根暗な日本人女性・その後🇰🇭【スーパースターを目指すカンボジアの若者たち】第47話
🇰🇭レナのその後
レナは今、パートで働きながら、病気のお母さんの介護をする生活です。
レナのお母さんは認知症という病気で、生活の大部分は、みんなとは違う世界に行ってしまうの。
身体も殆ど動かなくなって、ご飯やトイレの時以外はずっと眠っています。
レナのお父さんが頑張ってお世話をしているけれど、一人じゃもう大変だから、レナも出来る限り手伝っています。
ケンも、レナのお母さんに、いつもとっても優しく接してあげています。
だから、レナのお母さんはケンのことが大好きです。
それにレナのお母さんは、私のことも大好きです。
最初は、私がお家に遊びに行くと
「クジラ」と呼んでオヤツをくれたのだけど、
それがだんだん「イクラ」になって、
今では「シロ」とか「チビ」とか、きっとお母さんが子どもの頃に飼っていた犬の名前を呼びます。
でも、私は名前なんてなんだっていいのよ、オヤツさえ頂ければ。
レナのお父さんも、私をとても可愛がってくれます。
いつも、私のために美味しいご馳走を作ってくれるのよ。
レナは、プノンペンでパートに出ていた時もそうだったのだけど、日本のパート先でも同僚の皆さんにとても恵まれて、毎日幸せそうです。
同僚の皆さんとランチに行ったり、お母さんがショートステイに行ってる間には飲み会にも出かけたり、穏やかで平凡な日々の暮らしを、心から満喫している様子です。
すっかり老けて、白髪も増えて、体重が落ちにくくなったレナだけど、カンボジアに来たばかりの時の「陰気で自信が無さそうな顔」より、ずっと豊かな顔になったとサソリ姉さんが言っています。
レナはポラリックスと別れる前、みんなで手を繋いで祈った時、こう願いました。
“私はもう二度とみんなに会えなくてもいい、みんなが自分を忘れてもいい。
どうか、みんながお金に困らず、幸せに暮らせますように。”
シェムリアップからプノンペンへ
ポラリックスを連れて引っ越した時
ポラリックスのご両親たちに
「私の息子を、本当の息子だと思って大事にして。」
と言われたことを、自分は果たせているのかと悶々としていたレナ。
レナは、最後にちゃんと約束を果たせました。
見返りを求めない、無償の愛。
それが、子どもを愛する世の中のお母さんの気持ち。
もちろん、みんなはレナを忘れないでいてくれたけどね!
これが、私の飼い主・レナのその後の物語です。
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