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エッセイはとつぜんに

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つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
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2019年11月の記事一覧

続・シェアハウスのラウンジみたいに #noteのつづけ方

続・シェアハウスのラウンジみたいに #noteのつづけ方

どうやらnoteのつづけ方に悩んでいるひとが多いらしい。

ぼんやりとだけど、ひとくちに「#noteのつづけ方」に悩むといっても、その種類はふたつあるように思う。

ひとつは、まだはじめたばかりでnoteという場所のようすがわからず、ちょっとは書いてみたけど全然読まれないし、いったいこれはどうつづけたもんか、と悩むケース。

もうひとつは、半年以上とか1年以上とか、ある程度ながいあいだnoteをつ

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まぐろキューブのキャンディ包み #夜更けのおつまみ

まぐろキューブのキャンディ包み #夜更けのおつまみ

食卓の隅に置かれた電気ポットに父が手を伸ばし、焼酎を入れたグラスにとぽぽぽ、とお湯を注ぐ。

むわりと立ち込める芋焼酎の匂い。

こどものころのわたしにとって、それはちっともいい香りではなかった。

中学生くらい、いわゆる”年頃の娘”になると、さらにお酒への嫌悪感が増してしまう。酔っ払った父が、ろれつのまわらぬ口調で何度も同じ話を繰り返すからだ。そうなると知っているから、お湯を注いでむわっ、と匂う

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赤パプリカのオイル漬け #夜更けのおつまみ

赤パプリカのオイル漬け #夜更けのおつまみ

その家を訪れたのは秋から冬へと向かうころだった。

州の中で一番寒いと聞いてはいたけれど、着いてみたら確かに寒い。前日までは別の農家で、半袖に汗だくで草むしりをしていたのが嘘のようだ。あわてて冬物のダウンを着込む。

わたしはそのとき、オーストラリアで田舎の家庭を転々としていた。家の仕事を手伝うことで食事と宿泊場所を得られるしくみを使い、長い旅をしていたのだ。

新しい家では、すでに韓国と台湾の子

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