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木葉功一
2020年8月3日 06:04
青い犬になって走る通っていた学校は建て替えられた桜の木は伐られ 根は抜かれたでもここだ 匂いがある掘り返していくスマホが出てくる バッテリーが生きてる 電話する半地下の家の前に立つ二十二歳の彼女が出てくる十三歳の自分に戻る来ました、先生彼女が微笑むもっと子供でいたかったからもらった手紙を土に埋めた犬はそれを覚えていて放たれる時を待っていたんだ(終わり)
2020年8月1日 04:31
走れヤマザキはい、と言って走り出す体がどんどん老けていくあっという間におじいさん足が攣り筋が切れ動脈が詰まる心臓が止まって脳が死ぬ地面にダウン────と思いきやばりばり体を食い破って新しくなり走るヤマザキ(終わり)
2020年8月1日 04:10
もうだめだ、と沈み込み電車の座席でうなだれる視線を感じて目を上げる母親の背中で赤ちゃんがにこにこ笑ってこっちを見てるもうだめだ、と打ちひしがれて広場の手すりに寄りかかる野鳥が飛んできて肩にとまり綺麗な声でさえずり出すもうだめだ、と肩を落とし神社への広い石段を上るふわふわしゅっ、と足首に獣が体をこすりつける白くて丸くて光るものが湧き水の洞窟へ走って消えるもうだめだ