育休取得とキャリアへの影響① 昇進と育休取得を分けて考える

 率直な考えでは、育休取得は少なからずキャリアに影響が出ると思います。3ヵ月や半年、もしくは1年以上の休職期間であれば、一つ、二つの業務サイクルが過ぎるため、その分成果を出す機会を失ってしまいます。会社によっては、1ヵ月間でも大きな差が出てしまうため、育休取得をすることが昇進の遅れが生じてしまいます。別の記事では育休取得による年収シミュレーションを紹介していましたが、その額面以上に将来的な収入面でも影響が出る可能性があります。この点が、おそらく育休を検討するも最終的に取得するに至らなかった、特に男性の方の要因ではないでしょうか。

昇進と育休取得を分けて考える

 そうなると、育休は昇進と引き換えに取得するものである、と捉えてしまいます。この考えが背景にあると、育休取得を推進する意見では、子供と過ごすことができる時間はかけがえのないものである、といったメリットを引き合いにして比較検討することを求めます。ですが、私は、昇進と育休取得は分けて考えるべきだと思います。その両者は決してトレードオフの関係ではありません。むしろ、自分のキャリアが思うようにいかない要因は別にあり、育児休業取得と昇進は関係ないと考えるべきです。

 自分の置かれている状況から、ある程度の昇進の推測はできるかもしれませんが、当然約束されたものではありません。実際にビジネスでは、次期候補と目される方ではない、別の方が突如昇進するケースもあります。昇進するか否かといったことは、非常に不確実性の高く、運も関係します。そのため、育児休業が昇進に直接的に影響があったかどうかを正確に把握することは、極めて難しいことです。

 それよりも、育児休業を取得することがもたらす、自分のキャリアへのプラスの要素に目を向けることが大切になってきます。次の記事では、私の実体験をもとに、そのことについて記載したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?