【正直の頭(こうべ)に神宿る】(新釈ことわざ辞典)記事版
多くの場合、貧乏神である。
(……ならまだいいけれど……《死神》?)
私は嘘をついたことがない。
── というのはもちろん、《嘘》です。
「もちろん」と書いたのは、「嘘は誰でもつく」と誰もが思っているからです。
自分がつく嘘は、深刻なものでない限りほとんど気にならないが、政治家など公的な人物が嘘をついたりすると非難する。
ただ、公的な人物ほど、苦労して得たその地位を守りたいから ── すなわち「保身」のために嘘をつく。
でも、日本の政治家がつく嘘なんて、奥さんが幼稚園の経営者におだてられてその気になったのを隠蔽する程度で、子供の嘘に毛が生えたぐらいのもの ── その程度のこと、隠すなよ、とは思いますが。
問題は、そのつまらない嘘を隠すために、あるいは暴くために、多くのエライ人が巻き込まれ、膨大なエネルギーと時間と公費が浪費されることです。
(……だけじゃなかったね……)
地球上には、国家として《嘘》をつく国(redundant)が幾つもあります。
・旅客機を誤って撃墜したのに、それは敵がやったと言い張ったり、
・商業施設をミサイル攻撃したのに、その近くの軍事施設を攻撃したと言い張ったり、
・少数民族に対する宗教的慣習の弾圧や深刻な虐待を強制収容所で組織的に行っているにも関わらず、その指摘を否定し続けていたりする。
それどころか、国家と直接間接に結びついた組織が他国企業の技術情報を盗み出したり、情報を質に金を取っても、知らぬ存ぜぬの国もあります。
また、国家元首や政治リーダー個人が、平気で他国のリーダーに《嘘》をつく国があります。
こうしたリーダーは当然、自国の国民にも平気で嘘をつき続け、反対論者を国家反逆の罪で逮捕したりしています。
こうした国家や国家リーダーはおそらく、
「嘘をつくのは、それが国益に叶うからだ」
と考えていることでしょう。
でも、そうした国の中で生きる人たち、そして、育つ子供たちは、《嘘》に対してどういう価値観を持つのでしょうか?
《真実》についての重みをどう感じるのでしょうか?
そうした国で、《行政》や《司法》に対する信頼を、国民に持ってもらうのは、不可能ではないでしょうか。
こうした国が、たとえば、官僚や警察の汚職を一掃しようとしたり、貧富の差を無くそうとするのは、それ自体、《矛盾》だと思うのです。
しかも、《平気で嘘を言う国》と《国民の自由な言論を抑圧する国》はほぼセットになっています。
── 本当のことを言ったために、逮捕され、投獄される国がある。
最新の報道では、多くの戦死者が出ている戦場に追いやられるかもしれない、そうです。
【正直の頭に宿る神】が、《貧乏神》どころか《死神》かもしれない国がある。
そして、下記の記事で引用したように、
そうした《独裁政権》とはほど遠いけれど、
民主主義国家であっても《長期政権》が続くと、権力に近い政治家や官僚は、保身から《忖度》するようになる。
それが、最近続いた《長期政権》から学んだことかもしれません。
もちろん、《長期政権》がいけないのではなく、《忖度》がいけない。
でも、《長期政権》が、必然的に長期に渡り、人事権などほとんどの権力を握り、他の人びとの生殺与奪を左右する力を持ってしまうのもまた、事実です。
このような事態を防ぐ《仕組み》を作らなければいけない、と思っています。
とはいえ、私自身は社会的にまったく無力なので、小説で表現しなければ、と……。
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