幸せは独り占めしない

ぽかぽか陽気の秋晴れの今日、公園で花を見ながら歩いていたら、草むらですずめの集団をみかけた。ひなたぼっこしたり、花をツンツンつついていたり、なんとも愛らしい姿を驚かせないようにずっと見ていた。

子供の頃、毎朝家のベランダに遊びに来るスズメがかわいくて、つかまえて飼いたいって言ったら、飼ってはいけないと父に言われた気がする。うっすら覚えている記憶。

野生の鳥は法律で捕獲や飼うことを禁じられているから、というまともな理由を聞かされたのではなく、もっと大切な教えだった。
仲間と一緒に自由に飛び回る鳥を、狭いかごにいれたらすぐに死んでしまうよ、というようなことを言われた気がする。

明るくかわいらしいスズメをかごに入れたとたん、暗くてどんよりした目になり、チュンチュンとかわいく鳴かなくなってしまう、子供心にそんなイメージがわいた。

スズメを飼ってはいけない理由を、今の私ならこう答えるだろう
「スズメは幸運を運んできてくれる鳥だから、幸せを皆のところへ運んでいけるようにひとり占めしてはいけないんだよ」と。