新しい社会を切り拓くスキルを求めて NTT東日本からスタートアップへ
2023年7月から、NTT東日本から一年間の社外派遣プログラムでPoliPoliにジョインした谷口さん。NTT東日本では企業法務として新事業や施策のための法的な整理などに従事していました。
「社会を切り拓くためのスキルを身につけたい」と話し、PoliPoliでは「PoliPoli Gov」「Policy Fund」にかかわる営業やプロジェクトマネジメントなど、行政事業部で活躍しています。PoliPoliでの働き方について話を聞きました。
大企業の企業法務からスタートアップへ
──谷口さんはNTT東日本にお勤めで、1年間の社外派遣プログラムでPoliPoliに出向しています。現在の、PoliPoliでの仕事内容を教えてください。
「PoliPoli Gov」「Policy Fund」にかかわる営業やプロジェクトマネジメントなど、主に行政と向き合う業務をしています。
その他、「Govtech協会」における政策提言や事務局運営、そして現在準備中の新規事業にも携わっています。
──4つも!大変ではないですか。
むしろ、1年という短い期間の中で多くのものを得たいという私の想いを汲んでいただいて様々な業務にアサインいただいているので、非常に感謝しています。
PoliPoli Govでは自治体とのプロジェクトマネジメントや営業を担当しています。2024年3月に北海道の自治体による地域課題解決プロジェクトの成果発表会では、PoliPoli Govが実施した意見募集について登壇しました。
Govtech協会ではガブテック(行政・政府(Government)と技術(Technology)をかけ合わせた言葉)を広めるための活動をしています。そこでは「提言」というものを初めて作る経験をしました。協会の会員企業・団体から課題をヒアリングし、社会情勢等をリサーチした上で提言を作り込み、議員さんにお話しするという、ルールメイキングにおける生の体験をできたことは勉強になりました。
また、2024年3月には自分が講師として、官民連携の文脈で、生成AIのレクチャーもさせていただきました。
──2023年7月にPoliPoliにジョインして10ヶ月が経ちます。振り返っていかがですか?
とても楽しくやらせてもらっています!多くのプロジェクトを任せていただき、充実した日々を過ごせています。
政策提言や記者会見のマネジメント、イベント登壇などを通じて、議員の方であったり、自治体の首長であったり、様々な企業のCEOであったり、普通の会社の1社員としてはなかなか接する機会のない方々とも多くお会いできたことも自分の財産になっていると感じています。
多くのステークホルダーの方と共に社会をより良くするために、様々な角度から議論し、プロジェクトを実施するのはワクワクしますし、面白いです!
──PoliPoliジョイン前の経歴について教えてください。
新卒でNTT東日本に入社し、まずは中小企業向けの営業を担当していました。そこから企業法務に移り、”なんでも屋”といいますか、訴訟対応、会社設立、事業や施策の法的整理など、様々な分野の業務を担当していました。法務を2年ほど経験したあと、1年間の消費者庁への出向を経験し、その後は法務で知的財産を担当していました。
──企業法務が長いですが、最も注力していたことはどのようなことですか?
新しい事業や施策を始めるにあたって、守るべきもの、活用すべきものなどを様々な部署の社員と考えながら整理してきたことです。
NTT東日本は元々電話の会社ですが、時代と共に電話や光回線だけでは生業が成り立たなくなってきていました。私が入社した2015年にはすでにそこに対する大きな危機感が社内にもあって。しかしながら、「新しい事業を生み出さなければ」という思いはあるものの、大きなイノベーションが生まれない状況が続いていました。
私自身、企業法務として新事業の立ち上げに携わる中で、新しいことが生まれては上手くいかずにたち消えていく状況にもどかしさを感じていました。それまでの法務は、事業や施策が法律的にできるか、リスクがあるか、という観点で携わってきましたが、本当にそれだけでいいのかな、と。
顧問弁護士ではなく、企業法務として会社の中に法務機能がある強みは、会社の方針や事業等を深く理解した上で法的ができることだと考えた時に、「法律を守る」だけでなく、「法律を使う」ことであったり、企業法務としてもっと関われることがあるのではないかという考えが膨らんでいきました。
ただ、そのためには法律だけでなく、事業をつくるとは、また法律や規制をつくるとはどのようなことかなど、外に出て学ぶ必要のあることがたくさんあると思ったんです。
新事業創出とルールメイキングの知見を求めPoliPoliへ
──今回、PoliPoliへの出向はどういう経緯だったのでしょうか?
企業法務での経験を積み重ねる中で、法務が新事業でその企業の利益を生み出すためには、主にルールメイキングの知見や事業を創る側への理解が必要だと実感していました。
そのためのノウハウが得られる先を探していた中で、ルールメイキングのプロフェッショナルとして伊藤さん(PoliPoli代表 伊藤和真)を発見して、そこからPoliPoliにたどり着きました。
スタートアップとして6年ほどしか経っていないのに、短期間で多くの事業を展開している印象で、ルールメイキングだけでなく、事業を創る経験もできるかもしれないと思いました。
──その中でも多くの候補先があった中で、PoliPoliを選んだ理由は何でしたか?
NTT東日本に入社した経緯に少し触れますね。
就活中は、実はもともと全く別の業界を見ていました。そんな中で入社前にNTT東日本の方から、「NTT東日本は、会社にとって正しいことと社会にとって正しいことが一致している」いう話を聞いたことが大きかったのです。
当時、「これをしたい」という具体的なイメージはなかったのですが、立場や企業によって「正しい」ことは違うことがあり、時には自分や社会の「正しさ」と反することも企業の「正しさ」として押し通さなければならない場合もある中で、「社会にとって正しい」ことをできること、正しいことをしようという文化が根付いていることに魅力を感じました。
人にとっての幸せは様々だと思いますが、「社会にとって正しいこと」を続けていけば、多くの人を幸せにしたり、多くの人の便利で快適な当たり前をつくることができるのではないか。それは自分にとっても幸せなことではないか、と思いました。
実際にNTT東日本に入社して9年以上経ちますが、困った人を助けたい、地域の課題を解決したい、と思っている社員が本当に多いと感じます。
PoliPoliに決めたのも、社会にとって良いことを実現できるインフラを作ろうとしている点で、通じるところがありますし、派遣前の伊藤さんとの面談でもその熱意を強く感じたからです。
PoliPoliという組織
──PoliPoliでは、これまでの職場とのギャップはありましたか?
思ったよりもちゃんとしてるな、というのが正直な感想です。
スタートアップ企業のイメージとして、もっとルールも何もないところで、勢いで頑張る、というような想像をしていました。「とりあえずビジネスになるもの」ではなく、それがPoliPoliの事業としてあるべきものなのかどうかの判断基準が慎重で、やるときはやる、やらないときはやらない、の判断をしっかりされていることには驚きました。
また、いけると判断した時の新事業創出のスピード感はすごいと思います。事業戦略の考え方や、数字の意識、業務の効率性、アクセルを踏むところとブレーキをかけるところのバランス感覚などはとても勉強になります。
メンバーの人柄も、バリューに「ワンチーム」とあるように、チームとして動ける能力が高い人が多い印象です。
──組織としてはどのような違いを感じましたか?
様々なバックグラウンドがある人が集まり、年次と年齢が関係がないのは新鮮です!
一方で、せっかく様々な知見を持ったメンバーが集まっているのに、まだその共有の場が足りないと感じ、2023年11月と2月に”ノウハウ共有会”を自ら企画しました。省庁と自治体出身のメンバーから政策策定の流れや、NPO出身のメンバーからは寄付の非営利団体の生業や寄付の集め方などをレクチャーしてもらい、ディスカッションする時間をつくりました。
メンバーには忙しい中でも協力的に参加してもらって、私自身非常に学びを得ましたし、好評だったのは嬉しかったです。
──このノウハウ共有の場など、谷口さんの経験から、さまざまな課題感が見えて活かしていただいています。ほかにはどのようなことを感じていますか?
政治や行政の分野なのでガバナンスを効かせる部分と、スピード感重視でチャレンジしていく部分のバランスの取り方の難しさは感じています。こういった気づきは率直にメンバーに伝えて、議論してきました。
PoliPoliで成し遂げたいこと
──出向期間は残り1ヶ月ほどになります。谷口さんがPoliPoliで実現したいことは何ですか?
PoliPoliから得るインプットとしては、まずは新規事業の立ち上げのノウハウ。これについては業務内容の詳細はまだ話せないのですが、経験ができていて、充実感があります。
あとはルールメイキングの知見をもう少し得たいところ。Govtech協会での業務の中で、政策提言の経験はできているものの、企業側の目線でさらに実用性のあるルールメイキングのあり方を学ぶべく、具体的なプロセスを経験し、現場での議論に参加したいと考えています。
自分からPoliPoliに残すアウトプットとしては、与えられている役割をやりきっていくのは前提として、PoliPoliという組織に良い影響を与えられることができるものはあと何があるのかを考えて、残していきたいと考えています。たとえば、会社として様々なステークホルダーを巻き込んだ勉強会など、私の企業法務的な知見やNTT東日本での経験を踏まえながら、もっとこんなことをしてみたらいいかも、というものは、できるだけ伝えていきたいと思います。
──ありがとうございます。PoliPoliで得たインプットは、戻られたらどう活かしていきますか?
まずは、NTT東日本の事業創出に携わる中で、PoliPoliで得た知見やスキルをアレンジしながら活かしていきたいと思っています。
NTT東日本の中で、PoliPoliで経験したスピード感をそのまま実現することは厳しいと理解しているものの、この1年で得たものをNTT東日本にマッチした形で最大限活用するにはどのようにするべきかを考えていきたいですし、できれば自分で事業を考えて会社に提案したりもしてみたいですね。
大企業として社会を切り拓く、その先頭に立てるようになれたらいいと思います。
キャリアとしては企業法務に戻り、契約や訴訟といったいわゆる法務業務だけでなく、事業創出や事業拡大を共に創ることができる企業法務のプロを目指していきたいと考えています。
──大企業からスタートアップへの異動。魅力は何だと考えていますか?
なんと言っても「開拓している感」ではないでしょうか。
業界を開拓していく楽しさや厳しさはスタートアップの魅力だと思います。大企業では、既存の事業範囲をいかに拡大していくかがメインになってくると思いますし、業界の開拓をできるとしても、個人としては組織の一員として一定の役割の中で、ということになろうかと思います。
スタートアップは、社員の人数も限られる中で、一人一人の能力が成果に大きく反映されますし、個人の裁量も大きいので本当の当事者として視界を切り開く経験ができます。これはスタートアップの特権ではないでしょうか。
その中でも、PoliPoliは、Govtech協会だったらガブテックだったり、Policy Fundだったら新しい寄付や地方創生の形だったり、会社としてだけでなく日本社会の「文化」を作っていくことができると思います!
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