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他人をラッキーにする方法

「またやってしまった」くすっと笑う。
駐輪場で自転車を出す時に、支払機に駐輪したレーンとは違う番号を押してしまい、赤の他人の駐輪料金を払ってしまった。これで2度目だ。

駐輪する時は3ケタのレーン番号を何度かつぶやいて記憶にとどめる。ちょっとした買い物くらいの短時間なら忘れることはないけど、半日もたてば忘れる可能性は高くなる。記憶があいまいならいったんレーンの番号を確認しにいけばいいのに、こんなところでもせっかちな性格がでて、支払機に直行してしまう。

支払機に158と入力、利用料金100円を投入。自転車をレーンから出そうとしてもロックがかかっている。??? 
その時初めて番号を間違ったことに気づく。レーン番号を見ると581だ。数字は合ってたのに、残念、と変な言い訳。

「158に駐輪したあなたに払ってあげてしまいました」と思いながら581を入力してさらに100円を支払う。

私が去った駐輪場ではその後、158に駐輪した誰かが100円払おうとして、機械に表示される支払額0円、を見て「あれ?100円得した、ラッキー!」という場面があるのだろう。

私は100円損したのか。そうとはいえない。この100円で私は誰かを「ラッキー」にしてあげたのだから。普段、人をラッキーにできることってなかなかない。

今日、2度目の番号間違え。顔も知らない他人のために100円を払ったあげた。「あ、またやっちゃった」いや
「また誰かをラッキーにしてあげちゃった」
残念なのはひとつ、
「365じゃなくて、587じゃん」
かすりもしてない。似ても似つかない。
ひとり苦笑いして、駐輪場を後にした。

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