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なぜ言い訳をしてはいけないのか

オンラインセミナーである習い事を始めた。受講当初、講師が熱く語った
「講義を聞くだけでは身に付きません。習ったことを実践してください。時間がなくて・・は言い訳です。ちょっとの時間をさくことくらいできるでしょ」
この内容の話が延々に続いた。90分のセミナーのほぼ半分の時間をかけて。
毎回、その説教を長々聞かされ、早く本題にはいってくれないかな、とよく思いながらも、受講し始めて数カ月がたった。

回をかさねるごとに「時間がなくてできなかったという言い訳はやめましょう」の話は短くなり、最近ではすっかり聞かなくなっていた。それが今日久しぶりに耳にすることになった。
セミナー冒頭で講師が明るく笑いながらこう切り出した
「ひとつ皆さんに言い訳をさせてください。今日はいつものような資料を用意していません。資料に沿って説明する方がわかりやすいのですが。というのも本業で締め切りがある案件にかかりっきりでして、資料を作る時間が取れませんでした。時間がないを言い訳にするなと皆さんに言っていたのにすみません!」と。

受講生の立場からすれば、時間とお金を使って、学びたいという熱意をもって参加している。講師は皆の熱意に応えるために全力を尽くします、と言ってくれた。実際のところ、その講師の優先順位の中でセミナーは二の次ってことだったのか。

カッコ悪いな、と思うと同時にがっかり。言い訳なんてしないでほしかった。資料がなくても工夫次第でわかりやすい伝え方はできるだろうし、そもそも資料には期待していなかったから。
「今日は資料はありませんが、実例を見ながら解説していきます」って言えば誰もいやな感じはしなかったと思う。少なくても自分たちへの講義はあとまわしにされたとは思わなかったはず。

よく「言い訳をしてはいけない」っていうけど、それはなぜかというと、言い訳は自分のためだから。聞く側にとっては何の意味もないし、不愉快なものでしかない。

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