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早川沙織からの手紙

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2024年の春。 楠将樹(くすのき・まさき)の通う高校に、早川沙織(はやかわ・さおり)が転校してくる。 沙織は、艶のある黒髪をした美少女だった。 初対面にもかかわらず、なぜか突っ…
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記事一覧

早川沙織からの手紙 #21

ぼくは、それを一番おそれている5  数学の小テストで勝負することになったのは、夏期講習の…

ブルー
2週間前
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早川沙織からの手紙 #20

ぼくは、それを一番おそれている4  駅前にある、大手予備校に下見に行った。  10階建て…

ブルー
2週間前
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早川沙織からの手紙 #19

ぼくは、それを一番おそれている3  日が変われば、沙織の機嫌が直ると思ったのは、ぼくの甘…

ブルー
2週間前
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早川沙織からの手紙 #18

ぼくは、それを一番おそれている2  女子のダンス動画を撮るから手伝ってくれとヨシオにいわ…

ブルー
2週間前
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早川沙織からの手紙 #17

ぼくは、それを一番おそれている1  昼休憩のヤガミ少尉の部屋で、ぼくらは音楽を聴いていた…

ブルー
2週間前
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早川沙織からの手紙 #16

沙織ふたたび4  カフェを出ても、沙織とナオミは、空白の時間を取り戻すみたいにしゃべりっ…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #15

沙織ふたたび3  土曜日の昼下がり、センター街の時計広場に到着すると、すでに沙織の姿があった。  薄い青のシックなワンピースで、頭にはカチューシャをして、いいとこの女子大生みたいな格好をしてた。女子はほとんどそうだけど、私服姿だと制服とちがっておとなっぽく見える。 「もしかしてまった?」  ぼくは、鉄塔がねじれたような時計塔で時間を確認した。待ち合わせの時間まで10分ある。 「私もいまきたところよ」  沙織は、ぼくの服装をチェックするように眺める。 「楠くんは、服装とかあん

早川沙織からの手紙 #14

沙織ふたたび2  翌日、沙織はケロッとしてた。  ヤガミ少尉の部屋で、肘掛け付きの木製の…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #13

沙織ふたたび1  廊下で、沙織が木嶋と親しそうにしゃべっているのを見かけた。  ぼくは、…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #12

水晶の柱2  昼休憩になると、ぼくと沙織は中庭で待ち合わせて、図書館の2階にある特別閲覧…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #11

水晶の柱1  いつものように目を覚ますと、ぼくは濃密な暗闇に囲まれていた。辺りは、深い海…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #10

沙織3 「あの日、先輩と待ち合わせをしてたの。神社のまえで」 「へー」 「先輩に事情を説明…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #9

沙織2  フードコートは、学校帰りの学生たちで半分ほど埋まっていた。  ぼくらの高校の制…

ブルー
1か月前
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早川沙織からの手紙 #8

沙織1  HRが終わって、教室でのんびりしていると、メッセージが届いた。  めずらしく沙織からだった。 『まだ教室?』 『さっきHRが終わったとこ』 『一緒に帰らない? 校門にいるから1分以内に来て』  沙織が誘ってくるなんて、はじめてのことだ。  ぼくは、荷物をまとめて、ダッシュで教室を出た。  廊下で、トイレから戻ってきたヨシオとすれちがう。 「おい、バッティングセンターに行くんじゃないのか」 「わりぃ、中止。いまからデートなんだ」  ぼくは、ヨシオのケツにスクールバッ