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押弦・左手が弱くちゃ自慢のタッチもピッキングも宝の持ち腐れ。

【剛速球も変化球も捕れない捕る気が無いキャッチャー】


「タッチを鍛えるぞ!自分の手で音を作るぞ!」

その素晴らしい姿勢に志、確かな目的と目標があれば、絶対もっともっと音は太くなるし、それだけ充実した良いサウンドになっていく。

実際にレッスンしていても音が変わらなかった人は、一人もいなかったと断言できる。


そこにさらに音を良くする要因と意識を加えるとしたら、

【押弦を良くする・左手を強くする】

これも必須事項だと声を大にしたい。

それこそ最優先で取り組むべきだと言えるぐらい、左手も本当に重要。


先に章タイトルで言っちゃってるけど、

【160kmの剛速球が投げられても、トンデモ変化球を投げられても、捕れるキャッチャーがいないんじゃ意味が無い】

これをイメージしてみれば分かりやすいと思う。


「タッチ・ピッキングを鍛える!」と言うとついつい、右手の強化ばかりに意識が行ってしまう。

が、左手がそれに全く付いてこれないのでは、致命的だと言ってもいいレベルで不味い。

その辺、自分のこの実験動画を見てもらえると分かりやすい。

強く弾こうとしてるはいいけど、左手・押弦が全く伴ってない、完全に右手に負けている、その力に引っ張られていとも簡単にズレてしまう、弦が振動しない、音が潰れてロクに出ない、そんな最悪な事が起こり得る。

一方、右手の弾く力そのままに、左手を無理やりにでも強くした結果、今度はまともに音が出るようになる。

「強く押さえ過ぎたらシャープしちゃうだろ!力んでちゃ疲れるだろ!非効率だろ!何を教えてんだ!」ってツッコミも入れられるが、ベチャベチャに潰れて全然音が出ないぐらいだったら、ガッツリ気合入れて押さえた方がまだマシ。

あまりに貧弱な押弦は弊害どころの話ではなくなってくる。

冗談抜き、大げさではなく、フレットの傷みが早くなると考えても良い。

「弦でフレットにやすりがけ!」みたいな事が毎日起きると想像してみて欲しい。


ここで再びキャッチャーの例え話。

(投)「こいつじゃ全力の球は捕れない….仕方ない140kmまで抑えてみるか….」となったとして、

(捕)「くそ!力不足だ情けない!もっと上手く強くならなければ!」ってなるんじゃなく、

(捕)「え!手加減してくれんの!?ラッキー!楽できるわ~www」になるとしてみよう。

そこで、

(投)「こいつ140kmも捕れないのか!?仕方ない130km…いや120kmにしてみるか…..変化球も駄目ならストレートしか…..」なんて凄まじい苦悩と迷走が始まってもなお、

(捕)「おいおい勘弁してくれよ~。もっと楽に捕らせてよ~。鍛えるのも考えるのも嫌なんだよねぇ~。俺、スマートに生きたいんだわ~www」とか言うやつだったらどうか、想像してみると面白い。いや、面白くない。


この話とイメージをベースにどう繋げて考えてみるか?

【弦高】

これで考えてみると良いかもしれない。


確かな好みや目的があって下げるのではなく、ただただ楽をしたい、鍛えるのも技を身に付けるのも嫌だから下げるという、そのリスクについて考えてみた方が良い。

その左手に合わせて右手も弱くしていく、なるべく変化も起きないように弾くようにしていく、その弊害と恐ろしさを想像してみる。

わたくしポング、見事にやらかして酷い事になった時期があった。

右手が弱くなる分だけ左手も弱くして、左手が弱くなった分だけ右手を弱くしてっていう、凄まじい負のループでプレイもサウンドも最悪になっていった。

そして、音と演奏の悪化だけにとどまらず、怪我して健康も害して、ベース弾くどころか日常生活にまで支障をきたした経験もある。

安易に楽を求めるとロクな事がない・・・嫌と言うほど思い知った。


そんな、人生を壊すレベル、ストレスMAXの元凶になるキャッチャーと一生付き合い続けるのか、添い遂げる覚悟があるのか、よくよく考えてみた方が良い。

せっかく速い球を投げられるようになった。変化球も覚えてきた。しかもキャッチャーはやる気満々。ガッツリ鍛えて付いてきてくれる意志もある。

と来たら、右と左と両方、素直に切磋琢磨していくのがおすすめ。

個性の一言で片付けるには厳しい、そんな心当たりや自覚、伸び悩みがあるなら、左手の強化は大幅な成長をもたらす可能性がある。


【1フレット1フィンガー・4フレット4フィンガーが基礎だと言うのに疑問を持ちたい】

4フレット4フィンガー

「これが運指の基礎です!」みたいな感じでこういう画像が貼られたりもするが、正直、こんなキツイ事やってられない。

これが正しい弾き方なんだ、大事なフォームなんだ、意地でもキープしなきゃいけないんだって、そんな事やってたら怪我する。

もっと体格を考えるべき。手の大きさを考慮すべき。違和感に向き合うべき。

少なくとも自分は、4フレット4フィンガーを絶対の基本だとは考えていないし、その形を必ず維持しようともならない。

画像はあえて無理に押さえてる感じ、しんどそうに伸ばす感じにしてるけど、どんなに効率的にやろうとしたところで、自分の手のスペックでこのスタイルでずっと弾こうとするのは、厳しいとしか言いようがない。


なので、基本のフォームと考え方として、

【3フレット4フィンガー】

これを基礎として自分は取り組む事にしている


1フレットを人指し指、2フレットを中指と来て、次の3フレットは薬指!

ではなく、そこで小指を使うようにすると、運指が非常に楽になる実感がある。

その際、小指を使うと言ってもそれ単体ではなく、薬指も連動して押さえるようにするのがポイント。

もっと言えば人差し指と中指も、弦から露骨に浮かせるなんて事はせず、全ての指を連動して小指の補助をするように使うと、非常に強力な押弦を実現できる。


ちょっと難しいのは、全ての指を連動すると言っても、

「人差し指にグイ~ッ!と力を入れたまま、中指もグイ~ッ!薬指もグイ~ッ!さあ小指よ!お前の番だ!」

なんて全ての指に力を込めたり、気合入れて押さえろって事ではなく、

【人指し指~薬指であらかじめ弦高を下げておく】

みたいに考えてもいいし、それを脱力で実現できている方が望ましい。

「小指で押さえるんだから小指だけ弦に触れるようにする」ではなく、人差し指~薬指も弦に触れておく。

そして、ある程度の圧を加えておき押弦しやすいように準備しておき、それを小指で楽に押弦できるようにする。

ややこしい話のようでもあるが、小指単体の弱さを嘆いたり壁を感じているなら、この方法は非常に高い効果を発揮する。

ベチャベチャなぐらいまで弦高を下げないと弾けない、もっともっと弾きやすくしたいって失敗してきた身としても、じっくり取り組んで身に付ける価値があると声を大に出来る。


ストラップ低く構えるスタイルにしても、安定感の向上や強力な押弦を実現するには、指を無理に開くような構え方は非常に相性悪く思えてしまう。

「ストレッチしっぱなしが正しい!」

「4フレット4フィンガーを絶対条件にしなければいけない!」

「どんな体格だろうがフォームだろうがそれが掟だ!」

なんて言うのが如何に馬鹿馬鹿しいか非効率か、やってみればすぐ分かる。

ネックを握っちゃいけないかって、そんな事は無い。

指を思いっ切り開いて、その状態のままネックと弦をしっかり握ろうとしましょうとか、どう考えてもそっちの方がおかしい。

「開いたまま強く握る」って意味が分からない。

その意味が分からない事を「これが基礎だ!大事な方法だ!とにかく練習だ!鍛え方が甘いんだ」って必死に取り組み、拳も握れないぐらいに親指の付け根がパンパンになったり、怪我して酷い事になった。


「そりゃお前が馬鹿なだけだ!無知すぎる!」ってほんと仰る通りなんだけど、現実、そういうリスクを負って弾いてた人間がここにいるのは間違いない。

なまじ指がよく動いて器用に弾けてた分、音楽学校に行っても【弾けてる体裁】になってしまい、大事なところを教えてもらえなかった。

表面的には出来てる、弾けてる、基礎が固まってるように見えるというのが、何ともタチが悪い。


とにかく、無理に指を開こうとするのはおすすめ出来ない。

現実問題、全ての指を駆使して弾かなければいけないフレーズもあるし、どうしても指を開かなければいけない場面など、上を見れば幾らでも出てきたりする。

そういう場合、

【超瞬間的に無理して即リラックス出来るようにする】

と認識しておくと負担の具合も変わってくるし、それを軽減したりそこから回復する術も身に付いていく。

不味いのは、ずっと固まりっぱなし、緊張しっぱなし、負荷全開なまま進行、ピッキピキのカッチカチに硬直してるのが常になってるっていう、そんな状態。

綺麗なフォーム、暴れの無い運指を目指すのはいいが、それがとんでもない負担や犠牲から生まれるものになっていたら、早めに疑問を持って解決に向かった方が良い。

怪我をすると本当、日常生活にまで支障をきたす事になるし、リアルに楽器を弾けない体にもなってしまう。


【親指をネックに押し付けるフィンガリングには気を付けたい】


前述の通り、左手の誤った使い方と認識により、酷い怪我をしてきた自分。

それを一から変えていく事を決意し、まず取り組んだのは、

【ネックに親指が触れずとも弾けるようにする】

この方法と力の使い方を身に付けるべく、以前の力の使い方、フィンガリングを捨てた。

その結果、ハイポジションが弾きづらいと評判悪い事も多いジラウドも弾けるようになったし、左手の怪我に悩まされる事も無くなった。

親指を出しっぱなしにしても押弦が出来る。

この動画ではハイポジションをメインに弾いているが、ローポジションでもネックに触れる事なく弾くのも可能。

それにより、親指の付け根がパンパンなんて事は無くなり、弦高を上げても問題なく弾けるようにもなった。

握力頼みから解放させた事によって、より強力な押弦を実現できるようにもなったし、フィンガリングやフォームの改造によって悪い面を感じたり後悔した点などは、一切無いと断言も出来る。


ただ、この押弦方法。

そのコツ、大事なポイントについて話すと、ちょっとおかしな感じになったりもする。

「左手を楽にするには右手の使い方が大事!」

「右手も左手も強化するには胴体も利用する!」

「テコの原理を使う!天秤とかシーソーのイメージ!」

まぁ、何だかよく分からない。

でも本当、これに触れないわけにはいかない。


ベースを教えるようになって改めて感じるし分かる。

左手が弱い人というのはもれなく、

【楽器のホールドが甘い】

これが非常に強く当てはまる。

楽器がフラフラ揺れたりブレるから、それをどうにか押さえようと固定しようとして、左手に無理が発生する。

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