朽木姫乃

▶大学生 ▶倒錯 ▶酒と煙草と本が好き。

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脱限界大学生 ver.1.0

はじめにまさか大学生になってこんなにも自分の自堕落っぷりが露呈するとは思わなかった。ただ、飲食のアルバイトが決まったため、夏休みからは週に3~5回ほど働くことになる。そういった私生活の変化や、自堕落に嫌気がさしたため、記録と晒上げのために限界大学生の頃の記録を残しておこうと思う。 その1:規則正しい生活まずは、適切な時間に起きるということをコンスタントにできるようになる。そのためにも、夜は早く寝なければいけない。23時就寝6時起床になりたいが、オープンからのシフトだと7時か

    • 005「金魚撩乱」岡本かの子

      罪な女と魚 「大正サイコラブ」と称されるこの作品だが、「大正」も「サイコ」も「ラブ」もどれも大好きな要素だ。この作品が私に刺さらないわけがない。そんな期待を胸に読もうと思った。これも、先の004で述べた通り、私は倒錯した人たちが狂い堕ちて、おぼれていく姿を嗜好品として享受している人間なので(なんと悪趣味な!)、金魚撩乱もまた非常に甘美な毒だった。本当に良かった。甘いが度数の強いアルコール飲料を少しずつ飲むような感覚に似ていた。 はじめは、それこそ復一が真佐子を(思い込みか

      • 004「猫と庄造と二人のおんな」 谷崎潤一郎

        近代文学と一人の女学生久しぶりに谷崎を読むことができたことに、結構な幸福を感じている。というのも、私は中学生のころから谷崎が大好きで、大学に行った暁には谷崎を専攻研究にしたいと思っていたほどだったりもする。私が特に谷崎作品を愛しているのには二つ理由がある。 Ⅰ 素直すぎるほどの願望の吐露これは私が田山花袋の「蒲団」が好きなのにも通じるものではあるが、普通「若い女の使っていた布団の上に蹲りたい」なんて口が裂けても言えるわけないだろう。ましてや親しい友人であっても、人を選んで話

        • 003「異邦人」 著者:アルベール・カミュ 訳:窪田啓作

          われわれはすべて死刑囚なのだ、と彼は言った。(p148)  第一部はムルソーにとっては日常生活の延長線上に思われた。ページを捲る度に彼の思う世間への不和はどんどん色濃くなっていく。少しずれた彼らの交流は防空壕のようなものなのかもしれない。困ったことに、世間は少しでも違うと排除したくなる性質を帯びているらしい。私は排除されていた側の人間だった。中・高で感じた居心地の悪さ、馴染めなさはきっとこのせいだったのだろう。ある程度の距離を置いた今だからわかるのかもしれない。  そうい

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        脱限界大学生 ver.1.0

          002「I Love You の訳し方」 著者:望月竜馬/絵:ジュリエット スミス

          読み始めたきっかけ 私の愛する混沌、ヴィレッジヴァンガードで見つけて一目惚れしたところを、幼馴染が誕生日プレゼントに贈ってくれた。  私と彼女は虚構に対する比較的偏愛、執着がすさまじく、また我々は偏愛の名においては他者を容易に切り捨てられる部類の人間であるという所で分かりあってると思う。私と彼女の決定的な違いは、彼女は人付き合いがうまく、社会をうまく渡り歩いているが、私は正反対だ。本に関係はないので詳しくは書かない。私の心の中に大切にしまっておこう。  夏目漱石が外国人に

          002「I Love You の訳し方」 著者:望月竜馬/絵:ジュリエット スミス

          001「清華大生が見た最先端社会、中国のリアル」 著者:夏目英男

          読もうと思ったきっかけ 私の受験戦争ー予備校ブームの頃とは違った意味で今年度は戦いであったし、毎回受験は本人にとっては戦争そのものであるーも終盤に差し掛かったころ、自宅にたまたまあったので読んでみようと思った。加えて、大学での第二外国語選択を中国語にしていたのもあって、現状どんな国なのか気になったのもある。私たちは普段手にする情報は誰かのレンズを通したものであり、必ずしも真実とは限らない。その情報発信者の主義主張、信条を通して届けられるものに対して最近不安や疑問を募らせつつあ

          001「清華大生が見た最先端社会、中国のリアル」 著者:夏目英男