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モンハンとパスカル

『モンスターハンター』(モンハン)は言わずと知れた大人気ゲームで、先月最新版が発売して以来、わが家でも朝から晩までゲーム音が鳴り響いている。

簡単にモンハンについて説明すると・・・
「モンスターを狩る→狩った報酬としてアイテムを獲得→アイテムをもとに武具を作る→より強いモンスターを狩る」という流れ。強い武具を作るには2.30分かけてモンスターを狩り、数%の確率で出現するアイテムが必要とされる。正直、時間対効果で考えればものすごく効率が悪い。でも、これが楽しさの秘訣なんだと思う。

17世紀のフランスの数学者・哲学者のブレーズ・パスカルはこのことについて面白いことを言っている。簡単にまとめると「人間は刻々と死に向かっていて、その恐怖から逃れたいと思う。退屈はその死を直視させ、人は退屈を逃れる手段を求める。例えば欲望を何でも好き勝手に満たせる王は狩猟を好むことが多い。何もせずとも食糧は手に入るが、食糧という目的よりもそれを手に入れる過程が尊いのだ。過程は時間がかかり、退屈という死の恐怖から逃れられる手段であるから」と。

モンハンも同じで、狩猟という過程が楽しいのだ。これはパスカルの『パンセ』に書かれていることだが、その他もろもろ、彼の透徹した眼差しには何度も驚嘆する。そんな『パンセ』はフランス文学に明るい鹿島茂さんが解説した『100分de名著』という入門書があるし、本文は簡明な訳文の中公文庫で是非ご一読を!(岩波文庫は注釈が豊富)


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