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10秒で読める小説

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100作書けたので、次の目標は150作!ってことでボチボチ書いていきます。
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#ホラー

【10秒で読める小説】懐かしい味

【10秒で読める小説】懐かしい味

僕は日本で人気カレー店を営む、インド人だ。

「ここのカレーは本場の味なのに、なぜか懐かしいんだよな」
客はみな、不思議そうに言う。

「アリガトウ、ゴユックリ」
と笑顔で言い、僕は厨房に戻った。

日本人である僕の妻が、仕込み用の鍋をかき混ぜながら呟く。
「肉じゃがをリメイクしたカレーが、こんなに流行るとはね」

【10秒で読める小説】気味の悪い道

【10秒で読める小説】気味の悪い道

凍えるような朝でした。
布団が恋しくて家を出るのが遅くなった私は、高校まで近道で行く事にしました。
墓地の横の気味の悪い道です。
足元からゾッとする冷気が立ち昇ってくるような気がします。
私は悪寒が止まりません。
駆け足で通り過ぎました。

学校に着いて大変な事に気づきました。
靴下をはき忘れていたのです。

【10秒で読める小説】つかれ

【10秒で読める小説】つかれ

久々に会った友人は、元気がなかった。
「つかれてるみたいで、よく寝れないんだ」
クマが出来た顔で呟く。

「あー疲れ過ぎると、寝れないっていうけど、どうしてなんだろうね」
僕は首を捻った。

「そりゃ、夜中に誰かが体に乗ったり、うめき声が聞こえてくるからね」
「あー憑かれてる方か…」