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詩の周辺

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詩に関すること、詩にしたい景色
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#現代詩

空を呼吸する

空が私を眺めている その眼差しは大きくひとつ瞬きをして 今まさに閉じようとしていた ただそ…

mk
2年前
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【詩】雨

   雨 雨の音一粒 一粒 一粒 ひと粒 粒 粒 雫は 重なり合ってリズムを刻む 耳をくすぐ…

mk
2年前
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【詩】手

   手 目を閉じる 闇夜からそっと伸びてくる やわらかく温かい手のひらが まるくなった背…

mk
2年前
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【詩】いのり

いのり 空気のさわり心地はどんなかな 九月に生まれておとめ座の予定だった 七月に生まれてか…

mk
2年前
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【詩】手紙

  手紙                       月を見ながら歩いた 空気が優しく湿っ…

mk
2年前
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【詩】その日まで

  その日まで うちのうちがわ どろどろしとるんじゃ 自分でもどうなっとるんかわからんで …

mk
2年前
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【詩】2011年3月11日

二〇一一年三月十一日 二〇一一年三月十一日  それは私のなかの小さな命が 命として この世に存在することはかなわないのだと 言われた日 言葉の断片を持ち帰って 窓の向こうに答えを探した 何の声も聞こえなかった 揺れる床のその揺れさえも私の揺れに 相殺された 命の誕生はどの瞬間にあるのだろう そしてその命と呼ばれるものが消える瞬間 何が起こるのだろう 心臓は動いているのに 大事に思って守ろうと腕を伸ばして届かない もどかしい ここにいるはずなのに たしかに存在しているはずな

【詩】八月

八月 弔うことを許されないまま三年が経つ 明らかに明けた 夜の余韻を空の端に捉えながら …

mk
2年前
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【詩】眠っていたいな

眠っていたいな 一生眠っていたいな 陽がこぼれてくる明るい森の中で ほんのりあたたかく湿っ…

mk
2年前
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