#外国人の入管施設長期収容について

日本からの退去を命じられ法務省の入管施設に収容されている外国人が、1年以上、人によっては2年、3年と長期にわたって収容されるケースが急増し、(中略)長崎県では、ハンストで命を落とす人も出ています。(NHK 解説委員室「急増する長期収容 高まる批判にどうこたえるか」(時論公論)2020.07.18現在,https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/406193.html)

 不法滞在などを理由に強制退去処分を受けた外国人が、入管施設に長期収容される問題がある。長期収容の理由として、難民認定の手続き中は送還できないとする規定を利用し、申請を繰り返す者が多いからだ。

 法務大臣の私的懇談会のもとに置かれた専門部会の提言では、難民認定されなかった人が新たな事情がないまま再申請した場合は、送還可能とすることを検討している。だが、難民条約は、難民の可能性がある人を送還してはならないと定めている。

 そもそも日本の難民認定は厳格すぎる。昨年は10375人の申請のうち、認められたのはわずか44人だ。審査の在り方を見直すべきだ。先述した専門部会とは別に、「難民認定に関する専門部会」では、条約上の難民に当たらなくても国際的に保護の必要性がある人に、在留を認める枠組みを設けるよう指摘している。

 被収容者のなかには、この国に溶け込み、社会を支えてきた人も大勢いる。そうした「人材」の追い出しに力を注ぐ一方で、外国人労働者の新規受け入れに積極的だ。政策に一貫性がない。

 施設収容は送還準備が目的である。海外ではEUが収容期間を原則半年間までとするなど期限を決めている例が多い。

 収容の長期化を避けるために、仮放免制度などを検討すべきだ。実際、退去を命じられた人のほとんどは出国している。送還を拒むのは、帰国すると身に危険が及んだり、日本に家族がいたり、生活の基盤が母国ではなく日本になっているなど、汲むべき事情のある人が少なくない。保護すべき人を確実に保護し、外国人の人権をないがしろにしてはいけない。

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