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何様のつもり?/Who does he think he is?

ロシアがウクライナの侵略を開始しました。
欧米各国は当然、激しく非難しています。
アメリカのバイデン大統領は、国際世論を無視して自分のやりたいようにふるまうロシア大統領に対して、
「プーチン大統領は《何様のつもり》で、隣国の一角を新しい国家だと宣言したのか」
と厳しく非難しました。

バイデン大統領の元の英語スピーチを調べてはいませんが、この、
《何様のつもりだ!》
という和訳の「元の英語」は、おそらく、
《Who does he think he is?》
だと思われます(《Who》は《What》かもしれない)。
なぜわかるかといえば、私はかつて、まさにこの言葉を、メールで受け取った苦い記憶があるからです。

当時、私が関係した研究チームは、ある材料が機能を発現する機構の解明を、海外の大学教授と共同で進めていました。
その過程で、日本のある大学の研究室が、少しタイプの異なる材料を作製したのを知り、我々の材料と一緒に解析するとより詳細な解明ができるかも、と考え、その研究室に材料提供を依頼しました。

結果的に有意義なデータが得られたのですが、結果を報告した途端、日本の先生が、自分たちの材料がなければわからなかったのだからと、彼ら主体で結果を発表する、と言い出しました。

そのゴタゴタの中で、海外の大学教授が、《キレて》私たちに送って来たメールの中の一文が、

《Who does he think he is?》

でした。
もちろん、ここで《he》というのは強引な主張をする日本側の大学教授です。
その字面じづらを眺め、頭の中で、
《こいつは自分を何様だと思ってるんだ?》
に和訳し、
(日本語も英語も、《思い》を吐き出す感覚は同じなんだ!)
と思ったものです。

《Who does he think he is?》

その時の経験から、こうした言われ方をする人は(言う人から見て)、

・傲慢・尊大
・価値観の押し付け
・力の誇示
・正当性の一方的主張

といったあたりのイメージなのでしょう。

米国のトランプ前大統領が、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認したプーチン大統領について、「天才だ」「愛国者だ」と称賛したそうです。

もちろん、トランプ前大統領も、

《Who does he think he is?》

と周りからひそかにそう言われ続けてきた人なのでしょう。
今は(今も)、そう言われるのが耳に入ったら、
《President of the United States》
と答えるのでしょうが……。

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ところで、日本国内の政敵の《弁舌の巧みさ》だけを取り上げて
「ヒットラーを思い起こす」
とtwitterに書いた、《卑怯な》政治家が日本にいますが、彼は、プーチンのウクライナ侵攻について、

「《ヒットラーのポーランド侵攻》を思い起こす」

と書いているんだろうか? それとも、

プーチンは彼の《政敵》じゃないから、どうでもいいのだろうか?

……たぶん、そうなんでしょうね。

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