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NHK学園夏の誌上短歌大会で佳作入選しました

『夜と霧』あがない歩く夕空は爆弾の降る街へとつづく
という嘉村詩穂名義の拙作短歌を、春日いづみ先生、栗木京子先生の御両名に佳作として採っていただきました。

ここのところ再び作歌のモチベーションが落ちていたので、励みになる結果となりました。
今後とも精進して参ります。
さらに研鑽を積むべく、できるだけより多くの短歌に触れていきたいと考えております。
まだまだ至らない部分も多く、なかなか佳作から脱することができませんが、今後はより上を目指して、さらに励んでいきたいと思います。
改めましてお礼申し上げます。
現在のところ私の短歌がまとまった形で読めるのは折本とnoteのみとなっております。

ちょこっと文芸福岡に出展する予定だった歌集の折本です。
ゴシックな雰囲気が香る療養短歌30首を収めています。
 
天上のアガパンサスよアガペーを我に給えよ病篤くなり
青薔薇の冠授けよとこしえに無数の棘は言葉となれり

療養短歌をテーマに詠んだ、短歌30首を収めた折本歌集のPDFです。 失われた恋への挽歌、過ぎ去った夏へのノスタルジーをサブテーマとし、ダークでゴシック、耽美な作風を志向しています。
世の終わり詩神は死せず海の果てきみとふたたび巡り逢うまで
AnthemはCoccoだったね沈黙を守ってふたり白百合の園

第四回笹井宏之賞落選作品50首を収めた短歌の折本です。 病める夏の日々を詠んだ、ゴシックな療養短歌を収めています。
この恋も忘れてしまう錠剤は不老長寿の薬となって
「しにたみのおさしみ」きみに告げたいの「おさしみ」としか云えないままで
ハルシャギク世界の果てをも埋め尽くし燔祭の焰を待つ初夏
ヒュプノスの恩寵のみに包まれて副作用の希死念慮来る

さよならと告げないままで夏が来て錠剤ばかり増えてゆく罰
きみといた喫茶店にも夏が来て主治医の云う恋が永続(ループ)する
愛欲も悪夢も私の業として夜中のチャイムに街は冒され
性愛を悪としてなおもの足りずアポカリプスの鐘の鳴る夜
この恋も忘れてしまう錠剤は不老長寿の薬となって

喪失と剥がれたネイルそのままで詩を書く夜に天使はいません
傾眠の副作用をむさぼって多剤投与の冬の日暮れる
ふるさとにつながらないのiPhoneも意識に直でつないでくれよ
医師に告ぐ「修道院へ行くつもり」魚群の群れに覆われた街
長崎のすべてが無となる部屋にいて虚飾の画面が告げる音声
抑鬱の日々も薬で無となるよ画面上の「お大事に」なぞり


普段は時事詠というよりも療養短歌を詠むことが多いので、若干テイストが異なるかもしれませんが、ぜひご利用いただければ幸いです。


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