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ソムニウム(68)青い犬


青い犬になって走る
通っていた学校は建て替えられた
桜の木は伐られ 根は抜かれた
でもここだ 匂いがある
掘り返していく
スマホが出てくる 
バッテリーが生きてる 電話する
半地下の家の前に立つ
二十二歳の彼女が出てくる
十三歳の自分に戻る
来ました、先生
彼女が微笑む
もっと子供でいたかったから
もらった手紙を土に埋めた
犬はそれを覚えていて
放たれる時を待っていたんだ


(終わり)

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