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そのままのトーンで

こころも体も、ちょっと風邪をひいている。

そんなときは無理して気どったものを書いても絶対にバレてしまうから、今日はかぎりなくゆるやかに、いつも以上によけいな力を抜いて、自分にとってのセラピーみたいな気持ちで書いてみたい。

まずはそうだな、あたたかい紅茶をいれよう。

あたためたミルクに紅茶のティーバッグを浸してさ、ロイヤルミルクティーにしよう。いつもはお砂糖も入れないけれど、今日ははちみつをいれたい気分だな。のどにもよさそうだから。

* * *

いつも仕事部屋にしている和室は日当たりが悪いから、今日はリビングにパソコンをもってゆこう。

午前中は陽がさしこんでさ、今の季節、ちょうどいいよね。ソファに座って、パソコンをひざにおいてみる。ところでラップトップって、「ひざの上」って意味だって知っていた? わたしは最初にこれ聞いたとき、なるほど、ってひとりですごく納得した。デスクトップに対してラップトップ、で小型とか軽量とか携帯性とかあらわすだなんて、うまいこというなあって。

だからこれが本来のスタイルなのさ、なんてわかったようなことを思いながら、パソコンをひざにのせて、サイドテーブル(代わりの娘用の小さな木の椅子)にのせたミルクティーをひとくち。

でもなんだか、今日は日差しもいつもよりちょっと弱々しいね。空も風邪ぎみなのかな。

じっとしているとちょっと肌寒くて、押し入れからひざかけを引っ張り出す。ソファの上であぐらをかいて、ひざかけをパサっとかけて、その上にパソコンを構える。ほうら、これで足先まで隠れた。あったかいよ。お行儀? まあよくはないけど、家では自分が楽な姿勢をしていたらいいんじゃないかね。あはは、育ちがでちゃってすみませんな。

* * *

胸のなかには、いろいろと向き合ってみたい問いがころがっている。

なにかに追われるんじゃなくて、自分が自分のために立てた問いというのは、自分がそれを考えるための時間をつくって、ひとつひとつ考えてゆくしかないんだよね。

だれかから与えられた、目の前の「しめきり」というわかりやすいものがあると、わたしたちはどうしてもそれを優先してしまうようになっているけれど。ほんとうの「しめきり」はたぶん自分の人生が終わるときでさ。

ああ今だ、なんていうときには、自分が自分のために立てた問いを、じっくりと考えてみるときというのも、たぶん必要なんだろうなあと、思ったりするよ。

* * *

紅茶が、ちょっとぬるくなってきてしまった。

飲み終えたらまたあたたかいの、入れ直そうかな。バターたっぷりのサクサククッキーがほしいけど、あいにく棚には入っていない。棚に入っている落花生せんべいでがまんしよう。

しん、とした部屋で、じっ、と自分のこころの中を探ってみる。

あたまのなかで、どこへゆくわけでもなく、ぷかぷかと漂う自分のいろんな気持ちを感じる。そろそろ向き合わなきゃいけない、いろんなこと。

いがいがした喉の違和感と体のだるさも正直にうけとめながら、またミルクティーをすする。落花生せんべいを手にとって、ひとくちかじる。

ぽりん、という音が、思いのほか存在感をもってひびいた。

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。