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NOT A HOTELのホテル管理システムを、運営現場メンバーに最適化してみた

はじめまして、NOT A HOTELでプロダクトマネージャーをしている福田(@satomifukudaa)です。
私は、ホテル運営に必要なあらゆる情報を管理するPMS(Property Management System)というホテル運用システムを担当しており、CSや運営現場のメンバーと日々コミュニケーションを取りながら各種改善に取り組んでいます。

いちばん右が私です(ソフトウェアチームでのハッカソン時の様子)

今回は、PMSを運営メンバーにもっと活用してもらえるよう、UIを大幅にアップデートした取り組みについてご紹介します。
NOT A HOTELのオペレーションに興味のある方や、社内ツールの担当をされている方に読んでいただけたら嬉しいです!

PMSを0からつくっている理由

前提として、そもそも何でPMSを0から自社開発しているのかというと、NOT A HOTELのサービスが独自であるがゆえに既存のSaaSツールでは運用にフィットさせられないためです。
PMSチームでは、お客様によりスマートで質の高いサービス提供ができるよう、NOT A HOTELの独自性に合わせた機能を日々開発しています。

(どこがフィットしないの?の詳細が気になる方は、backendエンジニア中尾さん(@nakaohiroshi)のnoteへ!)

PMSのメインユーザー

NOT A HOTELの運営は関連会社のNOT A HOTEL MANAGEMENTがまるっと担っているのですが、その中のCS・運営メンバーがPMSのメインユーザーです。
そして、実はその二者間でも必要な情報や出来るべき操作は大きく違ってきます。

  • CS(カスタマーサポート)メンバー

    • お客様にチャットでのご案内をするコンシェルジュ

    • 予約・オーダー作成や請求処理など細かな操作をする

    • 必要な情報も操作すべき内容も範囲が広い

    • 常に着席して業務が可能で、幅広い情報も確認できる

  • 運営メンバー

    • 現場で、お客様へのお食事提供やハウスの清掃を行う

    • CSのように細かな操作はしない

    • 必要な情報もCSよりコンパクト

    • 現場で動き回っているため、細かな情報を都度確認するのは難しい

運営メンバーに向けては、PMSのサブツールとしてHelpstaffというスマホ版ツールを提供しているのですが、それでもやはりPCで確認・作業した方が効率的なシーンは一定発生するため、PMS・Helpstaffの併用が望ましいのです。
ただ、PMSでは網羅的な操作・表示を優先して開発した結果、CSのみに最適化された状態になってしまっていました。

( Helpstaffの開発秘話は、PdMふみふみ(@fumifumi__8)のnoteで💁‍♀️ )

運用上のペイン

そのため運営メンバーからも、「なんか分かりづらい、難しい」「もっと見やすくしてほしい」という声をいただくこともありました。

ですが、(社内ツールあるあるかもしれませんが)PMSはどうしても必要な機能の開発が優先になり、UIの見やすさ・分かりやすさは後回しになりがち…
十分に見やすいかと言われるとそうではないが、必要な情報は表示されている状態のまま、しっかりと対応できずにいました。

そんな中で、改めて現場見学やヒアリングを通してチーム内でPMSの課題と重要度を整理した際、ミスの原因になりそうな点や工数がかかっている点の
多くがUIで解決ができそうな内容
だと分かりました。

たとえば、以下のような内容です。

  • 運営が必要な情報が1画面に集約されていないから、Notionに必要事項を転記している

  • PMSの誤操作が怖く、PC操作に自信のないメンバーは決まった画面しか閲覧していない

  • 視認性が悪いため、対応事項の確認に時間を要する

そこで、これらを解決すべく運営メンバー向けのUI大幅アップデートに取り組むことに決めました。

難しさとその乗り越え方

まずは現地での業務見学や拠点 / 役割ごとのメンバーへのヒアリング、現場連携用のSlackの内容チェックなどを通し、いつ / 誰が / 何を / なぜ 知りたいのか?というところから整理し直しました。

現在も運用としては回っているシステムに対して、新規機能を開発する訳ではなく、フラットな視点で本当は何が必要か?を再定義することはなかなか難しく、最初は苦戦しました。
PMSチームのやっしーさん(@K846ana)にもらった「PCは閉じて、ノートに書いてみるのも良いかも!」のアドバイスを受け、一時期は紙とペンでひたすらお絵描きをしていました。笑
PCを開くとつい画面を細かく作り始めてしまうので、その前段の何をどう見せるか?の整理として良い方法だったと思います。

何が必要か、どう作るか?の検討過程

運営メンバーにも何度も時間をもらって深掘ったヒアリングをし、作成したデザインモックに対してのFBもいただき、チームのPdMメンバーに壁打ちをしてもらい…
徐々に、これで行こう!という方向性が見えてきました。

そんな試行錯誤の末、以下の課題・画面に対しての改修に取り組みました。

  • 課題

    • 視認性が良くない

      • ⇒ テキストを読まなくても一目で分かるように

    • 運営実態に合わせた必要項目がない

      • ⇒ オペレーションが確立されてきたので、実態に合わせて項目を追加

    • 情報が集約されていない

      • ⇒ 複数画面を行き来しないでも良いよう、関連情報は1画面で表示

  • 対象の画面

    • 今日の予約画面

    • 清掃管理画面

    • 予約詳細画面

      • 運営向けビュー[新規追加]

    • 食事一覧画面

      • 日次のビュー

      • (シェフのニーズに特化した)週次ビュー [新規追加]

※ 既存の画面について、新たなUIでもCS業務に影響のないものは既存のUIを変更し、そうでないものはビューを新規追加することに。

現在、これらほとんどリリース済みで、残りも来月のリリースで一旦完了となります。(といっても、リリース後にいただいたフィードバックを踏まえて今後も細かなアップデートをしていきます💪)

リリース済みの画面

今日の予約画面の紹介

ここでは「今日の予約」画面について簡単にご紹介します。
この画面は、運営現場で毎朝のミーティングで利用しているのですが、元々は全プレイスでその朝会用の議事録を作っていました。

  • 目指したこと

    • 今日の予約画面を見れば、朝会が進行できること

      • 議事録作成の工数を削減する

      • 二重管理をなくす

    • PC操作が不慣れなメンバーでも、今日の予約を開けば必要な情報にアクセスできる状態にすること

      • 今日の予約の概要が把握できる

      • 今日の予約画面を起点に、他の必要な画面にアクセスできる

      • 視覚的に分かりやすくする

  • アップデートする上でのポイント

    • 不要と思われる情報は思い切って削除

    • プレイス全体での概要を確認するブロックを追加

      • ダッシュボードの役割を強めた形

    • アイコンやカラーを効果的に使う

アップデート前

アップデート後

リリース後には改めてフィードバックも依頼し、以下のようなポジティブな声を複数いただけました。

  • とても使いやすく、かわいくなってテンションが上がる🎉

  • 絵文字や記号・アイコンも分かりやすく、ぱっと見で必要な情報が把握できる🎉

  • 朝会をこの画面だけで完結できている(一部拠点)🎉

振り返り

リリース済みのすべての画面に対して、総じてポジティブな声をいただくことができており
これまではPMSに苦手意識を持っていたメンバーからも「とても良い!活用できそう」とも言っていただけたので、意義のあるアップデートだったと考えています!

まだ定量的には効果測定できていないので、(どう測るかはなかなか難しいのですが…)次はそこにトライし、検証をしていく予定です。

この取り組みを経て、改めて以下ポイントの大切さを実感しました。

  • いつ / 誰が / 何を / なぜ 知りたいのか?を明確に把握すること

    • ⇒ 実態をきちんと理解をすることで、はじめて適切なアウトプットが提案できる

  • 頭をフラットにし、時には思い切ったトライをすること

    • ⇒ 既存画面をベースにしていては、今回のアップデートは実現できなかった

  • 社内ツールだからこそ、役割に応じた細かなニーズに対応すること

    • ⇒ 細かな対応が1つのミスの削減につながり、お客様満足度に結びつく

今後も、チームみんなの力を借りながら、超クリエイティブと言えるようなアップデートにトライしていきたいと思っています。

おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!少しでもNOT A HOTELのプロダクト開発に興味を持っていただけていたら嬉しいです。

他にないサービスを提供するNOT A HOTELだからこそ、運営現場のメンバーと密に連携して運用面もしっかり考えて開発する。それは、とてもやりがいがあって面白い体験です。

オートメーション化できる部分はどんどんシステムで巻き取り、その分の時間で人にしかできない・本来注力するべき業務に専念できる世界を目指し、今後もしっかりやっていきます!
それが、「すべての人にNOT A HOTELを」につながると信じて。

「NOT A HOTEL」Company Deckより。わたしたちのミッションです

まだまだ、仲間を絶賛募集中です!

NOT A HOTEL面白そうかも!と思った方はぜひ、お気軽にカジュアル面談でお話ししましょう!
いつでもお待ちしています!


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