お気に入りのものは毎日自分を喜ばせてくれる

用事を済ませてから遅い時間にスーパーの魚売り場に買い物に行ったら、閉店間際の値引きが始まったところだった。めったに食べない高級魚が半額になっている。好物というわけではないけど半額につられて買って帰った。

仕事で疲れた日には夕飯をつくる気力がなく、○○石井でよく総菜を買って帰る。週に数回は行くので食べたことがある品が多い。どれにしようか迷いながら見ていると、20％引きシールが貼られているものがあった。
「食べたことないから試しに食べてみたいし、値引きだからこれにしよう」
と20％引きにつられて買って帰った。

そんなことが続いたある日、値引きシールに目がいくようになっていることに気づいた。
「今日は何を食べようかな」でなく、
「今日は何が安いかな」で選ぼうとしている。いつのまにそんなくせがついたんだろう。

欲しいと思っていたものが値引きされていたのなら、ラッキー、お得。
欲しいとも思っていなかったものを安いから手に入れてもお得だろうか？　何を食べても胃袋は満たせるだろうけど、食べたいものを食べた方が心は満たされるだろう、きっと。

引っ越ししたばかりの部屋には、気に入った物、毎日見て嬉しくなる物を回りに置こうと思っている。
時計を買いに行ったお店で、通常価格より5割引きと値札に書かれたものがあった。
「アラーム音小さいな、でも、文字盤はまあまあ可愛いな、これでいいか」
そうじゃない！
「値段で選ぶのはやめたんだ、気に入ったものを買うんだ」
手に取った商品を棚に戻し、店を出た。
お気に入りをみつけよう。それが毎日私を喜ばせてくれるのだから。