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舞台『フェイクスピア』ストーリーと感想

WOWOWライブで2022年6月10日放送の舞台 NODA・MAP『フェイクスピア』を録画したものを観ました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。


『フェイクスピア』

【作・演出】

野田秀樹

【出演】

高橋一生
川平慈英
伊原剛志
前田敦子
村岡希美
白石加代子
野田秀樹
橋爪功

【ストーリー】

恐山のイタコを中心にシェイクスピア、サン・テグジュペリの世界へと展開していく。虚構と現実が混沌としながら行ったり来たりする。そこに真実はあるのか…。

【感想】

美術はシンプル。中央に後方が上がった板状のものが置かれており、そこにキャストが立っている。上手側、下手側には柱が数本立っている。
前衛書道の筆跡を思わせる黒い筋が見られる。

同じような柄の布を持った男性アンサンブルが下手側から上手側に走り抜け、飛行機を表したりする。野田秀樹お得意の布使いが今回もふんだんに観られた。
言葉遊びも健在だが、以前より随分と少なくなったと思う。

高橋一生が父親役で橋爪功が息子役を演じていて、時間によって大人だったり子供だったりする。

“箱”、“ことのは”がキーワード。

シェイクスピア、『星の王子様』、恐山のイタコが時間と虚構と現実の狭間をぐるぐると回り続ける。一見なんの脈絡もなく無関係に見えるものが、全部繋がり伏線はしっかりと回収される。

冒頭の「頭を下げろ!」と怒鳴る高橋一生、後半も「頭を下げろ!」と怒鳴る。それは旅客機のコクピットで制御不能に陥り、必死でコントロールをしようとするパイロットの姿と声だった。
記憶されている方も多いと思う。あの大惨事となった36年前(上演時)の飛行機事故、“日本航空123便墜落事故”がモチーフになっている。“言葉の一群”はノンフィクションであり、本物のボイスレコーダーの言葉なのだ。

冒頭に高橋一生が錆びた金属製の箱を持って立っている。これは飛行機のボイスレコーダーだ。そこには父(橋爪功)の“ことのは”が入っていた。生きた“ことのは”の一文、希望の一文が…。

「頭を下げろ!」

ラスト、橋爪功が箱を持ち独白する。後ろには霊のように浮かび上がる父(高橋一生)。そして静かに消えていく。

白石加代子のイタコに「父に合わせてくれてありがとう」と礼を言う橋爪功。イタコの白石加代子と橋爪功は同級生という設定だ。二人で空を見上げ「頭を上げろ!雲ひとつないいい天気だ!」と言う。

悲しみの果てに長い年月を経て辿り着いた希望の光。それはとても哀しく美しい。涙が流れた…。

カーテンコール、鳴りやまない拍手とスタンディングオベーションが続いていた。

【公演後のアフタートーク】

野田秀樹、高橋一生、橋爪功、白石加代子の四人でアフタートークを繰り広げる。

Q:好きなシーンは?
A:高橋一生「冒頭のシーン」、橋爪功「高橋一生のやりたい放題のシーン」

高橋一生「白石加代子の存在感がすごい!いつも新鮮」
白石加代子「あら~もっと存在感を消さなくちゃね~」
橋爪功「高橋一生が好き♡稽古初日に告白した」
高橋一生「何日か後に僕も好きです♡と言いました」
高橋一生「終盤の“言葉の一群”が難易度が高かった。いつまで経っても台詞が入らなかった」

Q:演劇の未来について
A:白石加代子「コロナで辛い」、高橋一生「観測、観察することで何かが生まれてくる。劇場でしかあり得ないと思う」、橋爪功「野田秀樹の稀有なものを繋げていって欲しい」、野田秀樹「批評する力が小さくなっていると思う」

Q:言葉が残ることについて
A:野田秀樹「無記名の言葉が膨大にあるのは大きな問題。YouTubeなどにオカルトや興味本位でやっていいものではない」

【余談】

今回の舞台もチケットが取れなかったのだった。NODA・MAPは本当にチケットが取れない~!

録画したら早めに観たほうがいいのだが、上演時間が長い舞台は時間をとるのが自宅だと難しい。なにかと雑事やら家事やらの邪魔が入るし。
劇場に出かけたほうが時間を気にしなくていいのだ。このあたりがもにょもにょするな~。

そういえば高橋一生と橋爪功はドラマでも親子役で共演していたな~。橋爪功と高橋一生ラブラブ♡?

【リンク】

フェイクスピア NODA・MAP第24回公演

私の観劇ブログでの記事はこちら♪

そういえば高橋一生と橋爪功はドラマでも親子役で共演していたな~。橋爪功と高橋一生ラブラブ♡?そのときの私のブログ記事はこちら♪


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