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ソムニウム(41)黒いコート
冬の空の高いところを
何かが群れて飛んでいる
鳥じゃない
何だろう?
雲に隠れる
それきり忘れる
あ、雪
寒いな、と思って
商店街を歩いていたら
肩にふわっと
黒いコートがかかったの
サイズがぴったり合っていて
ポケットに手袋も入ってて
暖かくて嬉しくて
それからずっと着てるんだ
そう言って隣りで笑う女は
黒いコートなど着ていない
それで自分も
黒いコートを
着ていないことを知る
(終わり)
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