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⑥[心身を蝕む悪魔たち] 強迫性障害編

こんにちは、アフリカと子どもが大好きな19歳のハセガワトアです。

前回までは、チック症・トゥレット症候群の話を三回にわたりしてきました。

今回は、強迫性障害についてのお話をしていきます。

あまり聞き馴染みのない病名かと思いますが、ふとしたことをきっかけに誰でも発症しうる病気なのでぜひ読んでいただきたいです。

強迫性障害とは


強迫性障害と一言でいっても、その症状は人によって多種多様です。

ここに書いているのはあくまで私の症状で、一例に過ぎないのでそこはご了承ください。

まず、自分の意思とは関係なく頭に浮かんで離れなくなってしまう考えのことを強迫観念と言います。

そしてその強迫観念を自分の中で消化するために、儀式のように行う行動を強迫行為と言います。

強迫観念、強迫行為により、日常生活に支障をきたすのが強迫性障害です。

例えば、一番有名な強迫で言うと不潔恐怖というものがあります。

不潔恐怖の場合、手はものすごく汚いので洗わなければならないという強迫観念があり、その考えを払拭するために行う強迫行為が、過度な手洗いです。

強迫性障害の患者の中には、一回に三十分以上手洗いをするという方もいらっしゃいます。

私の場合、一回の手洗いは三分ほどでそこまで長くありませんでしたが、少しでも外の空気に触れたり、スマホを触ったりしたら毎回三分ほど手を洗っていたので、一日にする手洗いの回数がとても多かったです。

私の強迫


上記の不潔恐怖以外にも私は様々な強迫があります。

①確認強迫

これも割と有名かと思いますが、鍵がしまっているかや、火がきちんと消えているかなどを何度も何度も確認する強迫です。

心配性のレベルを超えて何度も何度も確認して、挙句の果てには鍵を閉めている瞬間の映像や記憶まで疑い始めます。

私の場合、提出物なども不備がないかを異常なほどに確認します。

②加害恐怖

簡潔に言うと、自分が誰かを傷つけてしまうかもしれないと過度に心配する強迫です。

例えば私の場合、自分が正気でなくなってしまったとき、自分の知らない自分が犯罪を犯すのではないか、誰かを傷つけたり殺したりするのではないか、というような恐怖が頭から離れませんでした。

そんな想像をしているので、自分は誰かを傷つける前に死ななければならないと日常的に思っていました。

③不道徳恐怖

悪い考えなどが頭に浮かんでは、そんな考えが浮かんでしまう自分は最低な人間だと自分を責めてしまう強迫です。

例えば、今万引きしたらどうなるかなと思ったとき、頭に浮かんだだけで実際には万引きをしていないのに、そんな考えが浮かぶ自分は犯罪者同然だと思ってしまい、ひたすら頭の中で懺悔します。

④縁起強迫

自分にとって不吉だと思う事柄や数字を、過剰に嫌悪し避ける強迫です。

私の場合、4と9が異常に嫌いでした。

例えば食事の際に、シュウマイなどを四個食べるというのが我慢できませんでした。

足りなくても三個で済ませるか、満腹でも五個食べるかの二択だったのです。

また、私にとっては左より右の方が正しいという謎のイメージがあって、階段などは右足から上がらないと気が済みませんでした。(ちなみに文字を書くのもお箸も左利きです)

この絶対に右足から上がるというようなこだわりはほかにもたくさんあります。

例えば、テスト前日には絶対決まったものを食べます。

大事な試験だけでなく、定期テストでもこのこだわりが発動するので、一週間続く期末試験の時とかは一週間毎日同じものを食べていたのでさすがに飽きました。

でも飽きても、食事を変えたらテストで大失敗すると信じていたので、同じものを食べるしかありませんでした。

⑤不完全恐怖

これは物事が完全な状態でないと不安になってしまう強迫です。

私の場合、テスト勉強のときによくこの強迫が出ていました。

ここから問題を出すと言われているワークなどがあると、全問正解するまで何周もするのです。

そして、一回全問正解するだけではまぐれかもしれないので、三回全問正解するまではやります。

また、テストの時に自分が眠たかったり体調が悪かったりした場合でも全問正解できるように、朝起きて三分くらいの状態でも全問正解できるかを毎回確認していました。

⑥その他

この強迫がどこに当てはまるのかが分からないので、その他として別で紹介します。

授業などの時に、一言も聞き逃してはいけないと思ってしまう強迫です。

恐らく不完全恐怖に近いものがあると思います。

私は、完全にこの強迫のせいで授業に出ることへのハードルが高くなりました。

一言でも聞き逃したら一生授業についていけなくなる、何も理解できなくなる、そう思っていたので、授業のたびに過度に緊張していました。

そのせいで、人数の少ない授業やオンライン授業でさえもパニック発作が出ていました。

他にも細かい強迫はいくつかありますが、おおまかにはこのような感じです。

強迫性障害と知ったとき


実は、強迫性障害と診断を受けたのはつい半年ほど前のことです。

それまでは、さまざまな強迫はもちろんありましたが、それによって引き起こされるパニック発作やチックなどの対症療法を行っていたので、それらの原因ともなっていた強迫性障害のことは知りませんでした。

しかし、引っ越しをきっかけに転院した先の病院で、私は初めて強迫性障害を知り、向き合うことになりました。

初診の段階でこの病名を聞き、先生の勧めもあり自分でも本を読んで調べてみました。

すると、びっくりするくらい自分のことが書いてありました。

自分の馬鹿らしくかつ真剣な悩みたちの原因をやっと知ることができたのです。

また、本で、強迫性障害の合併症としてパニック症チック症・トゥレット症候群うつ病などがあることも知りました。

ということは、強迫性障害が改善したら、もしかしたら他の症状も良くなるかもしれない、そう希望をもてた瞬間でした。

いつもなら、最後に強迫性障害被害者の皆様に偉そうに色々書くところですが、今回は自分自身そこまで改善しているわけではなく、何も偉そうに書けることがないのでこの辺で終わります。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回の投稿も読んでいただけたら嬉しいです。







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