ちょっこりひょうきん島第3回公演「法王庁の避妊法」に脚色、演出として参加します。

外部演出のお知らせです。

1994年に初演が上演された、飯島早苗、鈴木裕美作「法王庁の避妊法」を、一宮周平が脚色、演出いたします。

法王庁の避妊法(ほうおうちょうのひにんほう)は、1986年篠田達明作の小説(初出『別册文藝春秋』第177号)である。篠田『法王庁の避妊法』(文藝春秋、1991)に収録されている。1989年にテレビドラマ化され、これを原作に1994年に飯島早苗・鈴木裕美によって戯曲化し、自転車キンクリートによって初演された。
(Wikipediaより)

その後何十回も、様々な団体によって上演されている作品です。
なかなかインパクトのあるタイトルですが、宗教の話とか、禁忌の話とか、そういった類のものではありません。新潟で働く産婦人科医、荻野久作さんのお話です。「オギノ式」と聞くと、ピンとくる方もいるかもしれません。簡単に言うと、月経周期と排卵との関係を明らかにした方のお話です。

今でこそ、月経、生理、という言葉が男性にも馴染みがあるくらいには口にしやすくもなってきましたが、描かれる時代は大正から昭和初期。性に関することを口にすることは憚られるような時代でした。月経についても、当然今のような生理用品などもなく、いつ頃排卵が起きているのかも分からず、まだまだ分からないことだらけでした。不妊や多産に悩む女性、夫婦も多かったようです。堕胎という行為や技術も、当然今とは比較にもならないことでしょう。

そんな時代に、月経周期と排卵との関係を研究し続け(しかも産婦人科医としての仕事をこなしながら)、論文を発表したのが、荻野久作さんです。

この作品を上演する話をいただいた昨年末以降、女性について考えている日々を送っています。注意深く目を向けてみると気づくことや、想像してみると胸が苦しくなるようなこともたくさんあります。社会に対しての疑問もたくさん感じます。当たり前のことなはずなのに、当たり前に受け入れてもらえないことがたくさんあるのだと思いました。今私ができることなど、大してないのかもしれませんが、せめてこの作品を通して、精一杯寄り添うことができたらいいなと思っています。

私は男ですので、当然月経を経験したこともないし、今後出産を経験することもありません。実感をもって理解することなど、不可能なのだと思います。でも、だからこそ、精一杯寄り添うことができます。想像することができます。

難しい話ではありません。女性の身体に、当たり前に起きていることです。世の人々が、もう少しだけ、生理というものに寄り添うことができたなら、そんなことを願って、日々稽古をしています。ぜひ、荻野久作さんと、その周りの人々の生活に触れてみてください。

劇場にて、お待ちしております。

一宮周平


ちょっこりひょうきん島 第3回公演
『法王庁の避妊法』

作 飯島早苗 / 鈴木裕美
脚色・演出 一宮周平(PANCETTA)

【出演】
玉置祐也(演劇集団円)
中武億人
堀之内良太(劇団水中ランナー)
髙宮千尋(俳優座)
及川詩乃(劇団5454)
赤松怜音
竹井京子

【日程】
2024年5月
8日(水)19:00
9日(木)19:00
10日(金)14:00/19:00
11日(土)13:00/18:00
12日(日)14:00
※受付開始・開場は開演30分前から。

【劇場】
下北沢OFF・OFFシアター
東京都世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F
Tel 03-3424-3755

【チケット】
全席指定
前売り:4,500円
当日:5,000円
U22:3,000円
ご予約はこちら

【スタッフ】
音響 岡村崇梓
照明プランニング 宮崎晶代
照明オペレーション 沖野沙弥(ヘリウムスリー)
舞台美術 里森恵
舞台監督 如月せいいちろー(ウラダイコク)
イラスト 茉衣子
宣伝美術 梅原由佳
企画・制作 竹井京子(Heats & Souls)
制作協力 平田愛奈、阿部藍子
主催 Heats & Souls

協力 演劇集団円/株式会社オフィスマハロ/俳優座/劇団5454/PANCETTA/Mensoul流/有限会社ニュース

問い合わせ ainoyado2021@gmail.com

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