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大人の発達障害で受診した記録#2検査結果

前回までの話

長年「普通」とは違う自分に
生きづらさを感じていた私。
「発達障害グレーゾーン」だと思ってきましたが
知人に紹介された病院で、きちんと検査を受けることに。
初診から検査までについて前回の記事で書きました。

実際に受けた検査は以下
 ●質問紙検査4つ
 ・AQ(自閉傾向に関する検査)
 ・A・ASD(自閉症スペクトラム障害<ASD>に関する検査)
 ・A・ADHD(注意欠陥・多動性障害<ADHD>に関する検査)
 ・TEG(エゴグラム。性格テストと言われたりする)
 ●ロールシャッハテスト
 ●WAIS-IV
今回はそれらの検査結果についてです。
長くなりますので、関心のある部分だけでもどうぞ。
(専門家ではないので、説明に間違いがあるかもしれません。
 なるべく気をつけますが、その点ご容赦ください)

質問紙検査

●AQ(自閉傾向に関する検査)

自閉症にみられるような自閉の傾向を調べる質問紙。
基準点(CP:カットオフポイント)に達しているかどうかで
当人の傾向が病理的であるかどうかを判定します。
下位の検査項目として以下の5つがあります。
 ・社会的スキル
 ・注意の切り替え
 ・細部への関心
 ・コミュニケーション
 ・想像力
「細部への関心」以外の下位項目には
それぞれにも基準点が存在します。

私の結果は、基準点を下回り
病理水準の自閉傾向はない ということでした。
ただし、下位項目のうち「注意の切り替え」のみ
基準点に達しており、その点での苦手さはある 

推察されるということです。

●A・ASD(自閉症スペクトラム障害<ASD>に関する検査)

同じく、基準点に達しているかで
当人のASD傾向が病理的であるかどうかを判定する質問紙。
下位項目・基準として、2次障害得点があります。
(その傾向によって鬱など他の病気・障害に繋がっている可能性)

私の結果は、基準点を上回り
自閉症スペクトラム障害 域に分類されるという結果でした。
また、2次障害については基準点を下回り
問題なしという結果でした。

●A・ADHD(注意欠陥・多動性障害<ADHD>に関する検査)

同じく、基準点に達しているかで
当人のADHD傾向が病理的であるかどうかを判定する質問紙。
下位項目・基準として
ADD(注意欠陥障害)得点、ADHD(注意欠陥・多動性障害)得点、
2次障害得点があります。

私の結果は、全体としても下位項目としても基準点を下回り
病理水準のADHD傾向はない という結果でした。

●TEG(エゴグラム。性格テストと言われたりする)

最後に性格をはかるTEG検査。
以下の5つの項目で、性格特性について検査をします。
 CP(Critical Parent;批判的親)
 NP(Nurturing Parent;養育的親)
 A(Adult;大人の自分)
 FC(Free Child;自由な子ども)
 AC(Adapted Child;順応した子ども)

私の結果は、
A(大人の自分)とFC(自由な子ども)が高位で
その他が平均的。極端な高低はない
という結果でした。
理性的・論理的でありかつ、感情や欲求を自由に表出する傾向が高い
ということでした。

これに関して、
問診で見えてきた幼少期の虐待の様子などからは
大人に対して従順でありつつ(AC:順応した子ども が高いはず)、
自己や他者に対して抑圧的である(CP:批判的親 が高いはず)
傾向が見て取れるため、
実際の性格を、意識的に変えようと努力している
と推察されるそうです。

〇質問紙検査まとめ
・病理的な自閉傾向はないが、「注意の切り替え」は苦手。
・「自閉症スペクトラム障害」域に分類される。
・病理的なADHD傾向はない。
・性格は、理性的・論理的でありかつ、感情や欲求を自由に表出する傾向。しかし、それは実際の従順かつ抑圧的な性格を、意識的に変えようと努力した結果。

ロールシャッハテスト・結果

こちらはなかなか説明が難しい検査です……。
インクを垂らして紙を折ってできた無造作な絵・模様から
連想するものごととその理由を答え、
そこで出てくる無意識から認知の特性や深層心理を分析します。
実際には、心理士さんが1枚1枚見せてくださる絵を見て、
連想するものごととその理由を答えていきました。
結果を読んでいただくと、少しイメージが湧くかもしれません。
以下、結果を心理士さんがまとめてくださった文章から抜粋です。
驚くほど、まさに自分のことであると思わされる結果でした。

回答数=反応数といい、総反応数が多く、
その内容やそう判断した理由のバリエーションも多いという。
エネルギーの高さや興味関心の幅、認知的な柔軟性が高い という結果。

その一方、
形態や細部から判断することが苦手で、全体を見て判断する傾向が強い。
この結果は、野心的であり、要求水準が高い とも言われるそうだ。
また、刺激が多かったり変化に富んだ状況のなかで、
物事を現実的に見て判断する能力が低い
という結果。

色彩の多いカードにおいては、形態を見ておらず、認識レベルが低下。
ただ、色彩の多い世界について、感想で「あこがれ」と発言したことから
そこには葛藤があるだろうと。
基本的には現実的に見ようと意識をする一方で、
刺激に対して内的に揺さぶられやすい面がある と推察されるとのこと。

図版から、人間の動きよりも無生物の動きをイメージする傾向が強く、
対人関係において、想像性や共感性と比べて、
内的な欲求不満やエネルギー、緊張が強い傾向がある

と推察されるとのこと。

「母親カード」と言われ、通常あたたかいイメージをもつ図版から、
冷たい「金属」というイメージをもったことから、
愛着的な問題が予想される とのこと。

〇ロールシャッハテスト結果まとめ
・エネルギーの高さや興味関心の幅、認知的な柔軟性が高い。
・野心的であり、要求水準が高い。
・刺激が多かったり変化に富んだ状況のなかで、物事を現実的に見て判断する能力が低い。刺激に対して内的に揺さぶられやすい面がある。
・対人関係において、想像性や共感性と比べて、内的な欲求不満やエネルギー、緊張が強い傾向がある。愛着的な問題が予想される。

WAIS-IV・結果

WAIS-IVとは、小児用知能検査「ウェクスラー式知能検査」の
成人用、「WAIS(ウェイス)」の第4版を指します。
青年および成人の知能を測定するための個別式の臨床検査です。
発達障害のある方の現在の発達・知能の水準や
凸凹の様子をとらえるために用いられます。

結果は全検査IQとともに、以下の下位検査の得点が算出されます。
 ・言語理解
 ・知覚推理
 ・ワーキングメモリー
 ・処理速度
全検査、また下位検査の得点そのものの水準もですが、
その凸凹の様子も大切な結果として分析されます。

私の結果は以下の通りです。
  項目  :合成得点(検査誤差範囲)・WAIS上の分類
 ・全検査IQ:128(123-131)・高い~非常に高い
 ・言語理解:106(100-111)・平均~平均の上
 ・知覚推理:140(131-143)・非常に高い
 ・ワーキングメモリー:119(112-124)・平均の上~高い
 ・処理速度:127(117-131)・平均の上~非常に高い


「知覚推理」が突出して高く、
非言語による推理力・思考力、視空間認知などは強みである とのこと。
一方で、「言語理解」は平均ではあるが、
他の項目との間に有意な差が見られ、得手不得手がある とのこと。
感想で「言葉という抽象的なものが苦手」と述べた通りの結果か。

今後について

すべての検査を終えて
質問紙検査の結果として、以下のことがわかりました。
・自閉症スペクトラム障害 である
・本来の性格・傾向を変える意識的な努力をしている


またロールシャッハテストでは以下のことが
・刺激による現実認識のブレや難しさがある
・対人関係で内的な欲求不満や緊張があり、その背景に愛着的な問題がある


WAIS知能検査では
・非言語による推理力・思考力、視空間認知などの強みがある
・一方で、言語などに含まれる抽象性は苦手という得手不得手がある
ということがわかりました。

検査結果を踏まえた問診では、
生活に支障をきたすほどの発達障害であるとは診断されませんでした。
受診の期間が短かった(約3か月)こともあると思います。
(精神障害者保健福祉手帳の取得のための診断には、
最低半年間の継続的な通院が必要
です)

知人からおすすめされた病院であったため、
遠方でしたが3か月検査に通い続けました。
ここからは、場所を自宅に近い病院に移して、
カウンセリングなどを受けながら、ゆっくりと
自身の対人関係や過去のトラウマ・愛着の問題などと
向き合っていこうと思います。

(次の記事に続く)


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