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空を呼吸する

空が私を眺めている
その眼差しは大きくひとつ瞬きをして
今まさに閉じようとしていた
ただそれだけのその一瞬に
言葉を超えて雪崩れてくる
冷たい空気を伝って
頬に触れて
間に合ったと白い息を吐く

五感のどれでもないものが揺すられる
私がここにいて
あなたが鼓動するその震え
体のうちの水のすべてが反応する
煮え立つように揺すられて
ついには昇華するだろう
大気に溶けだしてあらゆるものに混じり合う

私は空を呼吸する
瞬きひとつ待ってはくれない時間を
共有して
私はあなたに向き合っている
そのことだけが確かで事実だ
ゆっくり眠りにおちるスピードで閉じていく空に
私は輪郭を開け放した

詩集「あらゆる日も夜も」より

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