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【あらたま流きもの雑記】老け込むにはまだ早い!きものと長く付き合っていくために、今の私ができることを【火曜日連載:2022年1月25日版】

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 主に普段きもの一式の紹介と解説、少々のお出かけレポートをお届けします。また、私がきものに思う事、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答が、それぞれ小話として付いています。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。

 最近、体の柔軟性が減ってきたなあと思える出来事がいくつかありました。
 季節的に冷えて凝り固まっているのだと言い張っていたのですが、真面目に確かめながら体を動かすと……どうも寒いばかりが理由ではないようです。悲哀。
 日々、ちょっとでも短時間で物事を済ませてしまうのに重きをおいて生活していると、どうしたって体も楽をしたがりますからあちこち鈍ってきますね。
 一番危機感を覚えた出来事と言えば、半幅帯でちゃっちゃかちゃー🎶と着替えを済ませるのが習慣になっているので、名古屋帯を結ぶのに手が後ろに回り辛くなっていたことです。
 戦々恐々。
 体が動くうちに、メンテナンスも兼ねて、しっかり動かしていかねば。細く長く、元気に暮らしたい。
 ――というわけで、名古屋帯を中心に御太鼓もどんどん背負って書き物作業をやってる今日この頃です。

 それでは、本日の『あらたま流きもの雑記』始めて参りましょう。
 毎度おなじみ拙著のプチ宣伝を挟みまして、目次へと続きます。

 薄気味悪い。居たたまれない。腑に落ちない。
 読んだら『気疎(けうと)い』気分になる(かもしれない)、怪奇系短編小説集(電子書籍版)。
 ※Kindle Unlimited 会員は追加料金なし(¥0)で読み放題です

本日ご紹介の一式

 御太鼓といいましても、やっぱり作業中は作業に集中したいですし、なるべく身軽に居たいなと思うのが正直なところです。
 毎日が着付けの練習!
 されど重たい・動きづらいのは勘弁……。
 そんな私のわがままを叶えてくれるのが、銀座結びだったりします。

 銀座結びと角だし結び、手順が違うので決定的に違う結び方なのですが、出来上がりの形はとてもよく似ています。
 両者の違いについては、着付けYouTuberのすなお先生の動画がわかりやすくておススメです。

 で!
 私が作業用で御太鼓を背負う時に「こりゃいいや!」と気に入って結んでるのが銀座結びです。
 帯枕が無いので、とても楽チン。
 帯枕って背中に当たるところがまあまあ堅めの板状になってるので、個人差はありますけども、肩甲骨や背筋の動きに対してストレスになったりします。
 そのストレスをちゃらにして、PC画面や手帳・ノートにのめり込み、書き物に集中できるのは実に有難い事なのです。

 本日の一式に登場している格子柄の帯は博多織のお洒落帯です。
 パキッとした布地なので形が取りやすく、キュッとよく締まりますので動きのある家事をやっても安心。このままご近所にお買い物もいけるのも嬉しい!
 博多織の帯はリサイクルショップでも見かけることがありますので、もしお気に召した色・柄のものと巡り合えたら一考してみるのをおススメしますよ(^▽^)/


毎日の事だと楽チンしたいけど……帯結びと体力のオハナシ

 半幅帯ラヴァーであり、おこもり時間100%の時は帯の代わりにカフェエプロンを巻いてしまう――そんな大雑把系普段きものオバチャンである私。
 そんな私が今年に入って積極的に御太鼓系帯結びを暮らしの中に取り入れております。

 めんどくさがりで、あわよくば1㎜でも楽をしたく、楽チンのためなら努力を惜しまない。この!私が!御太鼓!!
 不思議ですね。

 昨年、角だし結びや銀座結びの特訓を、一人チマチマと積んでまいりました。
 角だしはとにかく結んで引き抜いての工程ですので、腱鞘炎の不安を抱える身としては不安がありました。そこで比較的に手首の負担が少ない(個人比)銀座結び一本に絞ることに関して、かなり早い段階で落ち着いたのです。

 手順を覚えること。好みの形に仕上げること。
 練習中はステップアップしていくことがただ楽しかったのです。
 だいたい全てのポイントを押さえ終わり、定期的に工程をゆっくりとおさらいする分には、それほど気にはならなかったのですが……いざ実践的にパパっと着替えてみましょうかとなった時に大きな問題に気付いてしまいました。
 半幅帯の楽チンさに、体が慣れ過ぎてしまっていました。
 腕や背中、肩回りの可動域が、すっかり半幅帯仕様になってしまい、平たく言えば……背中に腕が回しづらくなるほどに体が硬くなっていたのです。

 季節的に関節が冷え固まってるだけよ!
 ――なあんていう屁理屈では通らないな、とすぐに分かりました。
 昨今、半幅帯のように御太鼓も体の前で結ぶというメソッドがありますが、ここでパパっとそちらに乗り換えたらどうなるか?たぶん、どんどん体が鈍っていってしまうんじゃないかなと、軽く戦慄を覚えました。
 今ならまだ、間に合うかもしれない。
 そう思った私は、上半身のストレッチを日課に取り入れ、御太鼓を背負う頻度を上げることで、柔軟性の維持(あわよくば向上!)を目指すことにしたのです。

 私は、私の祖母を始めとする親戚たちがきものからスウェットなどの楽なお洋服に切り変えていったときの事を、割と鮮明に覚えています。
 きものを着るのがしんどくなってきた、と。
 膝が悪くなってきたという人もいれば、肩が上がらなくなってきたという人も居ました。人工関節を入れた人もいたなあ。
 その中で、矍鑠としたおばあちゃまが一人いらっしゃいました。
 「私もそりゃ若い時に比べたらあっちもこっちも歳を取ったけど、毎日着てたらそれなりに着られるからね」
 そう仰っていたおばあちゃま。
 帯の位置はだいぶ下でしたし、帯枕も背負わずに平たい御太鼓を作ってらしたけど、トータルではすっごく素敵に結城紬を着こなしてらしたなあ。

 あのカッコイイおばあちゃまのように、私も着続けられるかはわからないけれど。それでも、毎日のように着ていたら、維持と変化を上手く混ぜ込んで細く長くきもの生活を楽しめるのかなあと、淡く期待を寄せています。
 まずは肩甲骨まわり!
 可動域をしなやかにほぐしていきますね。
 幸い、硬くなったといっても同年代の平均よりは柔軟性は高いようですので……背中「だけ」でもカッコイイおばあちゃんを目指すゾ!


いかがでしたか

 昨今、特定分野の魅力に取りつかれることを「沼にハマる」と表現するそうです。
 私のきもの暮らしは「沼」というよりも「荒野」と呼ぶのがしっくりくるような気がします。深みにハマるのでなく、広すぎる大地をあてどもなくさまよっているような感じです。
 今こうしている間も、どこを目指そうとしているのか?とんと想像がつきません。
 小話に書いた通り、カッコイイ背中を見せつけるおばあちゃんになったとしても、その頃には背中を見てくれる人が居ないような気もします。猫に至っては「そんなん知るか」と無関心丸出しだと思います。
 きものが暮らしに密着しすぎているからでしょうか?
 健康に楽しく生きるため、暮らしのバロメーターとしても機能しているのが私の「きもの」だとするならば、歯磨きしたりお水を飲んだりするようにきものを着ることができるなら御の字ってことになるかしら。つまりは「荒野」を歩き切ったその先は、人生の終点……に、なっちゃう?
 いずれにせよ、オープンワールドRPGみたいな私のきもの道は、果てしがないといった雰囲気なのです。


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 次回もお楽しみに、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ

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