで感染爆発がおこり、ドイツでは3月に入ってから数万人単位で感染者が発生していました。
そしてドイツではこれ以上感染が広がらないように都市封鎖が行われました。ロックダウンとも言うようです。

ここに来てノラは予定を切り上げ、緊急帰国することを決めました。
残念ですがこうなってしまっては仕方ありません。

ただ、ノラが帰国を決断したときにはもう大問題が起きていたのです。
そう、ドイツに帰る飛行機が飛んでいないい。。。。。
ドイツはロックダウン中で、欧州系の飛行機は既にストップしていました。

ノラは大騒ぎで、飛行機を調べまくり、何とかドイツに帰る飛行機のチケットを手に入れました。

ノラは、M市から東京に戻り、ポム家に一泊した次の日、ドイツに帰ることになりました。

ポム家はノラを成田空港まで見送りに行きました。

いつも外国人でごった返している成田空港第二ターミナルは、人っ子ひとりいません。
本当に一人も人がいません。
それもそのはず、電光掲示板を見ると、
全ての航空便が、
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
欠航 Canceled
。。。

と赤い字で書かれています。
唯一ノラが乗る予定のカタール航空ドーハ行きだけが、On boarding となっています。
この日、既にヨーロッパ行きに便は全て欠航、カタール航空もこの日が最後の成田からのフライトでした。
ノラの帰国は本当にギリギリだったのです。
ノラはドーハで長時間のトランジットの後、ドイツに帰国します。さらにドイツについてからは約3週間隔離されるとのこと。


誰もいない巨大な空港、
飛行機が飛ばない事だけを告げる電光掲示板、
人間が作り上げた文明も、こうなっては無意味です。

所詮といっては何ですが、結局人間は動物。
どんなに文明が発展しようとも、私たちはウイルスひとつにも勝つことができません。
誰もいない空港はいつも通りまぶしい白い光で輝いていますが、死んだように物音一つしません。
ここにも私たちを殺すウイルスが飛んでいるんでしょうか。


普通の地方出身一家、ポム家は本当にアメリカに移住できるのか?????
コロナの中どう生きる?
是非応援よろしくお願いします。

第二十回へ続く (この話は実録ですが、身バレ防止等の観点から若干のフェイクが入っています)
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第二十回はこちらから↓


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