#戦争について

 8月6日、9日、15日になれば、決まってテレビ・新聞などのメディアは戦争報道について取り上げる。8月は戦争や平和、核について考えさせられる月となっている。

 第二次世界大戦で亡くなった日本人は約310万人とされている。軍人のみならず一般国民までもが犠牲となった。自国民の犠牲もそうだが、アジア諸国に多大な影響を与えたことも事実だ。

 日露戦争では、西欧の列強に屈しまいと立ち上がったとも言えるが、太平洋戦争は外交的、経済的な行き詰まりを軍事力の行使によって解決しようとしたもので、避けられる戦いだったはずだ。軍部が暴走しただけではなく、当時はポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭もあり、国民にもある程度の責任があるはずだ。

 1928年、第一次世界大戦の教訓から主要国は不戦条約を締結した。戦争自体が違法化されたなか、日本は満州事変を引き起こした。

 戦争が終わっても、戦争責任の追及が甘かった。戦争指導者と無謀な戦争へ駆り立てられた側が、ともに靖国神社に祀られている。

 戦没者を追悼すること自体は当たり前だが、閣僚が靖国神社の参拝をすると問題になる。侵略の被害を受けた国からしてみれば、日本が過去の過ちを忘れ、戦前の歴史を正当化しようとしていると受け止められるからだ。このような勘違いを生まないためにも、戦争式典において国のトップは、加害者としての責任とおわびをしっかり口にすべきである。

 戦後75年を過ぎ、戦争を直接知らない世代は日本の総人口の85%に上る。戦争経験者のお話を直接聞く機会は著しく減少している。「災難は忘れたころにやって来る」と言うが、過去の戦争は絶対に風化させてはいけない。

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