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木×革の名刺入れ

僕が去年から作り始めた名刺入れです。
おかげさまで、地味に注文いただいています。

作った動機は至ってシンプル。
独立してまず必要になったのが、「名刺入れ」だったからです。
今回はこの名刺入れについて紹介します。

「木が好きすぎる」から作った

元々、木がめちゃくちゃ好きなんですよね。
身の回りにある「あらゆるもの」を「木」で作りたい。
そのくらい木が好きです。
ですが、木って、いろいろ制限があるんですよ。

まず、固い。
そして、薄くすると強度がでない。

なので、名刺入れを木で作ろうと思ったら、
「厚くて、ゴツくて、固くて、四角い」
みたいになりがちなんですよね。
なんか、車が連想されそうなワードですね。
いや、もちろんスタイリッシュでかっこいいの作っている人も大勢いるんですよ。
クラフトイベントとか行けば、いろんな人がおしゃれなの作ってます。

ですが、
木の名刺入れを持っている方がいたら分かると思うんですが、
全然枚数が入らないんですよ。
MAX10枚とか。
名刺入れは薄い方がスタイリッシュなので、
木で作ろうとしたら、木の厚みがどうしてもあるので、
名刺を入れる枚数が少なくなりがちなんですよ。
これは、正直、僕からしたら少ないんですよね。

そして、僕が名刺入れに求める条件の一つが、
「仕切り必須」
なんですよ。
木の名刺入れで「仕切り」がある名刺入れを僕は見たことがないです。
仕切りが欲しい理由は
「もらった名刺」と「自分の名刺」を分けたいから。
だから仕切りが必要なんです。

ということで、僕の求める木の名刺入れが世の中にはなさそうだったので、
自分で作ろうと思ったわけです。


機能性の高い木の名刺入れを作る

僕の求める機能性はすでに述べたように

「収納枚数」と「仕切り」

これに尽きます。
収納枚数については厚手の名刺が30枚程度収まれば問題ないかなと思っています。
自分の名刺を作る段階になって初めて知ったんですよ。
名刺にも、いろんな紙の種類があって
テクスチャの違いや、つやありかマットかとか。
そして、厚み。
自分は、作っているものが高価なものなので、
名刺は絶対安っぽさを出したくなかったです。
なので、厚手のものにしました。

もう、この時点で、
木だけを使って名刺入れを作った場合、
相当ゴツイ見た目になることが容易に想像できます。
機能的には革の名刺入れの方がいいんじゃないか?
と考え直しました。

そこで、僕は、3年前くらいから地味に作り始めていた
「木×革シリーズ」の新しいラインナップにぴったりじゃないか!
と気づいたんです。

木と革を組み合わせた作品はこれまでに、

ショルダーバッグ
小銭入れ
眼鏡ケース
と作ってきました。

「木×革シリーズ」のいい点は、
両方の素材のいいとこどりをできるところです。
木の硬さが必要な部分
革の柔軟性が必要な部分
適材適所で使うことで
機能性とデザイン性を両立したものをだんだん作れるようになってきました。
3年くらい地味に試行錯誤していたわけです。
主に木の部分に関してです。
前述のとおり、薄くすると強度が出ないんですよ。
木って薄くすると割れちゃうんですよ。
しかし、いろいろと研究して、
1mmから2mm程度まで薄く、しかも十分な強度のある板(シート?)をつくることができるようになりました。

ということで、
木の表情を出しつつ、革の名刺入れのような収納力のある名刺入れを作る方向性が決まりました。

次に仕切りをどうしようか考えました。
そしたら、最近、
蛇腹というかアコーディオンタイプのカード入れを見て、
それがすごく使いやすそうだったんです。
一枚ずつ入れて、広げて見やすいし、取り出しやすい。
なので、それを採用しようかと思って、
スケッチしていたんです。

でも、途中で
「アコーディオンできっちり仕切らなくても、深めのマチあればいいんじゃね?」
と思いまして、
マチを仕切りにしてしまおうというデザインに変更しました。
その方が縫う部分が少なくなるので。

そして出来上がったのがこちらになります。

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僕がやりたいこと盛りだくさんの名刺入れになりました。
木、革、象嵌、漆
全部、詰め込めるだけ詰め込みました。

最初に作ったやつなので、いろいろと課題はあります。が、基本のデザインは今も変わっていません。
こうして僕の名刺入れが出来上がったのでした。

木と革の名刺入れ

それでは、最新の名刺入れをご紹介します。

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ナラ×イタリアンレザー(黒)

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アメリカンブラックチェリー×イタリアンレザー(茶)

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木と革を一緒に縫い合わせています。全て手縫いです。断面はきれいに磨いています。

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収納力は厚手名刺30枚。マチで2部屋に仕切る構造。

アメリカンチェリーの木目が美しい。。。
光沢のある斑がこんなにびっしりと出ているアメリカンチェリーは珍しいんですよ。

在庫について

商品の在庫はオフィシャルウェブストアにてご確認いただけます。
またはnoteのストアページにてご確認いただけます。


パターンオーダー

名刺入れは木と革の種類を選んでいただくパターンオーダーも受け付けています。

取扱樹種
ウォールナット
アメリカンブラックチェリー
ナラ
ホワイトアッシュ
など
在庫状況によって変わります。

取扱レザー(タンニン鞣しイタリアンレザー)

茶色
オリーブ
など
在庫状況によって変わります。

自宅兼作業場(長野県箕輪町)に来ていただければ、
木のサンプルと革のサンプルを手に取りながら選んでいただけます。

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ご注文数・ご相談・お問い合わせはメールか、instagram、TwitterのDMにてご連絡ください。
メールアドレス:plylistkoguchi@gmail.com

【2021年1月5日 追記】

名刺入れの制作風景を動画にしてみました。
一つ一つ手作業で作っているので時間がかかるということがわかっていただけるかと思います。
前編・後編の動画です。焚火動画みたいなやつだと思って、ぼーっと見てください。

【以上ここまで追記】

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