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『赴くままに気ままに』

破れたネットから

這い出る人たち

立入禁止区域は既になく

ガラガラと手押し車を押して

素っ気なく通り過ぎていく

ルールはもはやルールではなくなり

誰も何も言わなくなり

注意書きの貼り紙すら捨て去られて

自らの信念を貫き通すかのように

黙々と好きな方向へと向かっていく

支配されない世界へ逃れようとして

滝壺に流れ込む水の如く次から次へと

仲間意識が芽生え声を掛け合う同志たち

和気藹々と見えてもどことなくぎこちなく

ライバル同士の火花がバチバチと散って

遠巻きの連中は、落ち着きがなく

秋の長閑な景色の一部と化して

忘れ去られていく


這い出ることに躊躇せず

己の欲望のままに生きる術を身につけ

やりたいようにやっている

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