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データアナリストとしてインパクトを出す動き方

私は、いつもSaaS企業データを使った分析ばかり発信しているので、初対面でお話しする時「ぽこしーさんはVCや財務の方だと思ってました。。」と勘違いされることがあるのですが、名乗っている通りSaaSデータアナリストですw

今回は、組織の中のデータアナリストとしてインパクトを出す動き方についてnoteに書いてみました。1万字くらいになってしまいましたが、もし何か感じてくれたデータアナリストやデータサイエンティストの方がいらっしゃいましたら、お話ししてみたいですね〜。


このnoteは何?

このnoteは、

  • データアナリストが出せるインパクトとは何か?

  • データアナリストとしてインパクトを出すためにどのような動き方をすれば良いか?

について、データアナリスト専門職だけでなく、データアナリストチームを統括するCXO・執行役員などへインタビューしたり、記事・書籍を通して、教わったことを自分なりに解釈・整理したものです。

モチベーション

データアナリストに限らず、同一組織の中で等級(≒給料)が上がると、より大きなインパクトが期待されます。
この半年くらい、私はフィードバックを受けているにも関わらず、組織から期待されているインパクトをきちんと理解しようとせず、分析テーマやアウトプットを少し変えるくらいで、自分の行動を根本的に変革させることはできませんでした。

“たまたま結果が出なかっただけ”、”たまたま見られ方が良くなかっただけ”、”聞いても「そのくらい自分で考えてください」とか言われたら嫌だな”、”変に自分のやり方を変えてグダグダになったらカッコ悪いな”といった恥ずかしいほどの慢心とプライドによって、自分の置かれてる状況から目を背けていました。

モヤモヤとする日々を過ごしていましたが、現実を受け止められるタイミングもあって「自分を見つめ直す良い機会だし、色々な人の話を聞いてみるかー」と色々な人の話を聞いているうちに、冒頭で書いた「データアナリストが出せるインパクト」「そのインパクトを出すために必要な動き方」について、少しずつ解像度が上がってきました。

今では私もデータアナリストとして、より大きなインパクトを出していきたいと思えるようになりましたし、そのために動き方も変えなければいけないと考えています。

このnoteでは、私がデータアナリストとしてのインパクトの出し方を悟っているかのような書き方になっているかもしれませんが、冒頭で書いた通り、見聞きしたことを自分なりに解釈・整理したものなので、実践できておらず仮説段階です。これから”自分はどのように行動を変えていくのか”という反省文と言っても良いでしょう。

ただ、やるべきことを明確にする方が、自分がやるべきことをよりイメージしやすくなると思い、言語化してみようと思いました。また、言語化することで、私と同じようにデータ領域でインパクトを出せずにモヤモヤ考えている人にとって、少しでも手助けになれると幸いです。

インパクトとは何か?

まず、インパクトって何でしょうか?
困った時はChatGPTに聞いてみましょう。

要するに、「インパクト」とは、他人や環境に与える強い印象や効果のことを指し、その効果が人々の心や行動に影響を与える能力を持つことを意味します。

ChatGPT

つまり、インパクトとは「人々に何かしら影響を与えて、人々の行動を変えること」のようです。

事業組織の運営におけるインパクトの位置付けを理解するために、インパクトを受ける登場人物を「社内(事業組織内にいるメンバー)」と「社外(ユーザー&ステークホルダー)」の2つに分けて、事業運営におけるインパクトの流れを超ざっくり考えると、以下のような動きが見えてきます。

  1. 情報が組織にインプットされる。※単なる現状のデータだけでなく、定性情報も含んだ市場、競合、自社状況、課題の全容、KPI、ROI、目標や進捗状況なども入る。

  2. 組織内に何かしらの考えが巻き起こる(影響を受ける)。

  3. 意思決定&アクションが実行される(行動が変わる)。

  4. 事業のアクションがユーザーや社外ステークホルダーにインプットされて影響を及ぼす。

  5. ユーザーや社外ステークホルダーが行動を起こす。

この時、1〜3については、組織と一言で言っても企業の規模が大きくなると、組織が何階層にも重なったり、様々な役割を持った組織が横に広がっていく構造を取ります。
これらの構造を図にまとめると以下のようになります。

川の水が上流から下流に向かって分岐しながら流れていくように、トップダウンで意思決定が様々な組織に分岐して伝搬し、最後にユーザーへ影響を及ぼしていくことが分かりますね。

「大きなインパクトを出す」=「多くのユーザーの行動変化量を大きくする」

企業は社会の公器という視点に立って考えると、企業は自社サービスを社会(ユーザー)により広く浸透させて、ユーザーにとってプラスのインパクトを拡大させていく活動を営んでいきます。
この社会へ与えるインパクトは、事業インパクトと読み替えても良いですが、以下のようなモデル式で表すことができると思います。

社会へ与えるインパクト(事業インパクト)
= 行動変化したユーザー数 x ユーザー行動変化量

行動変化したユーザー数は、企業活動によって何かしらの行動が変わったユーザー数を表します。例えば、web広告によって自社サービスをxx社のユーザーが認知したとか、CSのハイタッチ活動によってxx社のユーザーがサービスを一定レベル以上使いこなせるようになった、などです。

ユーザー行動変化量は、どの程度、ユーザー行動が変化したかを表します。ユーザー行動のタイプとして、「Attention(認知)」「Interest(興味・関心)」「Conversion(購入)」「Retention(継続)」「Expansion(展開)」「Share(発信・紹介)」などが挙げられますが、このようなユーザー行動のうち、何タイプの行動変容を引き起こしたかを指します。

社会へ与えるインパクトを「行動変化したユーザー数」と「ユーザー行動変化量」の大小で4つに分けると、以下のようになります。

これは個別の施策単位のインパクトではなく、組織単位の活動の結果生まれるインパクトで考えると理解しやすいと思います。

例えば、自社サービスを認知してもらうことを目的(KPIはリード数などになるでしょう)としたチームでは、web広告やSEO対策など、認知を広める施策を打つことになります。このような活動は数多くの人々に自社サービスを認知してもらうことはできますが、購入や継続といった行動変化まで引き起こすことは多くはありません。上図で右下のゾーンに入ります。

もう一つ他の例を挙げると、ごく限られた優良顧客に対してハイタッチでCS活動を行うような場合は、継続、展開、発信・紹介といった様々な行動変化を誘発させられますが、そのチームの活動を改善しても、それだけでは対象ユーザー数を広げるには限界があるでしょう。このようなチーム活動は上図の左上ゾーンに入ります。

説明が長くなりましたが、大きな事業インパクトを出すためには、多くのユーザーの行動変化量を大きくするような方向に組織活動全体を仕向けなければなりません。そして、それは事業組織で働くデータアナリストにとっても同じで、組織活動全体でインパクトを最大化するように仕向けるための情報インプットを行うことが、データアナリストとしてインパクトを大きくする動き方です。

データアナリストがインパクトを大きくする2つの戦略

“事業運営におけるインパクトの流れ”の図から、データアナリストとしてインパクトを大きくする方向性は以下の2つになります。

  1. 会社全体の方向性決めに近い親組織に直接影響を与えられるインプットを行う。

  2. 子組織それぞれに期待されるアウトカムを繋げる・集約する・展開するようなインプットを行う。

戦略1:会社全体の方向性決めに近い親組織に直接影響を与えられるインプットを行う

これは会社全体の方向性決めに近い親組織の意思決定に影響を与えることで、子組織全体のアクションが変わり、ユーザーに対しも大きなインパクトを及ぼしていく戦略です。事業戦略に関わるインプットの提供と言えます。
経営層・VP・経営企画といった事業戦略に関わりの強いメンバーと議論していく時間が多くなります。
デジタル庁でデータアナリストをしている樫田さんがnote「組織の中で起業家のように働く、新しい専門職としてのあり方を考える - データ分析職種の場合」で書いている内容に通じると思います。樫田さんのnoteでは、戦略1に繋がるタスクにはどういう特性があるのか、タイプ別に整理してくれているので、非常にイメージしやすいです。

戦略2:子組織それぞれに期待されるアウトカムを繋げる・集約する・展開するようなインプットを行う

戦略1がトップダウンでインパクトを大きくする方針であるのに対して、戦略2はボトムアップや帰納的な方向からインパクトを大きくする方針です。
組織間のインプットの差によって生じるバラバラで非効率な意思決定を統一するためにインプットを揃えます。「繋げる」「集約する」「展開する」といったキーワードが当てはまる動き方です。また、直上の親組織に属する子組織同士だけでなく、異なる親組織の子組織もスコープに入ります。

分かりやすい例を挙げると、マーケティングチームはリード数だけを追い、インサイドセールスチームは商談化数だけを追っているケースです。
マーケティングチームがリード数だけを見ていると、商談する気のないリード数が増えていき、リード数は増えるが商談化率が減少して、結果的に商談数がそこまで増えないといった事態が起きます。また、なんとか商談化しても受注に繋がらない商談が増えて、セールスコストだけが嵩んでしまうといった非効率が生まれます。
そこで、リード獲得〜商談化〜受注までのファネルで状況を分析したり、ダッシュボード化して後工程の指標をKPIとして持たせることで、組織全体として効率的なチャネルへマーケティング予算を最適化できたり、インサイドセールスもチャネルによって優先度を変えたり、案内方法を変えるなど、ユーザー別に最適なアクションを変えるきっかけになります。
このような組織をまたぐインパクトは、個々の組織のKPIだけを改善するようなデータ活用・分析だけをやっていては出せません。

また、組織間の距離が遠い組織だと、同じような活動を別々に検討・分析していたりするケースが意外と起こりますが、このような個別の取り組みを集約することで、1つのデータ活用・分析によって一石二鳥でインパクトを拡張させられる可能性もあります。

さらに、取り組みを集約することで、定義が揃い、実績を比較しやすくなったり、管理面でも効率が上がります。そして、データ活用プロセスの中で、それぞれの組織が持っている知見も共有されて、お互い解像度を高められるといったメリットもあります。

繋げたり、集約したりする以外には、ある組織での成功事例を展開してインパクトを広げていく方法があります。
予め展開できそうな範囲を把握しておき、小さく試して成功事例ができたら、当初考えていた範囲にも広げていきます。取り組みが上手くいくのか、やってみないと分からないようなケースに有効な方法です。また、成功しているという実績があるため、ムーブメントを引き起こしやすいという効果もあります。

余談

ここで、大きなインパクトを出すことを期待されつつも、どうしたら良いのか良く分からず、何となくモヤモヤ疑問に思っていたり、少し葛藤していたことに対する今時点の考えを書いてみます。
自分の思考実験的なものですので、ご興味ある方だけ読んで頂ければと思います。

余談1:データアナリストのアウトプットが意思決定やアクションに繋がらないとインパクト出せたと言えないのでは?

この問いに対する答えを、私は低い視点で捉え続けてしまったのが、反省点の一つです。

ここまで書いてきた通り、私はデータアナリストの動きやアウトプットが、組織の意思決定・アクションに結びつかないとインパクトを出せたとは言えないと考えています。私もデータアナリストの端くれとして、組織の意思決定やアクションに繋げるような動きやアウトプットを意識してきました。
しかし、注意しなければいけないのは、データアナリストのアウトプットが直接的かつ分かりやすく、短期間に結びつく意思決定やアクションには、インパクトが小さいものが多いという点です。

インパクトの大きい戦略的な意思決定には、定量的なインプットだけでなく、定性情報も含めて様々な観点からの議論が必要になり、定量的なインプットとの関連性が薄まります。また、意思決定までの期間が長くなったり、意思決定してから成果が出てくるまでに半年から1年、またはそれ以上かかることもあります。

一方、小さな組織のKPIを改善するために、ユーザー行動との相関を分析して、KPIと相関の高い行動を取るユーザー数を増やそうとするケースでは、分析アウトプットと意思決定との関連性が分かりやすく、結果も早く出やすいです。
そのため、データアナリストは意思決定・アクションに繋げやすいという理由で小さなイシューに飛びついてはいけません。

大きなイシューを創出するためには、インプット、アウトプット、議論を繰り返しながら関係者に影響を及ぼしていく動きが必要だと思います。また、データアナリストとしてのインパクトが分かりにくい場合は関係者に、どのような影響が引き起こされたのか、フィードバックをもらうのが良い気がします。

余談2:子組織単体のデータ活用でもホームラン級の成果を出せれば大きなインパクトを出したと言えるのでは?

例えば、機械学習モデルを使ったスコアリングやレコメンドモデルを導入することで、全体のARRやChurn Rateが大きく改善したなどの成果は大きなインパクトだと思います。
そのため、子組織単体のデータ活用でもホームラン級の成果を出せれば大きなインパクトを出したと言えます。
ただ大事なのは、以下2つの質問に対して「Yes」と答えられるように情報整理して、考えられていることです。

  • 対象とする子組織の課題を他の組織の状況も踏まえて解像度高く把握できているか?

  • その上で、その課題を優先的に解くべきか?

これが出来ていない状態で成果が出たとしても、”たまたま取り組んだテーマが良かった”、”実行責任者が良かった”だけと言われても仕方なく、再現性もない動き方です。

200-300人規模までの企業であれば、1つの子組織でホームラン級の成果を出したり、数多くのヒット成果を出すことで大きなインパクトを出すという方法もあり得ますが、会社全体の人数が500-600人を超えて分業化が進むと、それも難しくなってきます。
そのため、あえて狭い範囲に閉じることなく、常に組織を俯瞰し、他の組織の動きと繋げることはできないか等、アンテナを高く張っておいた方が大きなインパクトを出す確率は高まる気がします。

どんな動きが必要なのか?

データアナリストとして、インパクトを大きくする具体的な動き方としては、ユーザーや組織の課題について、”解像度を上げて、解決すべき大きなイシューを創出し、愚直にやり切る”だと思います(書籍「解像度を上げる」を読んだ直後で多分に影響を受けているというのもあるかもしれませんw)。

書籍「解像度を上げる」を読めば大きなインパクトを出せるイシューの立て方を学べるので、ある程度データ分析スキルのある方は、書かれている内容を実践するだけで大きなインパクトを出すのに十分な動き方が理解できるはずです。

以下4つの動き方は、私が実際にインタビューしたり、一緒に働いて観察した気付きから、重要かつ取り組めそうな行動を挙げました。書き出してみると、こんな当たり前で基本的なこともできていない自分対して、情けない、悔しい、恥ずかしい、惨め、といった色々な感情が湧き起こりますが、自戒を込めて書き残します。

1. 様々なメンバーと課題・解決策についてコミュニケーションし続ける

様々なメンバーと課題・解決策についてコミュニケーションを取ることで、課題に対する組織の解像度が高まり、大きなイシューが立ち、インパクトも出やすくなります。
どのようなコミュニケーションが必要なのか列挙しました。これらの「コミュニケーション」「アウトプット」「2. 組織の課題や動向の構造を整理する」をグルグル回しながら、イシューを作り出し、解決に向けて動いていくことが大きなインパクトを出すには必要だと思います。

  • CXOやVPレイヤーの人達からも積極的に仮説やフィードバックを引き出す。

    • 広い視点で会社全体を見ている人達なので、言っていることの中にインパクトの大きいイシューのヒントが隠れている可能性が高いです。ただし、全て鵜呑みにするのではなく、何か違和感があれば関係者も集めて前提となる認識を擦り合わせます。

    • 自分が取り組んでいることのアピールではなく、解像度を高めるために必要なフィードバックをもらうことに集中します。

    • 担当している/するであろう組織のメンバーと密にコミュニケーションを取り、認識を合わせたり、課題を深掘りしたり、ユーザーについて理解することは当然しなければいけません。ただし、子組織単位のメンバー間とのコミュニケーションだけだと、目の前の課題に目が行きがちになり、大きなイシューが見えにくくなる。子組織単位のメンバーとは課題を深掘ることを中心に議論した方が有意義な示唆が得られると思います。

  • アサインされているテーマや組織だけでなく、関連のありそうな組織の課題や動向について、アンテナを張っておく。

    • 組織横断的にインパクトを出せる可能性があります。

    • 今取り組もうとしているデータ活用テーマが俯瞰して見ても優先的に取り組むべきテーマなのか把握しやすくなります。

  • データ分析チームのリーダーやその上のマネージャーなどとも議論しながら、課題の解像度が十分に高まっているか確認します。

  • 対面の会話だけでなく、発信した内容(議事録や資料)を受け取る(読んでインプットする)コミュニケーションも積極的に行う。特にCXO、VP、マネージャーとは議論時間が取りにくい場合も多いので、このような行動は最低限必要。

    • 深掘りしたい点にコメントする。

    • フィードバック欲しい所を明示して、アウトプットを投げてみる。

  • コミュニケーションを取る時に大事なことは、具体的な数字や項目を全部並べて、一つ一つ丁寧に認識を揃えることです。そうすることで空中戦にならずに、建設的なコミュニケーションが取れます。

2. 組織の課題や動向の構造を整理する

色々なメンバーとコミュニケーションすると、様々な観点の事象や動向が出てきますが、それらの構造を整理することで本質的なイシューが見えてきます。
構造整理する時のヒントを列挙します。

  • 全社戦略や他組織の取り組みとの繋がりを見つけて、組織同士が協働しながら成長できる仕組みを考える

    • 例えば、マルチプロダクト戦略を掲げている企業であれば、CSチームのみがクロスセル・アップセルを追いかけるのではなく、マーケティングチームも既存ユーザーに対して、ナーチャリング活動によって、クロスセル・アップセルを促進するような仕組み化が考えられます。

    • CSチームのみで考えると、生産性を高めようとしてクロスセル・アップセルしそうなユーザーを見つける分析に留まり、グロースさせていく構造が見えにくくなるかもしれません。

  • 中長期視点と短期視点で課題の共通点を見つける

    • 目指す方向は同じだけど、中長期視点と短期視点の違いによって、打ち手が変わってくるケースがあります。この場合、中長期視点と短期視点で課題の共通点を見つけて、中長期的に回るような仕組みを考えます。

    • 例えば、売上目標といっても、Q単位なのか年単位なのかによっても打ち手が変わります。前者であればターゲットリストを作ることが打ち手かもしれませんが、後者であればセグメント開拓かもしれませんし、ロイヤルユーザーを創出していく仕組み作りになるかもしれません。

  • 巨人の肩の上にのるようにする(車輪の再発明を避ける)

    • データ活用がある程度進んでいる企業であれば、どこかの組織で似たようなデータ活用・分析をやった/やろうとした可能性が高いです。やった/やろうとしたけどイマイチ活用されていないのであれば、何が原因なのか調べることで同じ失敗を繰り返さずに済みますし、その原因を取り除くことでうまくインパクトに繋がるかもしれません。

    • また、やってない領域が見つかれば、そこにインパクトを生み出すチャンスがあるかもしれません。

  • “効率改善”だけではなく”数の増加(減少)”まで考える

    • データ分析では、スコアリングや予測などをして何かしらの確率が高いユーザーに対して施策を行い、効率化を図ることが多いため、効率改善に注目しがちですが、数の増加(減少)まで考えると新たな構造が見えてくることがあります。

    • 上の例でも、効率化だけを見るとCSチームのみを対象に考えてしまいますが、数の増加まで考えると、マーケティングチームと協働してグロースしていくサイクル構造を作ることができるかもしれません。

    • イチローも打率よりもヒット数を大切にしていると言っています。

3. データ活用によって大きなインパクトを出すことができる協力者を見つける

「人任せか!」とツッコミを受けるかもしれませんが、意外と多くの人が協力者を見つけることを重要視していました。YouTube「データドリブン社会に向けて、データ人材が持つべきマインドとは」の中で樫田さんも何に取り組むかを見極める判断材料の一つに”誰とやるか”を挙げられています。

データ活用によって大きなインパクトを出していける協力者を見つけることは、そのテーマでインパクトを創出できるだけでなく、その協力者がどのように議論を展開していくのか、どのようにデータ活用していくのか、といった動き方を学べるメリットもあります。
この協力者を能動的に見つけていく行動も再現性を持たせるために大事です。

4. インパクトが出そうになければ一旦撤退する

上記3つの動き方は、やっても損はありませんが、この4つ目の動き方は実施するリスクもあるため判断が難しいと思っています。
メリットとしては状況を整理した上で、いまひとつインパクトを出せる状況・タイミングではないことが分かったら、やり続けることで失われる未来の工数を有効に使うことができます。
一方、難易度が高そうだから、調整が面倒だから、成果が出るまで時間がかかるから、など取り組むべき課題から目を背けるための都合の良い口実に使う危険性もあるので、以下の点は守る必要があります。

  • 他にリソースを割くべきイシューを作れていること。

  • 最初に取り組むべきと考えた状況から何が変わったのか、もしくは何の認識が違っていたのかを言語化し、次に取り組もうとしているイシューについて、その点を確認しておくこと。

  • 関係者や自身のチームリーダーやマネージャーからのフィードバックも受ける。

  • そこまでいくら良い動きをしても、撤退した時点で自分がやったことは無に帰するというマインドを持つこと(良く頑張りましたの努力賞は無いと思うこと)

  • もし他のメンバーがアサインされて成果を出したとしたら、単純に自分のスキルや動き方が不足していたことを素直に認めて学ぶこと。

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも良い方向へ自分の動き方を変えるヒントになれたら幸いです。
現時点では「マインドセットが未熟」「視座が低い」と思っていても、自分の行動さえ変えればマインドセットや視座は後から付いてくるはずです。

あと、これは私が色々な人達にインタビューしたり、書籍を通じて、データアナリストとしてインパクトを出す動き方について、自分で解釈したことを整理したものです。「データアナリストは全員これを目指すべき」と言うつもりはありません。

会社から報酬をもらって働く以上、成果は求められますが、仕事で大きな成果をあげることだけが人生の幸せではありません。
私の周りにも、仕事でより大きな成果を出せそうな能力を持った人達が、家族との時間を大切にしていたり、趣味を極めていたり、それぞれ幸せの形があるのだと思います。

狭い世界のマジョリティの価値観に縛られ過ぎず、自分にとって大切にしたいこと、楽しさ、向かいたい方向性や探究したいことと仕事で期待される成果とのバランスが取れることが一番の幸せだと思います。

noteを書くにあたって参考にした書籍・記事

自分の課題に向き合える心構えができたコンテンツ

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