【本棚】10月の推しは、作家・越智月子さんの作品3冊。
言葉をあつめて編む仕事をしています。
本のこと読書のこと、気軽に語り合えたら楽しいですね。編集人ジュンコさんの本棚から、今月は、最近ハマっている作家・越智月子さんの本を3冊ご紹介します。
10月の推し本
★『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』
越智月子・著/幻冬舎(2022)
亡くなった父親から家と併設するカフェを受け継いだ香良。流行りの「おうちカフェ」と思いきや、苗字が「尾内」だから「おうちカフェ」。そこに、親友の三樹子が転がり込んできて空いている部屋を使ってシェアハウスをすることに…。香良と「空家あり」の募集に集まってきた訳あり住人たちが絡む6つのお話。表紙や装画は、花森安治さん(「美し物を」暮らしの手帖社より)のイラストで本の構えがいい感じ。
★『片をつける』
越智月子・著/ポプラ社(2021)
マンションに住む独身の阿紗は、隣の部屋に住む老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになってしまう。厄介なことに巻き込まれたと思いながら、物に溢れた汚部屋を片づけていくうちに二人の間に変化が…。片づけは、身の回りの物を仕分けしていくことがセオリーだが、八重は気づく「人生で得たいちばんの収穫を見つけること」だと。片をつけること、思いきって手放すことで、見えなかったものが見えてくるし、自由になれる。我が家の片づけにも拍車がかかりそうです。
★ 『咲ク・ララ・ファミリア』
越智月子・著/幻冬舎(2016)
ある日突然、再婚をしたいと言い出した60歳を過ぎた父親の相手は22歳も年下の?!困惑する4姉妹の娘たち。家族の物語は、柊子、桐子、橙子、楓子、薫とそれぞれの視点から描かれていく。「家族ってやっかい。でも、だから家族は愛おしい」。おかしくて、切なく、温かい家族のカタチはいろいろなんだと、しみじみ思えた作品でした。サグラダファミリア的タイトルにもニヤリだし、桜色で揃えた、表紙、遊び紙(見返し)、栞付きの装丁が素敵。
↑↑↑ 越智月子さんのInstagram @ochitsuki56
★おしらせ
もっか、編集室の本棚を眺めながら、絵本の読み会や読書会を計画中。
興味ある方いらしたらお声がけください。
※ウチソト編集室 byジュンコさんの本箱 @pochijun
※個性的な本屋が集う架空のアパート「コーポむすびうた」【201号室】
※「小さくても書店マルシェ」
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