見出し画像

東京都の新型コロナ死亡者が200人を超えたので、その内訳をいろんな視点でまとめてみる

引き続き東京都の新型コロナ死亡者が増加しており、5/13(水)の発表をもって200人を超えました

昨日5/15(金)の新しい感染者は9人と、一時期より激減しているのですが死亡者の増加スピードは落ちることなく純増してしまっています。もちろん感染から死亡に到るまでは一定の期間があるため時差であるということも言えるわけですが、本当にそういったズレなのか、ぜひご自身でお考えいただくためにデータをまとめました。

より詳細に情報を得たい方は、前回の記事も併せてご覧ください。

死亡者の増加は減速していない

スクリーンショット 2020-05-16 16.02.56

このグラフは、東京都が発表した死亡者のPDFを集計しグラフ化したものです。注意が必要なのは、死亡日が発表されていないデータがあるため、その場合は「発表日=死亡日」として集計されています。そのため、実際のグラフは少し左側にズレていることになります。

また「未確定」という部分については、数日後に遡って死亡者が発表されますので、まだ増加する可能性があるという意味だと思います。

その辺りを差し引いても、死亡者累計数は感染者累計数とは異なる傾向となっています。東京都が発表している感染者累計数のグラフを見てみましょう。

スクリーンショット 2020-05-16 16.03.07

このように、4/23頃から増加が緩やかになり、5/1頃からは明らかに増加数が遅くなっています。もちろんですが、感染者数はPCR検査の実施数や、どういう人に実施したかによって補足できる感染者の数は変わってきますので、参考値として見るべき数字だと思います。

この状況をいくつかのパターンで推測してみます。

死亡者と感染者の関係の推測その1 「感染発覚(診断)から約22日遅れで死亡している説」

(5/17 10:48修正)
「感染」ではなく「感染発覚(診断)」から22日、が正しい表現でした。

前述の通り、感染者は4/23頃までは減速することなく一定の割合で純増していました。その辺りの感染者の中で死亡者が出ており、現在の死亡者のグラフに反映されているという見方です。

この見方だと、4/23から5/15の間は22日間あるため、感染発覚(診断)から約22日後に死亡する人が多いということになります。ただしこれは様々なデータで発表されている感染発覚(診断)から死亡までの日数としては長すぎると思われます。

(5/17 10:48追記)
はてブなどで「感染発覚(診断)から死亡まで22日くらいは妥当」というご意見があったので、一応東京都発表のデータを記載しておきます。
東京都発表のデータの中で「診断日」が公表されているのが70事例しかないのですが、そのまとめはこうなっています。約80%は診断から14日程度で亡くなっています

スクリーンショット 2020-05-17 10.48.03

死亡者と感染者の関係の推測その2 「ウィルスの凶暴化し致死率を上げている説」

感染者が減っているのに死亡者は減っていないわけですから、致死率が上がっていると考えることもできます。この辺りはしかるべき調査と専門家の分析・研究を待つしかありません。

死亡者と感染者の関係の推測その3 「感染者を補足できていなくて、まだ感染者は増え続けている説」


東京都の発表を疑ったりするのは陰謀論のようで良くは無いと思いますが、死亡者が増えている以上、感染者数も増えている可能性があると考えるのは致し方ありません。正直なところ、これも推測レベルですので断定するわけではありません。

「死亡日」の未発表が増加し続けて全体の82%になっている

画像3

あともう一つ触れておきたいのが、東京都が発表している死亡者の「死亡日」についてです。1-50人目では死亡日未発表は20%しかなかったのに、151-200人目は82%が死亡日未発表となってしまっています。例の個人情報保護の観点なのかもしれませんが、これでは正確な把握ができません。死亡日の発表が遅れると、死亡者が急増していることを早い段階でつかめなくなります。(東京都の内部では把握していて分析してくれていることを願いますが)

補足できていない死亡者はほぼ無いと思われる

スクリーンショット 2020-05-16 16.40.35

いわゆる超過死亡についてはいくつかの機関で発表されていますが、東京都が発表している各月の死亡者数の実数値がまとまっていたので、こちらも掲載しておきます。新型コロナの死亡者を補足できず、全体の死亡者数が増えていないか、ということをチェックする数字です。

2016年から2019年の各月の東京都の死亡者を2020年と比較すると、下記のような数字になっていました。
・2020年1月(9,788人):104%
・2020年2月(12,268人):103%
・2020年3月(10,602人):92%
・2020年4月(10,370人):103%

4月が少し増えていますが、誤差の範囲かなと思われます。3月は逆に減っていますね。ただこの4月の103%を3%の増加と捉えると約300人の死亡者増加となるので、、、判断はちょっと難しいですね。
参照元はこちらだそうです。

4月の自殺者数は例年に比べて減少

スクリーンショット 2020-05-16 16.41.17

ニュースや識者の話では、自粛によって新型コロナの死の危険だけでなく、経済的な悩みによる自殺や、DV等による自殺などが懸念されていましたが、今のところ自殺者は逆に減っています

ただし、東日本大震災の時も災害の直後は自殺者が減り、その後に徐々に増えていくという現象もあるそうなので、注視が必要です。

まとめ

確実に言えることは、死亡者の増加は減速していないということです。また、東京都がそれを表立って発表していないのと、稚拙にPDFで発表しているデータでは死亡日を未発表とするデータがどんどんと増えています

東京都のこれまでの発表を見ていると、都民に混乱が生じるようなデータは隠しておき、後で落ち着いてきたら出すような動きが散見されます。例えば陽性率の発表もだいぶ後でした。状況が良かろうと悪かろうと、現在の生のデータを出すような行政であって欲しいと願っています

元データ

死亡者のデータはいつものこちらのGoogleスプレッドシートを参照しています。

感染者のデータはこちらの東京都のWebサイトを参考にしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?