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日本人女1人でVrindavanのHoliに参加した話(1/6)

2015年の3月にインドのブリンダーバン(Vrindavan)地域のナンドガオン(Nandgaon)とバルサナ(Barsana)という街のHoli祭りに参加した話です。

Holi祭りとは

Holi祭りは、色の粉をかけまくる映像が写真映えするからか、ここ10年くらい日本でも話題になっている気がします。最近、日本でも類似のイベントが開催されていますが、元はインドのクリシュナという神様のお祭りです。

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この日だけはカーストの上下がなくなり(つまり無礼講?)何をしても許されると聞いたこともあります。

当時の私は海外の写真を撮ることに熱意を持っており、尊敬する写真家さんの作品に近付いた作品を撮りたいと思っていました。特にスティーブマッカリー(Stive Mc curry)氏のHoli祭りの写真に衝撃を受けて、いつかHoliの撮影に挑戦したいとずっと思っていました。

結論から言うと写真を撮るどころか、Holiに参加する事すら危なかったので、それについて書こうと思います。

なぜナンドガオン(Nandgaon)とバルサナ( Barsana)なのか

そもそもHoliの写真を撮るには、出来るだけ祭りが過激な土地に行かなくてはならないのですが、当時その情報は殆どありませんでした。Holiに参加した人のブログはたまに見つける事が出来ても日本人のブログは殆どがバラナシ(Varanasi)かデリー(Deli)で参加した記事でした。

海外の過激なお祭りは概して欧米人の方が詳しいので、画像検索→作家のブログに飛ぶ→地名があれば調べる、という事を繰り返すうちに、クリシュナ信仰が厚いブリンダーバンの辺りのお祭りが特に激しいことがわかってきました。

https://www.youtube.com/watch?v=KOarFAmTI7k&fb_action_ids=1068168219866367&fb_action_types=og.shares&fbclid=IwAR1jzJxK18ZB66lCF1CokEI_ZyaOKIMGIPTRRzdG8p9JA2IHY0o6E1PVGl4

次に海外の作家さんや、インドのニュース番組などがYoutubeに挙げている動画の寺院の映像から、どうやらバルサナ(Barsana)の祭りが激しく、空港のあるDeliからも近かったので、そこを目的地にしました。

Deliからまず電車でマトゥーラへ行き、そこからバスでのバルサナ(Barsana)の行き方を尋ね回ると、ナンドガオン(nandgaon)までなら乗合バスがあるそうなので、とりあえずそこまで行くことに。

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↑ニューデリーからマトゥーラへの電車

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↑マトゥーラからの乗合バス、一杯になったら出発するタイプのバスしか無く、1時間ほど待つことになった。

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ナンドガオン(Nandgaon)に着いて

Holi前日にナンドガオンに入ると、デリーより色粉を売る店がかなり多くあり、街中は既に気の早い子供なんかが投げた色粉で紫に染まり始めていました。

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↑「もう始まってるよ」と教えてくれた観光客。外国人は狙われやすいので、地元の人以上に目立ってやられていました。

まず荷物を置くため、宿を探すと、街の入り口の老舗っぽい大きな建物がホテルだと近所の人が教えてくれたので、行ってみると快く宿泊が可能とのことです。

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貫禄あるご主人が現れ、日本人とわかるとわかりやすく歓迎ムードになりました。

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「日本からようこそ、私が責任持ってあなたをこの街でおもてなしします。」みたいな事を言われた気がします。こちらとしては責任なんて持ってくれなくても部屋さえ貸してくれればいいわけなのだけど、インドの社会的立場がある人のあるあるなのか、こちらの安全にまで責任を感じてくれます。(「街に出たら私以外誰も信じないように、というセリフも何度か聞言われた事がある。」)

そして「今日はこれからどうするのか」と言われたので、「今から寺院に行く」というような事を言うと、「それはいけない、今日はHoliだ。とても危険だから寺院になんて行ってはいけない。今日は一日ホテルの部屋から出ないように」と言い出したので面食らった。こちらが幾らかけて今日この日のためにここまで来たと思っているのだ。

「Holiだから部屋から出るな」の教え

「そういうわけには行かない、私はHoli祭りを見るためにここまで来た。今から行ってくる。」と言う私に、ご主人はHoliの身振り手振りを交えてその危険さを熱弁してくれた。

「いいか、町に出てる奴らはドラッグをやってる。牛の糞や、石だってぶつけられるかもしれない、まああなたは女だから石を投げられる事はないと思うが。あいつらはハイになってるから、一人で行ったらレイプされたり、殺されたりするかもしれないぞ。」

正直、そういう危険さがあるとは思っていなかったので、この話には驚いた。あれこれ投げる祭りは世界中にあるけど、岩を投げられたり殺されたりするとは思ってもいなかった。だけど、ここまで来て引くわけには行かない、ここナンドガオンだってまだ中継地点で、さらにこの後バルサナまで行こうとしてるんだ。

「わかったわかった、まあ気をつけるよ」

みたいな感じで流して、部屋を案内されてご主人とは別れた。最後まで「いいか、大人しくしてろよ。」と言いながら自室に戻って行ったけど、知ったこっちゃない。ご主人が出て行った後に、カメラをビニールでグルグル巻きにし、街に繰り出した。そしてすぐに、インド人の日頃の鬱憤と剥き出しの悪意に晒されることになる。




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