見出し画像

生き馬の目を抜くヨガインストラクター世界の大型ネズミ講の罠

ヨガイントラに告ぐ。まず最初に言っておく。

ヨガを教える立場ならガッツリと費用を頂け。「ヨガでの経済活動を否定しません」とか言いながら、ZOOMだろうが何だろうが、1クラス2,000円以下とかでヨガを教えるのはやめろ。

ヨガに失礼じゃないか。君の伝えていることは、そんなに安っぽいモノなのか。

まぁ、それはさておき…

昔々大昔、ヨガのクラスにはもともと「1クラス75分程度3,000円」という黄金律があった。アメリカだろうとヨーロッパだろうと日本だろうと、不思議とこの価格だった。

ところが今はどうだ、何ということだろう「ヨガ=安い=ひとり500円」って…何だそれ。

原因はヨガインストラクター側にある。

◾自分の敵は自分自身だったりする

それはインストラクター本人が、集客が大変だから…とか、自分がまだ自信がないから…などという理由で、公民館やアチコチで「ワンコインヨガ」なんてものを繰り広げたからだ。

覚えやすかったのか、これにより多くの人の頭の中に「ヨガはワンコイン」というのが刷り込まれてしまった。

そもそも。自信がないなら金を取るな。無料でやればよろしい。

「自分はイントラとして不完全だ」と思うなら、資格を取得したときと同じことで、自分でお金を出してクラスを開催し、皆様に協力を仰ぐが良い。

イントラの「自信ないけどせっかく資格とったし、場所代くらい、まかなえるといいなハァト」とかいう、私に言わすとクソ残念な考えが「ワンコインヨガ」とかいうものを産んだ。

女の敵は女という言葉があるように、イントラの敵はイントラなのだ。

そしてその弱気やクソ残念なココロを生んでいるのは、他ならぬ自分自身であり、ヨガクラスを開催するということは、そこへの成長を問われてるとも言える。

◾恐ろしいヨガ型大型ネズミ講の罠

しかしイントラ側にも仕方がない事情…というよりも、恐るべき現実が横たわってるからというのもある。

それは毎月毎月、日本だけでみても何百人という人が「ヨガインストラクター」という肩書を持って、世の中に出るようになっていたということだ。

つまり「スタジオのヨガクラスを担当する」…簡単に言えば就職先が奪い合いになったのだ。なんでこんなことになったのかといえば、養成講座がやたらと増えたからだ。

Aヨガスタジオにもインストラクター養成講座、Bスタジオにもインストラクター養成講座、Cスタジオにも…。

終いには、ヨガスタジオのクラスで石を投げればヨガインストラクターに当たるってくらい。…もう何も言うまい。

つまり、ヨガスタジオにも問題がある。

ヨガスタジオ側が場所の賃貸費用のアテにしたものが「インストラクター養成講座」のアガリなのだ。そりゃそうだ。

養成講座の費用から考えれば、養成講座の人数分だけヨガスタジオの賃貸費用が払えるところも多い。いやいや、場合によっては収入のほとんどがむしろコレ…というスタジオも多いのではないだろうか。

その資格の大台を担っていたのがなんちゃらアライアンスだ。

そしてなんということか、なんちゃらアライアンスにも、実は問題がある。

当初、なんちゃらアライアンスは怪我をさせたりテキトーな知識で進むイントラ業界をまとめ、「より良いヨガインストラクター」を生むために立ち上げられた。

そして運営の中で、実際にその肩書を名乗るためにはその協会に登録する必要を設けた。

しかし時間が経つに連れわかった結果は、なんちゃらアライアンスが思っているほど、インストラクターがアライアンスに登録を行わなかったのである。

そりゃそうだ。

高い登録費用の割には、何かあったときに保護してくれるわけでも、仕事を斡旋してくれるわけでもない。ネット上にペロンと名前が載るだけだからだ。

そこでなんちゃらアライアンスは考えた。むしろ資格を発行するスタジオから金を取れば良いと。

つまり「なんちゃらアライアンスの資格が取れますよ」と謳うのなら金よこせ、というヤツである。

そこで「この養成講座はなんちゃらアライアンスの規定を満たしてますよ」という紙切れが提出され、一定の条件が紙上にみえていれば、その肩書をスタジオにバンバン渡して金を取ることにした。

もうお気づきだろうか。ネズミ講である。

大多数の下っ端…つまりインストラクターのタマゴが上…ヨガスタジオに上納金を払い、その中堅を担うヨガスタジオが、さらなる上のなんちゃらアライアンスに上納金を収める。

あぁ恐ろしい恐ろしい。

「資格ビジネス」という言葉があるくらい、資格発行はビジネスを生み出す。つまりこうしたネズミ講スタイルで儲けを作り出すシステムなのだ。

◾ネズミ講で作られた哀れな末端会員

そうこうしているウチにホットヨガ時代に突入。「1ヶ月2,980円受け放題」の文字がアチコチで見かけるようになり、ヨガは低価格競争の様子を見せ始めた。

ネズミ講スタイルで生み出されていく数多のヨガインストラクターを採用し、酷使し、使い捨てに出来る「都合の良い場所」が作られてしまったのだ。

ネズミ講の世界では、旨い汁を吸うこともできず、ボロボロになるまで使い捨てになるのは、結局、末端の会員なのだ。

ホットヨガや岩盤ヨガに通ったことがある人ならうっすら気づいているかもしれないが、あれは何分もやるものではない。

イントラはそれを何分もやり続けなければならない。つまり身体を壊す。しんどくて辞めると言ったら、そうですか、オホホご自由に、次のイントラもいますから…の世界なのである。

そうしてスタジオを辞めて、ヨガインストラクターがなんとか個人で自己開催クラスを…と思うと、冒頭の「ワンコインヨガ」の罠が待っている。

それではダメなのだ。

商品価格を下げると、消費者にとってはプラスになり確かに人が集まるから、それで良いように見えるが…

大問題は、最終的に「商品そのものの価値が低下してしまう」ということだ。

マクドナルドや牛丼チェーンを見ればわかる。低価格競争となり集客を競い合った結果、内部が破綻したり、収益が低下し、最終的には業界全体が疲弊するということになった。

◾立て直しを図ることは出来るか

すでにヨガの業界は疲弊しきって、破綻をきたしている言える。ここまで読んできてそうは思わなかっただろうか。

消費者側に安く提供するということは、インストラクター側にドッカリとそのツケが回ってきているのである。

そして一部のインストラクターが「ワンコインヨガ」の恐ろしいカラクリと、そこからの値上げが困難であることに気づき始めた。

もう既に「ヨガ1クラス3,000円」を高いという声もある。そりゃそうだ、脳内で思ってた通い放題1ヶ月の金額が1クラスだといわれるんだもの。

つまりヨガはもう、ナメられたのだ。

そこに追い打ちをかけるようにやってきたのが「コロナ禍」という名の嵐であり、それを乗り切ろうとするための「オンライン化」というボロ船である。

オンライン化が進み、価格はますます下げられていく。対面でのヨガと同じ価格は納得がいかないということなのだ。

ここでもまた「オンラインだから500円」というコトバが出てきてしまいそうになる。

飲み込め! 飲み込むんだ!

自分自身とはいつでも完品であり、スーパーパワーに満ちた完全体であり、どんな時でもパーフェクトに生きているのだという…

ヨガの学びの大前提を思い出せ!

ヨガの価値を自ら下げるようなことをするな。このコロナ禍で、スタジオも苦しいのはわかる。実際運営に立ってるアタクシだって現実問題としては苦しいのだ。

それでなくてもダイエットや痩身を始め、ストレッチやマッサージ、パーソナルトレーニングや整体、理学療法などの波に飲み込まれていこうとしている『ヨガ』という名前。

本来の『ヨガ』という煌めく星のように美しく、素晴らしいモノを伝えることを、諦めてはいけない。

そして同時に、それが煌めくものであるということを、きちんと対価として表示し続けていく責任を…ヨガ講師はもちろん、ヨガインストラクターもヨガスタジオも…担っていることを忘れてはいけない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?