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ピアスとタトゥーとわたし。

わたしは昔からピアスやタトゥーといった
所謂「身体改造」というものに憧れがあった。

最初はきっと、早く大人になりたいという渇望や
自分は周囲とは違うんだとアピールしたい、という
まあ、何とも典型的厨二病的思考からだった筈だ。
だが少しずつそういった考えは成長と共に変化し
いつしか他人の目がどうのといった考えは消え去り
ピアスやタトゥーといったものに対して
「アートとしての美しさ」を感じるようになり
その強い魅力に惹かれるようになったのだった。

初めてピアスを開けたのは13歳のとき。
そのときはまだ、耳たぶに3つ。
その後高校時代に耳たぶに1つと軟骨に1つ。
そして精神科ストレスケア病棟に入院中から
少しずつピアスの数を増やしていき
最終的にわたしのピアスの数は
耳と顔面、舌を合わせ40近い数まで増えていった。

まあ勿論看護師という仕事柄、ピアスは禁止。
制服で隠れる部分である胸元にも3ヶ所開けていたがやはり着替えの際に引っ掛かってしまうことが多く
最終的に今わたしの体には舌に開けた2つのピアスと
中高生のときに開けた穴しか残っていない。

本当はそろそろまたピアスを復活させたいと
思っているところはあるのだが
中々時間が作れずピアッシングが出来ずにいる。

うーむ。もどかしい。

そして、タトゥー。
タトゥーに対してはもしかすると昔から
ピアスよりも強い魅力を感じていたかもしれない。
何故って自分の好きなデザインを、アートを
自分の体に一生消えないものとして刻めるのだ。
はじめてタトゥーと出会ったときは
「これはなんて素敵なんだろう!」と心が躍った。

だがタトゥーはピアスとは違い自分では行えない。そうなるとスタジオを探さなければいけない。
それにまず未成年はお断りだ。
またタトゥーは日本では偏見の目がとても強い。
うちの両親や親戚は世間体をとても気にするため
絶対に反対されることもわかっていた。
だからわたしはタトゥーを入れられる機会を
10代の頃から虎視眈々と狙っていた。

そしてやってきた、去年の夏。
その頃わたしは都内で一人暮らしをしていて
休みの日に家の近くの街を散歩していた。
そこでわたしはたまたま
ひとつのタトゥースタジオを見つけた。

早速家に帰ってからそのスタジオを検索してみる。
うん、中々評判も良さそうだしデザインも好みだ。
わたしはその日の内にスタジオに連絡をし
早速入れるタトゥーの打ち合わせの日程を決め
思い描くデザインに近い画像を探しまくった。

そして打ち合わせの結果、わたしは
片方は七色の羽根、片方は椿の花の蝶を
ファーストタトゥーとして入れることにした。
場所は昔の傷跡が残っていた左の太腿。
傷跡の上からタトゥーを入れてもらうという
所謂カバーアップタトゥーだ。

待ちに待った施術の日。
最初に器具やインクについての説明を受け
タトゥーを入れる場所について細かく打ち合わせ。
その後、いよいよ待ちに待った施術が始まり
途中数回休憩を挟みつつ、確か約5時間程で
わたしの汚い傷跡があった左の太腿には
綺麗な羽根と素敵な花を持った蝶が刻み込まれた。

そして蝶が彫られ、傷跡が消えたわたしの左足は
自分で言うのも本当に変な話なのだが
何だかとても甘美で妖艶な魅力を放っており
わたしはそれにとてつもなく感動してしまった。

そのとき感じた魅力は勿論未だに衰えておらず
今でも体に馴染んだ左足の蝶を見ては
「綺麗だ」と、つい見とれてしまったりする程だ。

ちなみに今日、というかつい先程まで
わたしは右の脇腹に、ふたつめのタトゥーとなる
ドリームキャッチャーを彫ってもらっていた。
(まあ、完成は少し後の4月になるのだが。)

また5月にはカノジョとのペアタトゥーを肩と足首に
そして右の大腿にコンパスを持ったウサギを
彫ってもらう予定であり、どちらも楽しみだ。

勿論タトゥーや耳以外の部位のピアスに対して
快く思う人が少なく偏見の目が強いことも
特にタトゥーなんかは今後の自分の人生において
多くのリスクを負うことになるということも
わたしはしっかりと理解している。

これを読んでくださっている人の中にも
「看護師のくせに何やってんだ」なんて風に
思う人も少なからず居るだろうと思う。
だがわたしは一度きりの人生のなかで
勿論日常生活に支障のない範囲にはなるのだが
自分がやりたいと思うことは全て経験したいのだ。
そして悔いのない人生を送りたいのだ。

だからきっとわたしはこれからも
一度きりの人生を悔いのないものにするために
自分の好奇心の赴くままに行動するのだろう。

そんなわたしの人生にはこれから
一体どんなことが待ち受けているのだろうか。
先のことは全く見えなくて、正直不安も大きいが
いつかわたしの命が消えるそのときに
幸せな人生だったと思えるのなら、それで充分だ。


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