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【後編】猫砂大紛争〜心と身体と表現

「【前編】猫砂大紛争〜心と身体と表現」は、こちら
まさかの喘息発症から、話題はお芝居の「呼吸」に……。

それからお芝居で面白いと思ったことは、身体の柔らかさによって入ってくる感情が違うこと。
早めに稽古場に入って柔軟体操するのが日課で、とにかく筋肉をほぐして、呼吸を深く吸って吐いて全身に巡らせること。
これで相手のお芝居から受けたことを柔軟に吸収して吐き出すいわゆるスポンジみたいな状態だ。

小さな音や、相手の呼吸、耳からの音楽の入り方も変わる。ちょっと敏感なお芝居の時は浅い呼吸と蝋燭を想像し体に入れておいて、あとは相手からの芝居の表情を受け取るだけ。台詞はもちろん考えるけど、できるだけ台詞にとわられたくないので、無意識でも出るくらい覚えるように何度も何度も口から発する。その時は、台詞に感情は入れず棒読み。体に思させてそれに感情を乗せるだけ。私は覚えるのがめちゃ苦手なので人の何倍もやらないとセリフが入らなかった。感情はついていくんだけど、台詞を思い出してる自分がいたらもう冷めちゃって終わっちゃう。でも終われない時は、間違えても発してみたり。
台詞おぼえ甘かったなぁって思う現場も多々ある。20代初めは芝居ができないどうしよう迷惑かけちゃうって頭でっかちで永遠にそのループだ。抜け出せずに終えた芝居が後からトラウマみたいになり引きずっていたころもあった。トラウマ抜けて力を抜いてできるようになったのも最近かもしれない。

あと戸田さんの舞台作品の曲を茂野さんが作った『VOICE』という作品なのだけど、客入れ中に流れる曲があって、20分くらい長くてひたすら海底で波に揺られている状態イメージして踊るんだけど、それが半端なく疲れるのです。
どんどん激しくなって後半はずっと飛んでるので。仮の曲でやってたんだけど、茂野さん曲が出来上がったて稽古場に持ってきた日に初見で流して踊ったんだけど、もう神経揺すぶられて、疲れていても動きが止まられないくらい、バンバン体に何かが入ってきて涙が出た。
音楽ってすごくって、耳刺激される神経感覚って見えないから、見えるものが当たり前な世界な中、耳から聞こえるだけの刺激でこんだけすごいんだから、目の見えない方の神経ってとんでもない!って思い始めたのもその時だっけか。
とにかくPMDの作品でも茂野さんの音楽からもらう情報(刺激)も多く、その体に入ったものを、小鳥子ちゃんの言葉に乗せて私の口から出ていっているわけなのです。毎回違くて面白いことが起きる。
たまにVOICEのサウンドトラック聴いて懐かしく思っている。

お芝居のやり方は人それぞれ。これやればできるってわけじゃないと思う。その人の人生で経験してきたこと感じたことが違うのだから。でもお芝居って別々で生きてきた人間同士が数ヶ月でまたは数日数時間で感じあっている解ろうとする解っちゃう。だからお芝居している人たちの生臭さというか、芝居好きっていうか人間好きなのかな〜、、ん〜〜、、愛ある感じが好きだ。みんな愛がある。

そんな泥んこに見えてめっちゃ甘いチョコレートな人たちをみていると、自分がだんだん本気の泥沼にハマっていくような感じが時たま訪れる。それのストレスが暴飲暴食につながったり、お酒で酔っ払って紛らわしたりしていた。

自分の夢や行動や金銭が合わないとき、はじめましての役者さんと飲みの場で口喧嘩なになったこともった。w  本気でやりたいならバイトなんかするなよ!と言われ、それじゃ生活費はどうすんの?誰かに迷惑かけるの?こっちも本気で必死なんだよ!って、本気なら死に物狂いで食いつけよ!って感じ。酔っ払いの22歳頃かな?w  まぁどちらも本気で必死だったんでしょうね。

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