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ファンになった体験から紐解く心を動かすブランディング

これは フェンリル デザインとテクノロジー Advent Calendar 2020 10日目の記事です。

小さなブランディング


このお店のファンになった。

と、はっきりと感じる体験をした。
先月滞在した新潟の古民家「なり」には、週に数回カフェ「明星(みょうじょう)」がやってくる。そこで何気なく食べたサバキーマカレーとホットチャイが人生で1番かもしれないくらい美味しくて衝撃的だったので、思わず店主の女の子がカフェをやる前に作ったという謎の冊子「架空のカフェ ZINE」を手にとった。

それは、自分という人間のブランドブックだった。

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2019年に作られたこの冊子の妄想店舗設計図は1年後のいま、細部まで見事に実現されていて(例えば「BGM:聞こえるか聞こえないかくらいでいいかも」とかレベルまで) 、
妄想を言語化し、周りに宣言し、軸を明確にして、着実に実現しながら生きる人間かっこいい...と、一気にファンになってしまった。
何よりも心打たれたのは、その本はとても正直でダメな部分も苦悩も全部曝け出したありのままの自分だったことだ。

ゆっくりといろんな経験を通じてやっと気づいていく私からすると、24、5歳で自分の人生の軸を持って生きてるって、そんな規模でまだ人生を捉えられてないなと頭をなぐられた思いがした。


ファンが新たなファンをつくる

佐藤尚之さん著書の「ファンベース」では、情報や商品が溢れるいま、短期施策は一過性で届きにくくなり、中長期施策であるファンベースが重要だと語られる。
売り上げの大半は20%程度の少数のファンが支えているため、いまいるファンを大切にして彼らのライフタイムバリューを上げていくことは、単発施策よりも収益の安定・成長に直結する。

ファンになってもらうためには共感・愛着・信頼が重要で、そこから熱狂・無二・応援を強めることで強固なコアファンになっていく。

コアファンになった人々は、まるで身内のように積極的にやらせやステマではないオーガニックなオススメをし、周囲の人を口説いていく。

まさにいまこうして、私が記事にしているように。

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本音と本気感

2013年ごろから企業のコミュニケーション戦略としてソーシャルグッドが叫ばれるようになった。ソーシャルグッドのキーワードはソーシャル・パーパス(社会的目的)であり、企業はこぞって「社会課題や社会に対してどう責任を果たすのか?」を謳った。
2014年には社会課題に無理やり自社のスタンスを近づけて見せたり、広告賞受賞のためだけに作られた実態の伴わないスキャム広告が問題になったことから、徐々に企業やブランドの成り立ちにまで立ち返って見つめ直し、メッセージングをし、それを本気感をもってしっかりと社会実装することが求められるようになった。

「架空のカフェ ZINE」では、「あなたが大切」をたくさんの人に伝えたい。というパーパスを掲げ、こうなりたいの夢や希望を具体的にイメージし、それを本気感を持って細部まで実現し提供している。
また、夢や希望を並べるだけではなくいまそれができていない等身大の自分、ダメな自分も認めている。

だから、応援したくなる。


価値観を明確に、今の自分に正直に

キーマカレー(プロダクトのクオリティ)に感動し、店主の生き方(ストーリー)や生きる軸(パーパス)と等身大の姿(本音)を知り、それをしっかりと実現する本気さ(社会実装)をみることで、共感し愛着が湧き応援したくなる

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ファンをつくるブランディングは世界的な企業やサービスだけの話ではなく、もっと身近でミニマムなところにあることを小さなカフェの店主さんに教えてもらった。

どうゆう時に自分の心が動き、行動につながったのか?生活の中での気づきは仕事の中でも重要なヒントになるので大事にしていきたいと思う。  


デザイン部 福原

このカフェ良いわあと思うカフェに共通するのは「わたし、大切にされている」という実感。「あなたが大切」をたくさんの人に伝えたい。そうゆう生き方をしたい。

- カフェ明星 店主 あかるい -


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