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Polarisの生存戦略:「進化思考」に重ねて(2)

市川望美です。

すぐに書きたいなと思っていながら、ちょっと間があいてしまった・・・。第一弾 ↓ に続き、今回も「進化思考」に重ねたお話です。

INDEX
・「進化思考」でとらえるPolarisの創業
・実は「ないなら創ろう!」じゃなかった。
・欲求や、願いが先。
・自然界に学ぶPolaris|進化思考はなじむ。

「進化思考」でとらえるPolarisの創業

元々、表紙と目次を見るだけで「好き!!」という私好みの本なのですが、読めば読むほど、Polarisという組織の成り立ちはこういうことだったのか、、と納得するばかりです。

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実は「ないなら創ろう!」じゃなかった。

セミナーや講演会で「ないなら創ろう!自分らしいはたらき方」というキャッチを肩に乗せつつ、キャリアの話やPolaris創業の話をすることも多いのですが、自分でそう言っておきながら「いや、厳密には、そういうことじゃないんだけどね・・」と思ったりもしていました。

確かに「ないから創った」のですが、その時々に「こんなことできないかな」「こうできたらいいな」と思ってやってみたり結果がこう。もしくは、先に「それ」が始まって、後から意味づけたり構造を明らかにして仕組みとして整理したてそこで納得した・・・という感じが近いのです。明確な意図や計画があってつくったというよりも、「こんなん出ましたけど」(昭和!)みたいな・・・。

この本に「創造は、進化と同じく変異と適応の繰り返しによって生まれる」とあるのだけど、Polarisは本当にそうだなあ・・・

進化思考とは、「創造」というものの謎を生物の進化になぞらえて理解し、理解した本質を思考法まで高めた、というもの。

「創造性」というものを、特別な人たちの専売特許とせず、誰でも獲得可能な、実習可能な技術とするための思考法が、この本ということです。


欲求や、願いが先。

「変異と適応」を繰り返すことが創造のプロセスであり、創造性は「進化」するということ。

それはそれで納得なのだけど、それだけだと偶然に頼りすぎてはいないか・・・。言葉面だけをとらえるとそう感じたりもするのですが、「そもそも欲求や願いがあるからこそ変異が起きる」と聞き、なるほど・・・!!たしかに!さすが・・!と思いました。

高い所にある葉っぱを食べたい、という欲求がまず先にあって、それを重ねているうちに進化してキリンの首は長くなった。

私たちPolarisも、「未来におけるあたりまえのはたらき方をつくる」という願いが先にあった。


自然界に学ぶPolaris|進化思考はなじむ。

余談ですが、Polarisは(というか特に私は)、「この状況に似ているものは何かないか」というのを自然界に探しに行くことがよくあります。

いわゆるビジネスのセオリーといった軸ではなく、自然界に似ているものを探す。なぜなら、それが一番「自然」で「美しい」から。自然で美しいということは「最適化されたもの」だから。生物の「ヒト」として、持続可能なものにできるんじゃないか、ということで、いろいろやってきました。

適者生存

2021年CRファクトリーの「コミュニティフォーラム」登壇資料より。強くなろうとしたのではなく、「変異と適応を繰り返すことでやってきたよ」ということで適者生存。

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Polarisの組織運営のコツを伝えるセミナーの資料。リーダーシップは、雁やイルカを例えに、マネジメントスタイルの違いは「鳥の目、虫の目、魚の目」で表現。

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自分たちの事務所がある「調布」というまちの競争優位性とか特長みたいなものを考えていたときに浮かんだ「汽水域」というコンセプト。自分たちのコミュニティは「ビオトープ」だと考えたりもしている。「エコシステム」とかでもいいのだけど、伝えたいニュアンスよりもちょっとだけビジネス色強めな感じがして、やっぱりビオトープがしっくりくる。

目指す世界をイメージしやすくするために使ってきたビジュアル重視の「例え」だったり、デザイン的な符号だけだったりしても、自然界・生物界にあるものは、長い時間をかけて変異と適応を繰り返し、自然淘汰されたり自然選択され続けた結果だけあって、無理がなく説得力があったりするのです。

進化思考とPolarisは、なじむ。

私たちも組織の創造性の仕組みを、生物の進化や環境の進化から学んできた。自然界にある何かに重ねて理解することで、自分たちが生み出した「これ」がどういう仕組みになっているのかを知ることができた。だからすごく、進化思考はなじむのです。

「汽水域」というコンセプトなんかも本当にそう。最初は見た目からはいった。「調布ってどんなまちだっけなあ・・一応東京だけど23区外だし、緑が多くてのんびりとした良さではあるけれど、自然豊かな田舎ってほどじゃないし・・。それに、その「のどか」が売りたい訳じゃない。

「Polaris」という存在がこのまちにあることで、日常生活ではなかなか出会えない人にも出会えたりとか、異質なものが混ざり合う、交差する「場」(存在)でいたいよねえ・・・」みたいなことをつらつら考えていく中で、「汽水域」という言葉が浮かんできた。

「海水と淡水が混ざり合う場」である汽水域は、言いたいことをうまく表現できそうな気がした。

そして「汽水域」を調べていくと、「潮の満ち引きによって、1日の中でも塩分濃度が変わるから、汽水域に暮らす生き物はとても適応能力が高い」と知り、「うわーー絶対私たちPolarisの中の人もそうありたいよね、変化の時代を生き抜く力があるって感じがする」と、人材像のヒントになったり、「でも、Polarisに関わる人みんながそうなれって話じゃないんだよね。海の生き物は海の生き物だし、川の生き物は川の生き物。あわない環境で生きろっていう話じゃない。中には、そっちの環境にすっかりなじんで適応しちゃう生き物もいるかもしれないけど。

あれこれネットで拾い読みしていたら、「汽水域では普段出会うことのない生物がすれ違う」とあり、「異質なものが混ざり合う、交差する「場」でありたい」というPolarisの思いはやっぱり汽水域で表現できそう。「汽水域は栄養が豊富」とも書いてあって、「Polarisは学びの事業もやってるから、そういう意味では栄養豊富だよな」とまたまた納得。

ピタリと符合するようなものを見つけられたときは、きっとこれは上手くいくだろうと思える。その経験値が、この本でブラッシュアップできそうです。

進化思考で創造性を鍛えるぞー。


#進化思考 #組織論 #汽水域 #市川望美 #創造 #共通の願い #リーダーシップ #調布


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