UI/UX・アートディレクターの「大変、つらい、でも楽しい。」新規ゲーム開発のいま
『SINoALICE -シノアリス-』『アサルトリリィ Last Bullet』といったスマートフォン向けゲームを開発・運営するポケラボですが、もちろん新規開発プロジェクトにも取り組んでいます!
ということで、今回はクリエイティブにフォーカスする形で新規開発における想いや苦悩を新規プロジェクトのUI/UX・アートディレクターを務める4名に聞いてみました。
田中:2017年10月入社。クリエイティブ部 デザイングループ 新規プロジェクトR 2Dチーム 2Dユニット アソシエイトマネージャー
武井:2014年12月入社。クリエイティブ部 デザイングループ 新規プロジェクトBチーム マネージャー
吉田:2014年5月入社。クリエイティブ部 デザイングループ 新規プロジェクトBチーム デザインユニット アソシエイトマネージャー
菅嶋:2018年12月入社。クリエイティブ部 デザイングループ 新規プロジェクトR 2Dチーム マネージャー
現在の担当業務について教えてください。
武井:新規プロジェクトBのアートディレクターとして、時には実作業もやりつつ、全体の品質管理/監修/チェックバックなどビジュアル面に関するすべてとゲーム創りを進行させるためにチームコンディションを整える役割を担っています。
ディレクションはムードメイキングするのが仕事だと思ってます!
田中:新規プロジェクトRのアートディレクターをしています。武井さんの業務と大枠は同じで、ムードメイキングはしてません(笑)。比較的関係者が多いプロジェクトなので外部折衝/調整や社内の他職種とのコミュニケーションが多めなイメージです。
菅嶋:新規プロジェクトRで2DとUI/UXデザインのチームマネジメントが主な業務です。チームのコンディション管理、UI/UXデザイン実務、全体のデザインコンセプトや世界観等を考えて外部折衝、推進をしています。
吉田:新規プロジェクトBのUI/UXディレクションが主な仕事です。具体的にはUI/UXコンセプト決め、UI/UX設計、UI/UXアニメーションやエフェクト全般など見た目の調整を行ったり、プランナーとの仕様詰め、エンジニア、協力会社のUI/UXデザイナーとの調整、連携を行ったりしています。その他、メンバー管理や盛り上げ役ですかね!
どんなことに楽しさ・やりがいを感じていますか?
田中:エンタメ業界に入ってずっと思っていることですが、エンタメは衣食住から離れた、究極いらないものじゃないですか。「いらないもの」から「いるもの」に変換するために良いものをつくる、そこを考え続けるのはずっとやりがいのひとつです。辛いときも悲しいときもそれで頑張ろうという気持ちになる。
直近は開発規模が大きくなりすぎて、これまでの開発と比較するとセクション毎にそれぞれの声がどうしても大きくなります。そういう時に間を取り持つことは比較的得意な方なのでその役割を担えることにはやりがいを感じてますね。
吉田:みんなで一緒にゲームを創ってるというのがやはり面白いなと感じるところです。リモートだとみんなで創ってる感が薄まる気がしていて、出社してプランナーやエンジニアと同じ画面をみながらゲームを創ってるときが一番面白い。
UI/UX観点だと「このUI/UXかっこいいね!」とフィードバックをもらえると単純に嬉しいです。逆にみんなでプレイしていて課題があがったときも嬉しいし、やりがいを感じます。UI/UXは課題解決していく仕事なので「またひとつ課題が出たな!」とつぶしていくのが好きなんです。
武井:仕様を決めるときなんて課題だらけですもんね。プランナーからの仕様に対する要望を踏まえつつ、特に3Dゲームにおいては手触り・見た目が2Dよりも必要になってくるので、このあたりをアートからの意見含めてうまくとりいれていくのがデザイナーの役割になってますよね。
菅嶋:たしかにそうですね。各職掌それぞれに実現したいことがあって、エンジニアの実現可能な範囲とかいろいろな制約がある中でどうやって画面に落とし込もうかと各ステークホルダーと話し合いながら進めていくのが一番難しいですけど、デザイナーとしては一番やりがいのある部分ですね。
武井:アートディレクターになりたての頃は、実務がやりたくて現場に未練たらたらな時もあったんです。でも最近は「この最小のオーダーでこんないいものあげちゃうの?!」っていうものがあがってくるとすごくやりがいを感じます。みんなが育ってくれたり、自分に慣れてくれたというのを含めて(笑)吉田さんもですけどみんなが楽しそうに仕事してくれているとすごく嬉しいしやりがいを感じますね。結局楽しくないといいものはあがってこないと思うんです。開発は大変だし辛いけど楽しいって言ってくれる人が多くて、そういうときにいい会社だなって思います。
どんなことに大変さを感じていますか?
田中:一番は3D開発への挑戦です。これまで2Dの強みを研ぎ澄ませてきたので3Dに関しては社内の知見やノウハウが少ない中で、グリーグループのWFSからの共有データや社内Wikiを参考にさせてもらったり、直接お話して知見を得たりとグループとしてのパイプがあるのは心強かったです。
取り組みを始めて結構経ったので、特に3Dに詳しい何名かが「俺がどうにかするんだ!」とアウトプットしてくれる人が目立ちはじめてるのもいいですね。
ゲームだけでなくアニメ業界から転職してきた人もいて、前職での知識や経験を踏まえて「こうした方がよりよいのでは?」と提案してくれるので新しく入った方だからこそ気づける部分も踏まえながら修正していっています。
菅嶋:3D開発による変化は大きいですね。2DはUIも平面なので、3D空間を活かしたUIとか作り方として考慮しなければならないことが増えました。他社さんの3Dもかなり研究していて、うちだとどう出来そうかというのを常に考えながらプレイしています。
吉田:提案すべき内容としても数年後にだすものなので、今あるものをそのまま踏襲するのは当然できなくて、細部にいたるまで「数年後どうなっていそうか?」を見据えて提案する必要があります。そこの擦り合わせや落としどころを見つけるのは大変ではありますが新しいものを生み出す過程は楽しいですね。
武井:大変なことはしょっちゅうありますよね。「いやさすがにそれは物量多いよ、もうたぷたぷだよ」と(笑)。でも結局課題は明確でこれとこれが解決すればよくなるというのがわかっていることが多いです。それを考えればそこまでストレスを溜めるようなことはないですね。
ゲーム創りはダメにしようと思ってる人なんていなくて、みんなよくしようと思ってやってると思うんですよ。結局事象の大半はすれ違いで、ちゃんと話せば大体のことは大丈夫。最近は出社してますけど、そういう意味で在宅はどうしてもコミュニケーション頻度がさがるので意思疎通が難しいと思います。文章上で炎上してても実際にMTGして「いや違うんすよ!」って話すとすごい勢いで鎮火したりとかしますね。
いま、どんな想いでゲームづくりに取り組んでいますか?
武井:隣の人が「すごい!」と言ってくれるようなものをつくるようにしてます。ユーザー様はもちろんなんですけど、そばにいる人がすごいと言ってくれれば、基本的に全部繋がってると思うんです。大きな視野でみると遠くのにんじんをぶら下げられても頑張れない。「吉田さんが喜んでくれるだろうな」「これ見たらひっくりかえっちゃうんじゃないかな?!」というものをつくるようにしてます。その方が反応も直でくるし、わくわくするんです。
10年以上前の話ですが、友人の結婚式の余興を何組分もやっていた時期があって。全力で盛り上げるために準備期間2ヵ月くらいで10名くらいの人たちをディレクションしながら、撮影して動画つくったり、その時に人を喜ばせることの喜びと複数人をディレクションすることを覚えたんです。いるんですよ、全然やる気ない人とか(笑)。そこで動画をつくりたいと思って覚えたのがAftereffectで、趣味で映像をつくるようになり今の仕事に繋がってます。源泉ですね、そばにいる人を喜ばせたいっていう気持ちが。
吉田:なるほど、いいですね。UI/UX観点でいくとトレンドになるようなデザインをつくりたいです。その時々であるんですよね。「今はフラットデザインが流行ってる」とか「このアプリのこういう感じがいいよね」とか。UI/UXデザイナーの間で「あのアプリすごいな」「あのUIデザイン、ベンチマークにしようかな」と話題にしてもらえるようなものを生み出したいです。
菅嶋:僕は例えば電車に乗っている時に自分の創ったゲームをやってる人を目にしたりとか身近なところでそういうことを感じられるようなものをつくりたいです。最近だとSNSとか動画サイトで好きなゲームを配信してる人も多いので楽しんでくれているところをたくさん見られる機会もあってそういうのをモチベーションにしています。
田中:ニコニコ動画とかTwitterとかめちゃくちゃ閉じた空間でひとつのことで盛り上がって、そのコンテンツが成長するという文化がすごく好きなんです。年代もあるかもしれませんがそれを肌で感じてきたので。このアニメが流行ってるよね、というのがあったらそれが咀嚼されて別の世界でどんどん広がっていく、というようなものを創っていきたいです。そういう意味だと武井さんに近いかもですね、この人が喜んでくれるっていうのは結構閉じたところから始まると思うので。
ポケラボ組織の特徴的なところは?
菅嶋:チャレンジ出来る環境ってよく言ってますけど本当にそうですよね。失敗したとしても再チャレンジできる。
田中:リカバリーさせてくれますね。少し前に大変だったときも周りの人たちがフォローしてくれて本当に助かりました。
菅嶋:僕も判断を間違えたなと思うことがあったのですが、その日のうちに改善案を持っていってまた挑戦させてもらうことができました。
武井:特に3D開発においては、PDCAを早く回すことが開発において必要ですよね。経験やノウハウが足りない分、とにかく早く失敗すること。とりあえず出だし80%でつくって一旦走り切っていかにブラッシュアップ期間をとるかに重きを置いてます。
菅嶋:確かに。これまではいつリリースしても恥ずかしくないレベルで出すというポリシーみたいなものがあったんですけど、開発の前提が変わってスピードも求められるので、最近は失敗というかつくり替える前提でつくってます。
田中:菅嶋さんは悩んで止まる時間が圧倒的に少ないですよね。分からないところは分からないなりにとりあえず形にする。それで「できました。さぁ、どうしましょう」と。まさに高速回転のPDCAをいつも維持していてそれが強みだなと思います。
吉田:また別観点ですけど、これまでクリエイティブ部と事業部が別組織だったのが、今期からはクリエイティブがプロダクトにつく形になっていて、クリエイティブとプロダクト、UI/UXとアートの距離感もより一層近づいてきましたね。
田中:やろうと思えば本当にいろいろできますよね。プランナーに相談しながら仕様にもリーチできる。コンセプトや世界観に関しても「これはこういう咀嚼かなと思ったんですけど」とか「こういうコンセプトはどうです?」とか提案してみると「それいいね!」と反応してくれて汲み取ってくれます。こういった提案はどの職掌からもでてきますね。
菅嶋:仕様作ったりもしてますよね。そういう動きが毎月の事業部MVP*でも選ばれたりしているのでプロダクト的にも認知してくれていて、これがまた結果に繋がっていくとクリエイティブ側の意見も開発に取り込みやすくなって創り方をアップデートしていけそうな気がします。
これからどんな人に仲間になってもらいたいですか?
菅嶋:UI/UXデザイナーはハブ的な役割になることが多いので、コミュニケーションにおいて明確に気持ちを言語化できる方、人の気持ちを汲み取れる方が強いと思います。
吉田:UI/UXは自分よがりではなく、いかに客観的に見られるかなので、自分主体ではなく他の人がそれを見たときにどう思うかをまっさらな気持ちで考えられるといいのかな、と。
田中:アートはディレクションという役割が大規模化する開発の中でさらに重要度が高くなっています。そういうところだと器用貧乏な人がわりと活躍したりしますね。
間に立ってなんとなくそれぞれの気持ちや言ってることがわかるみたいな。
自身も最近まで器用貧乏なのが弱みだと思っていたのですが、アートディレクターの役割を任されてからは活かせている部分があるなと感じます。
プレイヤーとなるとなにかひとつを突き詰めてる人が活躍している印象です。そこはなんでも良くて、間をとりもってくれる人はいるし、ないものは他で補えばよいので、ここに自信がある!というものを持ってきてもらえると嬉しいです。
武井:みんなでものづくりがしたいという想いを持っている人にきてもらいたいです。
一人で創っているわけではないことを明確に理解している人。ポケラボにはそういう人が多いと思うので。
一つの記事には収まりきらないくらいたくさんのエピソードが溢れていて、その端々で互いに対するリスペクトがあり素敵な関係性が出来ているように感じました。そして、開発はもちろん大変なこともたくさんありますが、その中でも良いものをつくるために楽しんでゲーム創りに取り組んでいる様子が伝わってきたのではないでしょうか。
ポケラボでは3D関連職種・UI/UXデザイナーをはじめ新規開発を一緒に推進いただける仲間を募集しています。
少しでもポケラボに興味をもっていただいた方は、カジュアルなご相談からでも大歓迎なので、お気軽にご連絡ください!
株式会社ポケラボ 採用サイト
カジュアル面談をご希望の方はこちら